はじめに
ボルボの電動化戦略は、2000年代末にプラグイン技術を投入したところからはじまった。その成熟ぶりは、控えめに言ったとしてもみごとと形容すべきものだ。
記憶力のいい読者は、2007年に発表されたC30ベースのリチャージ・コンセプトを思い出すかもしれない。発電用の1.6Lガソリンエンジンと4基の駆動用モーターで構成されるシリーズハイブリッドシステムを積み、電力のみで最大100kmを走行すると謳った試作車だ。
続いて製作されたのが、ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせた2台のV70。これは、同郷の電力・エネルギー企業であるヴァッテンフォールとの共同研究だった。そのプラグイン仕様のワゴン2台は、2010年に電力航続距離30kmを達成する。
そしてボルボは、現実的な使い方においてどのような長所と短所があるのか、これらのテスト車から知ることができた。敢えて最大の弱点はどこにあったかを述べるなら、それは11.3kWhバッテリーによるゼロエミッション走行距離の短さだ。
しかしそれ以降、事態は急激に加速した。親会社である中国のジーリーホールディングが多額の投資をしたこともあり、ボルボは競合するドイツ勢を出し抜くために重ねてきたプロジェクトの数々で得た成果を、実践に移すことが可能になったのだ。
そうして2012年に、V60のディーゼルPHEV仕様が登場。それに続いて、パフォーマンス志向となるガソリンハイブリッドのハイエンドモデルが順次投入された。これにより、目端の利くカンパニーカーオーナーたちは、スタイリッシュで魅力的ながら燃料費と税額を節約できるクルマに出会った。
そして2020年。ボルボはマイルドハイブリッドからフルEVまでを用意し、全ラインナップを電動化した。同時に、大型で高価なプラグインハイブリッドモデルのいくつかについては、価格をより手に入れやすいものとしてきた。他社の電動化ラインナップ拡大は、まだはじまったばかりだというのに、である。
今回のV90 T6リチャージは、そうしたモデルのひとつだ。新たにアップグレードされたボルボのフラッグシップワゴンは、前身のT8ツインエンジンよりややアンダーパワーなのだが、価格もわずかながら低い。そのうえ、課税額の低い区分にも入る。
とはいえ、アウディやBMW、メルセデス・ベンツからシェアを奪い取れるほど、それは魅力のあるクルマなのだろうか。われわれが知りたいのはその点にほかならない。
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
現行V90の登場から4年経ったが、今みてもハンサムで印象的なクルマだ。それでもボルボは、2021年モデルでこのフラッグシップとなるワゴンと、そのセダン版であるS90にマイルドなフェイスリフトを施した。
テールライトやフォグライト、バンパー下部に変更を加えたが、その程度のリフレッシュで済ませたのは、トーマス・インゲンラスのオリジナルデザインが完成されていたからだともいえる。
また、V90の登場後にBMW5シリーズとアウディA6がモデルチェンジしたが、それらと見比べてみて、V90のデザインはむしろ優秀さが引き立つ結果となった。
その下にあるメカニズムも、馴染み深いものが使われ続けている。プラットフォームはボルボの大型モデルに用いられるスケーラブル・プロダクト・アーキテクチャーで、これはジーリーから多額の投資を受けて開発されたものだ。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクで、パッシブダンパーを装備する。リアはコンポジット素材のリーフスプリングが標準アイテムだが、テスト車に装着されていたのはオプション設定のエアスプリングで、これに合わせて、ダンパーもアダプティブ仕様に換装。Rデザイン仕様なら、車高が20mmローダウンされる。
対して、見直しが明確に図られたのはエンジンのラインナップだ。ベースとなるのは2.0L直列4気筒のガソリンとディーゼルだが、いずれもなんらかの電動化技術と組み合わされる。最近になって導入されたBシリーズユニットは、すべて48Vマイルドハイブリッド仕様となる。
今回テストするT6は、以前のT8ツインエンジンに代わるトップグレード。ボルボが新たにリチャージと銘打った、プラグインモデルのファミリーに属する。
ターボとスーパーチャージャーを兼ね備えるツインチャージのT8とは異なり、T6の253psガソリンユニットはターボのみで過給。駆動力は8速ATを介して前輪のみへ送られる。いっぽう、後輪は87psの電気モーターで駆動。いわゆる電気式4WDに仕立てられている。
11.6kWhの駆動用バッテリーは、センターコンソール下のトンネル内に配置。WLTP基準のEV航続距離は58kmだ。家庭用ウォールボックスでの充電は、2時間ほどで完了する。
内装 ★★★★★★★★★☆
あいかわらずV90のキャビンはすばらしく広く、マテリアル的にはじつに見栄えがいい。ボルボのクールなミニマリスト的デザインとシンプルなアプローチのレイアウトは目にしてすぐに気付くが、レザーやアルミニウム、グロスブラック処理されたプラスティックは、メルセデスやBMW、アウディにも余裕で張り合える質感だ。
ボルボとしては、ユーザーにこのクルマをプレミアム物件だと認識してもらいたいと考えている。V90のインテリアは、マテリアルや仕上げ、組み付けなど、どこをとってもそれにふさわしいものがある。
エルゴノミクスの面からみても、好ましい点は多い。ドライバーは、リムの細さが喜ばしいステアリングホイールの真正面に座らされ、スポーティなルックスのシートは硬すぎず柔らかすぎず。十分なサポートは、太ももと腰をずれないよう支え、電動アジャストにはシートポジションを調節する余地がふんだんにある。
いっぽう、インフォテインメントシステムの縦型タッチ式ディスプレイは、手の届きやすい範囲内に配置されている。走行中でも、操作は比較的イージーだ。いまやボルボは、以前よりもブランド力を増している。このアップマーケット、使い勝手を犠牲にすることなく図られたというのがうれしいところだ。
そう、実用性も高いのである。積載性よりも後席乗員スペースを優先したV90だが、それでもラゲッジスペースは広大だ。かつてのボクシー極まるボルボと違い、リアウインドウが強く傾斜しているので、ソファーを楽に積み込めるというわけにはいかないだろう。
それでも、ワイドな開口部とフラットなフロアにより、大きな荷物の積み降ろしは苦にならない。そして後席の居住性だが、頭上と足元には背が高い乗員にも十分な空間が確保されている。
走り ★★★★★★★★☆☆
V90のサイズとプレミアムなポジションを考えると、エンジンラインナップに6気筒が存在しないことを嘆く声には容易に同意できる。だが、BMWの30dや40iに対抗しうるエンジンを積んだ大型ボルボを夢想するのと同じくらい興味をそそる事実がある。
それは、このV90の4気筒が、ガソリンハイブリッドであるにもかかわらず、おおらかに走るパフォーマンスを魅力的なレベルに到達させるのに貢献しているということだ。
たしかに速さは、現実的に必要とされるくらいある。たとえ、リッチなサウンドや、負荷がかかった際のなめらかさが、より大きなエンジンほどではないにしても。
デフォルトのハイブリッドモードでスロットルペダルを踏み込むと、電気モーターのそれほど多くないトルクで強力に走り出し、それからエンジンが介入して本格的に加速する。モーターの後押しが弱まるにつれて、加速はおだやかになっていく。また、8速ATはキックダウンするまでに間がある。
それでも、そうした遅れの具合はほかのPHEVより小さく、ドライバビリティ全体に悪影響を与えるようなものではない。
0-97km/hが5.6秒というのは悪くないし、公称タイムに一致するものでもある。48-113km/hが4.9秒というのもなかなか優秀。このクルマに比べるとかなり軽いBMW330dツーリングが5.2秒を要することを考えれば、みごとな数字だといってもいいだろう。
ただし、ボルボのガソリンハイブリッドは、BMWの6気筒ディーゼルと同じくらい力強いとはいっても、こと固定ギアでの加速力となると、トルクが豊かなライバルに太刀打ちできるものではない。4速固定での48-113km/hにかかる時間は、V90が8.4秒なのに対し、330dは5.8秒だ。
あからさまにスポーティな走りを追求するのはボルボのスタイルではないが、V90をよりゆったりリラックスして走らせると、ずっと簡単にしっくりとくる。とくにスーパーチャージャーがなくなったことで、この2.0LユニットのサウンドはT8ツインエンジンよりスムースで、狂気的なところもやや影を潜めた。また、電気モーターと内燃エンジンとの切り替えは、驚くほど円滑に行われる。
モードをEV走行のピュアに切り替えると、市街地を走り回るのがひときわ楽しいものになる。後続車を引き離すのに十分なくらい、クルマを押し出してくれるのだ。ただし、加速し続けるような走りかたをしていると、エンジンが息を吹き返すことになる。
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
インフォテインメント
V90には、独特の9.0インチ縦型ディスプレイを用いるインフォテインメントシステム、センサスコネクトを装備。いまやボルボではお馴染みとなった、すべてをタッチ式の画面で操作するシステムだ。
操作はシンプルで覚えやすく、入力へのレスポンスに優れ、画面表示は走行中でも読み取りやすい。ただし、マップのグラフィックはちょっとばかりベーシックなもので、Apple CarPlayとAndroid Autoを使うには別料金が必要だ。
オプションのバウワース&ウィルキンス製サウンドシステムは、静粛性の高いV90のキャビンでは問題なくすばらしいと思える。とはいえ、クラス水準に照らせば特筆すべきほどのものではない。
燈火類
V90リチャージには、LEDのオートライトが標準装備される。ハイ/ローとも並外れて強いビームを放ち、ステアリング操作と連動してスイングすることで視認性を高める。
ステアリングとペダル
ペダル配置について特筆すべきことはないが、むしろそれはいいことだ。無理に身体をひねる必要がないため、快適に座れて、長距離でも楽に運転できる。
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
V90はドライバーを夢中にさせるというよりも、よりリラックスした走りかたに向いている。運動性に光るものを求めるより、快適性や扱いやすさに主眼を置いたクルマだ。そうしたことを踏まえて走らせると、このクルマのキモを堪能するにはそのほうがずっといいことがわかるだろう。
もとから軽いステアリングにより、全長4.9mものボディでもタイトなスポットにおける低速での取り回しは楽。しかも、正確かつ直感的で、開けた道でも自信を持って操作できる。
ローダウンしてもコンフォート寄りであることが際立つサスペンションは小さな路面不整ならキャビンに伝えてこないが、ボディの動きはきっちりと制御する。また、コーナリング中の衝撃でスタビリティが失われるのも最小限に抑えてくれる。
また、245セクションのタイヤはシャシーと協調して、高いレベルのグリップとスタビリティを実現。ドライバーのコンフィデンスを衰えさせるような心配は一切ない。
もっともスポーティなパワーモードを選び、ずんぐりした短いセレクターレバーをBレンジに入れて回生ブレーキの効きを強めれば、たしかに多少はホットなドライビングができるようになるだろう。
しかし、ハードにプッシュしすぎると、シャシーのグリップ限界を試す甲斐はあまりないことを知らされる。そして、それまで抑えが効いた動きをみせていたボディが、かなりふわつき、大きくロールするようになる。
ボルボオーナーの大多数が、スポーティな性質の欠如を気にすることはないと思う。それでも、われわれとしてはそれを伝えなければ手落ちになる。
しかし、走りの楽しさや熱中度を重視するユーザーがいるいっぽうで、V90のスマートなルックスや卓越した実用性、ボルボが誇る安全性や抜群の快適性に魅力を感じるユーザーも同じくらい多いはずだ。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★★
V90の走りにとって、シルクのようにスムースなマナーが最大の強みであることに、疑いの余地はない。
テスター陣は、V90 Rデザインが履くスポーティな大径ホイールとローダウンしたサスペンションを目にして、乗り心地にはマイナス要因ではないかと危惧した。ところが、数km走ってみて、それが杞憂に過ぎなかったことを思い知った。
事実、このやや硬いサスペンションは、重量のかさむプラグインハイブリッドモデルにとって有利に働いている。ゆったりした速度域では、上下方向のボディの挙動が、波の長い入力に対してスマートに抑制されているようなフィールで、車体を水平に保つためクルマが懸命になっているようには感じられない。
ところが、それと同時に、しなやかでふんわりしているところも持ち合わせている。それゆえ、V90はつらいはずのロングドライブでも、この上なく快適にこなせるのだ。
この平穏さは、低い速度域でもあっさり損なわれることがない。見栄えのいい20インチホイールで状態の悪い舗装を通過すると、サスペンションからの衝撃音が軽く聞こえてくるが、それは決して強烈なほどではない。
車内の平穏さと静けさはいつでもほぼ保たれている。よほど大きなバンプやえぐれに遭遇しなければ、それが乱されることはまずない。
高速道路でも、キャビンの静粛性は高い。風切り音とロードノイズはあるが、それもわずかで、ガソリンエンジンのサウンドもドラマティックさはほとんどなく、背景音に溶け込んでしまう程度だ。
騒音レベルの計測値は、同等サイズのアウディやBMWにも見劣りしない。113km/h巡航時には66dBで、これは、A6アバント 40 TDIの65dBや520dセダンの66dBと同レベル。もちろん、いずれの比較対象もすばらしく洗練されたクルマであるのはいうまでもない。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
V90 T6リチャージ AWD Rデザインの価格は5万5305ポンド(約774万円)、高級仕様のインスクリプションは5万6155ポンド(約786万円)から。フェイスリフトしたBMW530d Mスポーツ・ツーリングが5万6835ポンド(約796万円)で買えることを考え合わせると、だいぶ高価に感じてしまう。
しかし、これを英国でカンパニーカーとするなら話は違ってくる。CO2排出量50g/km以下の優遇税制により、課税率は本体価格の10%なので、これが36%となるディーゼルのBMWよりだいぶ有利になるからだ。
とはいえ、BMWもプラグインハイブリッドの530eツーリングのMスポーツ仕様なら同じ税率になる。アウディA6もガソリンハイブリッドのeTFSIを用意しているが、こちらはワゴン版のアバントが設定されていない。
この3車種とも、EV走行の航続距離は似たようなもので、そうなるとブランドの好みが購入動機の大きな割合を占めそうだ。それはともかく、バッテリーが尽きてからのV90は、なかなか悪くない燃費をマークする。高速道路でのツーリングでは14.8km/Lだった。
14.2km/Lというテスト時の平均燃費は、V90のベストな実力を示すものではない。というのも、電力を多用して市街地を走るより、テストコースや高速道路で過ごした時間のほうが長かったからだ。常に充電を怠らず、短距離移動が多いならば、これよりずっといい数字が出るだろう。
スペック
レイアウト
アップデート版V90のベースは、ボルボのスケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)。フロントには2.0L直列4気筒ガソリンターボを横置きし、8速ATを介して前輪を駆動する。
いっぽうのリアには、独立して電気モーターが設置され、後輪を駆動。エネルギー源となる11.6kWhのバッテリーはセンタートンネル内に配置される。リアのスプリングは横置きコンポジットリーフが標準装備で、オプションで空気バネも用意される。
エンジン
駆動方式:フロント横置き前輪駆動/電気式後輪駆動
形式:直列4気筒1969cc、ターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ82.0×93.2mm
圧縮比:10.3:1
バルブ配置:4バルブDOHC
モーター最高出力:87ps(リア駆動用)
モーター最大トルク:24.5kg-m(リア駆動用)
システム総合出力:340ps
システム総合トルク:60.1kg-m
エンジン許容回転数:6000rpm
馬力荷重比:162ps/t
トルク荷重比:28.6kg-m/t
エンジン比出力:-ps/L
ボディ/シャシー
全長:4936mm
ホイールベース:2941mm
オーバーハング(前):875mm
オーバーハング(後):1120mm
全幅(ミラー含む):2010mm
全幅(両ドア開き):3640mm
全高:1475mm
全高:(テールゲート開き):2070mm
足元長さ(前席):最大1140mm
足元長さ(後席):800mm
座面~天井(前席):最大1020mm
座面~天井(後席):940mm
積載容量:560~1526L
構造:スティールモノコック
車両重量:2100kg(公称値)/2109kg(実測値)
抗力係数:0.30
ホイール前・後:8.5Jx20
タイヤ前・後:245/40 R20 99W
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.25/7.9
2速:3.03/13.7
3速:1.95/21.2
4速:1.46/28.5
5速:1.22/34.0
6速:1.00/41.5
7速:0.81/51.2
8速:0.67/61.6
最終減速比:3.20:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:14.2km/L
ツーリング:14.8km/L
動力性能計測時:6.6km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:37.0~47.6km/L
燃料タンク容量:60L
駆動用バッテリー:リチウムイオンバッテリー、11.6kWh(グロス値)
現実的な航続距離:850km
CO2排出量:50g/km
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、アダプティブダンパー
後:マルチリンク/エアスプリング、アダプティブダンパー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.8回転
最小回転直径:11.8m
ブレーキ
前:345mm通気冷却式ディスク
後:320mmディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、スイッチ(センターコンソールに設置)
静粛性
アイドリング:43dB
全開時(4速):84dB
48km/h走行時:59dB
80km/h走行時:62dB
113km/h走行時:66dB
安全装備
ESC/ABS/ACC/LKAS/AEB/FCW
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人95%/子供80%
交通弱者保護性能:76%
安全補助装置性能:93%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温21℃
0-30マイル/時(48km/h):2.2秒
0-40(64):3.1秒
0-50(80):4.1秒
0-60(97):5.6秒
0-70(113):7.1秒
0-80(129):9.0秒
0-90(145):11.7秒
0-100(161):14.9秒
0-110(177):19.1秒
0-402m発進加速:14.3秒(到達速度:157.7km/h)
0-1000m発進加速:26.5秒(到達速度:183.5km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
BMW330dツーリング xドライブ Mスポーツ・プラスエディション
テスト条件:湿潤路面/気温12℃
0-30マイル/時(48km/h):1.9秒
0-40(64):2.9秒
0-50(80):4.0秒
0-60(97):5.5秒
0-70(113):7.1秒
0-80(129):9.1秒
0-90(145):11.4秒
0-100(161):14.5秒
0-110(177):17.8秒
0-402m発進加速:14.1秒(到達速度:158.8km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):2.2秒(2速)/2.7秒(3速)
30-50(48-80):2.4秒(2速)/3.0秒(3速)/3.9秒(4速)/4.4秒(5速)
40-60(64-97):3.4秒(3速)/4.2秒(4速)/4.9秒(5速)/5.6秒(6速)/6.9秒(7速)/8.5秒(8速)
50-70(80-113):3.7秒(3速)/4.6秒(4速)/5.3秒(5速)/6.3秒(6速)/7.6秒(7速)/9.1秒(8速)
60-80(97-129):4.1秒(3速)/5.0秒(4速)/5.8秒(5速)/6.9秒(6速)/8.5秒(7速)/10.3秒(8速)
70-90(113-145):5.5秒(4速)/6.5秒(5速)/7.6秒(6速)/9.6秒(7速)/12.0秒(8速)
80-100(129-161):6.0秒(4速)/7.2秒(5速)/8.6秒(6速)/11.2秒(7速)/14.9秒(8速)
90-110(145-177):8.0秒(5速)/9.9秒(6速)/13.7秒(7速)
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温21℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):23.7m
70-0マイル/時(80km/h):45.7m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.77秒
ライバルの制動距離BMW330dツーリング xドライブ Mスポーツ・プラスエディション
テスト条件:湿潤路面/気温12℃
30-0マイル/時(48km/h):10.3m
50-0マイル/時(64km/h):27.7m
70-0マイル/時(80km/h):54.3m
各ギアの最高速
1速:46.7km/h(6000rpm)
2速:82.1km/h(6000rpm)
3速:127.1km/h(6000rpm)
4速:170.6km/h(6000rpm)
5速:180.2km/h(5309rpm)
6速:180.2km/h(4348rpm)
7速:180.2km/h(3517rpm)
8速(公称値):180.2km/h(2926rpm)
結論 ★★★★★★★★★☆
V90 T6リチャージは、ボルボのいちばんの長所を象徴するクルマだ。たとえ高級プラグインハイブリッドとして、ルールを完全に塗り替えるようなものではないにしても。
ライバルたちには、EV航続距離やCO2排出量において、これに肩を並べたり、場合によっては凌ぐモデルもある。また、ほとんどがパフォーマンスでも、プレミアムなクオリティやフィニッシュの魅力でも、同等のレベルにある。
それでもV90は、このカテゴリーで際立って心惹かれる選択肢だ。数年前に比べ、この手のクルマがずっと増加しているなかで、意識的にコアとなる強みを活かそうとしたボルボは大きな役割を果たした。
ボルボは、このクラスにおけるもっともドラマティックで、走りに熱中できるクルマを造ろうとしたわけではない。それよりも好ましいデザインや高い安全性、この上なく洗練された走りやすばらしい実用性、そして申し分のない円熟味といった点を重要視した。
もしもBMWやジャガーのようなものを目指したなら、V90はもっとエキサイティングなクルマになっただろう。ただし、代償を払うことになったはずだが。そうなれば日常使いできるさりげない上品さを犠牲にし、まじめなプロダクトだと感じさせなくなっただろう。それこそ、最悪の結果だ。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィスV90以前に、ミルブルックの1マイルストレートで最高速に達するクルマを走らせたことはなかった。速度計が180km/hを超えたあたりで、正確にリミッターが作動したのだ。ボルボはすべてのモデルのトップスピードを制限していると明言しているが、冗談ではなかったようだ。
マット・ソーンダース奇妙だと思われるかもしれないが、今回のプラグインハイブリッドパワートレインにボルボが施した再調整は、V90にぴったりだったというのが個人的な感想だ。もしもT6とT8が同時に設定されていたなら、間違いなくT6を選んだだろう。ゆったりとした足取りと高められた洗練性は、ビッグなボルボに完璧といえるほどふさわしい。
オプション追加のアドバイス
おすすめグレードはインスクリプションではなくRデザイン。スポーティなボディスタイルは、もともと魅力的なV90のルックスを引き立てる。それでいて、乗り心地が大きく損なわれることはない。
改善してほしいポイント
・EV走行の航続距離を、重量のハンデを負うことなく延ばしてほしい。
・CO2排出量をさらに減少させてほしい。
・ブレーキペダルのフィールはややふわついている。改善を望む。
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