「誰でも使えるようになった新しいテクノロジー」を中心に、「一人ひとりが本当に欲しいものを作り上げる」ことをテーマとしたイベント「Maker Faire Tokyo」に日産総合研究所の「横浜ラボ」が出展! なんとクルマの動きに連動するミニカーの技術を展示したぞ! この技術、想像しているかなり面白そうだぞ!
文:ベストカーWeb編集部/画像:日産、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】クオリティ高めだけど機構はシンプル!? ミニカーやキャラクターが運転に連動して動く!!(9枚)
身近な技術でつくる「最先端」!
これは、想定していたよりスゴそうだ……! そのような印象を抱かせるのが日産の「クルマとシンクロするミニカー」。簡単に言ってしまえば、文字通り「クルマの動きに対しミニカーが連動する」といったもの。
「日産自動車株式会社 総合研究所 横浜ラボ」は、2025年10月4日と5日に東京ビッグサイトで開催された「Maker Faire Tokyo」で「クルマと連動して動くフィジタルデバイス」を展示した。
「Maker Faire Tokyo」は「子どもも大人も楽しめるテクノロジーと「つくること」のお祭り」。従来の技術も、新しいテクノロジーも使って、身近でありながら人を驚かせるような作品の展示やデモンストレーションが行われている。
参加しているのは、企業や研究所、学術機関から個人までとバラエティに富んでいるのも特徴のひとつ。では、日産の「横浜ラボ」が披露する「クルマと連動して動くフィジタルデバイス」とはどんなものなのか!? さっそく「クルマに関する未来の可能性」をチェックしてみよう。
まるで自分の分身が連動する! クルマが楽しくなる!
繰り返すように、「クルマと連動して動くフィジタルデバイス」とは、タイトルからも想像できるように、クルマの動きとミニカーが連動する技術だ。
実車のイグニッションをONにすれば、台座の上においたミニカーが起動し、ハンドルの向きに合わせてミニカーも動いてくれる。台座の奥にはスマホを設置する場所があり、実車の加減速に合わせてスマホに表示される映像が流れるといった仕組み。
スマホのディスプレイに表示される映像は『頭文字D』風のもの。たとえば、実車が右前方に進もうと、ハンドルを右に傾ければ、ミニカーも同じ方向を向いてくれる。スマホに表示された映像も、クルマの進行方向に合わせるように道が表示され、景色が流れていく。
たとえるなら、ミニカーが物理的なアバターのような存在になっていると想像すれば理解しやすいかもしれない。
向きが連動するだけじゃない! 芸細な技術!
連動するのはクルマの向きだけではない。ミニカーのヘッドライトやウィンカー、ブレーキランプも連動してきちんと光る。それだけでなく、ドアの開閉だってばっちり連動する(しかもバックドアも開閉するぞ!)というのだから驚き。
台座含めた大きさは、ダッシュボードに載せられる程度のものだから決して大がかりなものでもない。商品化するのならば、標準装備というよりは、オプションに含めたりやカー用品店などで販売したりといった展開を考えているとのことだ。
もちろん、いまどきのクルマだったら、メーターパネルに実車の3Dモデルが表示されて、実車の動きと連動してくれるものも多い。しかし、実際にはつねにパネルやディスプレイを見れるわけではない。だからこそ、3Dではなく、むしろマテリアルなミニカーが連動するというギミックが、いま自分のクルマがどんな動きをしているのかを視界の端でも、把握しやすくなるだろう。
エポロくんや戦艦大和の主砲まで設置可!?
そして重要なのは、実質的な便利さだけではない。開発に携わった「横浜ラボ」の方は、クルマの「楽しさ」に対し、どのような新しい体験を提供できるかといった観点が、この技術につながっていると説いてくれた。
また、「ヒトはナニカとナニカが連動して動くとき、楽しさを本能的に感じ取る」といった研究成果まで踏まえている開発しているとのこと。たしかに言われてみれば、自分の分身が連動してくれるのは、なんとなく嬉しさや愛着も生じる気もする。
さらに驚きなのは、なんとこのミニカーは脱着可能で付け替えができちゃう! 自身の所有するミニカーだけでなく、ほかのクルマやもはやクルマですらないキャラクターまでセットすることができるのだ。
たとえば、エルフは耳がパタパタと動いたり、日産のマスコットロボ「エポロ」くんは顔(?)がぴかぴか光るぞ。
これは、運転手にとっても、同乗者にとっても視覚的な楽しみを提供してくれる存在となりそうだ。「横浜ラボ」としては、このミニカーやキャラクターを全国の道の駅などでカプセルトイで販売することなども検討しているとのこと。
ドライブや旅行のついでに、おもわず財布の紐もゆるみ新しい「分身」をゲットしてしまうかもしれない。人気コンテンツのキャラクターなどとコラボした日には、爆ウレ間違いなし!?
勝負所は高機能・高性能よりも「楽しさ」!
今回の「クルマと連動して動くフィジタルデバイス」も当然、海外展開を視野に入れている模様。ユーザーの体験を大事にする「横浜ラボ」は、AI技術の便利な面のみの先端性だけでなく、むしろ「楽しさ」「実感」の重要性を訴えている。
現在、クルマの技術は日進月歩の速さで発展している。それこそ中国車などでは、AIを用いた技術が大きく宣伝されることも増えてきた。日産も「東風日産」としてN7を発売し、中国展開に力を入れている真っ最中だ。
ひょっとしたら、「クルマと連動して動くフィジタルデバイス」が、便利さや高級感だけではない、楽しさもある新時代の技術として、ほかのクルマとの差別化を図る推進力になるかもしれない。それこそ、ミニカーを付けかえることのできるこの技術は、日本の持つサブカルチャーの強みとの「連動」も活きそうだ。
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