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【海外試乗】VWの新型SUV「Tロック」はディーゼルエンジンを搭載して2020年に日本導入予定

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【海外試乗】VWの新型SUV「Tロック」はディーゼルエンジンを搭載して2020年に日本導入予定

フォルクスワーゲンが「Tクロス(T-Cross)」の日本導入を予告して以来、もうひとつのSUVも注目を集めている。ティグアンとTクロスの間を埋めるサイズ感を持つTロックだ。2020年の日本導入を予定されているこのコンパクトSUV、Tロック 4モーション 2.0TSI(Volkswagen T-ROC 4MOTION 2.0TSI)を欧州で試乗した。(Motor Magazine 2017年12月号より)

VWゴルフをSUVにしたかのようなサイズ感を持つ「Tロック」
フォルクスワーゲンは、欧州、北米、そして中国の各主要市場におけるSUVの占拠率は今後さらに増加し、10年後にはそれぞれの市場で全体の36%、45%、そして49%と最多販売機種となると予想している。

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フォルクスワーゲンは2002年にトゥアレグ、2007年にティグアンを投入してきたが、こうした分析をふまえ、2016年にミッドサイズのアトラス(中国ではテラモン:日本未輸入)、そして2017年にティグアンオールスペース(日本未輸入)と、SUVラインアップのさらなる充実を図ってきた。そして今回はティグアンのクーペバージョンとも言えるTロック(T-ROC)を拡大する市場に送り出す。

Tロックのサイズは全長4.23m、全幅1.82m、全高1.57m、そしてホイールベースは2.59m。ティグアンより全長で25cmも短く、ゴルフ(全長4.27m)をベースとしたクロスオーバーSUVともとれる。

デザインはモデル名に相応しく、ティグアンよりもルーフは8cm低く、リアゲートの傾斜が強いクーペ風のスポーティな佇まいを見せている。いかにも若者受けしそうだ。また外装色は「スタンダード」で8種類が用意され、「スポーツ」はツートーンで12種類、「スタイル」では17種類に増える。インテリアもボディカラーがダッシュボードやドアトリム、さらにはシートにまで反映されたポップなものだ。

エンジンは6種類ですべてターボ付き。ガソリンが1L 3気筒(115ps/200Nm)と1.5L 4気筒(150ps/250Nm)2L 4気筒(190ps/320Nm)の3種類。ディーゼルは1.6L 4気筒(115ps/250Nm)と2種類のチューンを持つ2L 4気筒(150ps/340Nm & 190ps/400Nm)となる。駆動系はパワーによって6速MTと7速DCT、さらに前輪駆動と4WD(4モーション)が用意される。

VW「Tロック」には、パワフルな重量級SUVとはまったく異なる軽快感がある
試乗会に用意されていたのは、ガソリンとディーゼルともにトップモデルで、今回の取材ではガソリン仕様の2.0TSIを選択した。このモデルはDCTと4モーションを組み合わせて、0→100km/hを7.2秒で加速し、最高速は216km/hに達する。

ティグアンより車高は低いが、それでも座面高57cmもあるシートからの眺めは、セダンとは異なるSUVならではのもの。またメーターパネルには11.3インチのアクティブインフォディスプレイ、センターコンソールには8インチのマルチメディアディスプレイが備わる。インターフェイスは直感的な操作が可能なもので、コネクティビティ技術によって様々なオンラインサービスを受けることが可能になっている。

ドライバーを含む車両重量1495kg(欧州計測値)のボディに190psと320Nmのパワーは十分。とくに1500rpmから最大トルクが得られるので、軽くアクセルペダルを踏み込むだけで流れの速いポルトガルの交通に簡単にシンクロすることができた。

30分ほどのハイスピードツーリングでは、ドライブモードをほとんど「ノーマル」で走ったが、十分な快適性を提供してくれた。さらに試乗の終盤ではカシュカイスの海岸線と近郊のワインディングロードを「スポーツ」モードで走ったが、背の高さにもかかわらず安定したロードホールディングとニュートラルなステアリング特性に感心した。スポーツを主張するパワフルな重量級SUVとは異なる軽快感であった。

このシュアな操縦性に加えて、パッシブセーフティシステムも充実しており、歩行者検知機能付き市街地緊急ブレーキ、事故後の安全停止システムであるマルチコリジョンブレーキ、そしてレーンキープアシストなどは標準装備で、このほか、最速210km/hまで前走車追従可能なアダプティブクルーズコントロール、リアビューカメラなど、合計11のシステムがオプションリストに載っている。

ところでこのTロックの日本登場だが、当初の2019年春の予定より遅れている。右ハンドル化などの仕様変更の問題も大きいが、それ以上にディーゼルエンジンの導入を計画しているためと思われる。つまり150psの1.5TSIのほかに、同じ出力のTDI(ともに前輪駆動)も考えているのだ。日本でこれがどう受け入れられるか楽しみだ。(文:木村好宏)

試乗記一覧

フォルクスワーゲン Tロック 4モーション 2.0TSI(欧州仕様値)
●全長×全幅×全高=4234×1819×1572mm
●ホイールベース=2590mm
●車両重量=1495kg
●エンジン=直4 DOHCターボ
●排気量=1984cc
●最高出力=190ps/4180-6000rpm
●最大トルク=320Nm/1500-4180rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=7速DCT

[ アルバム : フォルクスワーゲン Tロック はオリジナルサイトでご覧ください ]

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