現行で車内空間や荷室が拡大 低速重視の力強い加速も好感
1961年から多くの仕事人に愛されてきた軽トラックのキャリイ。 現行モデルは2013年に登場した十一代目で、パッケージングの見直しにより車内空間も荷室も広くなり、軽自動車の枠をミリ単位で有効活用している。18年にはキャビンを大型化したスーパーキャリイを追加。
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エクステリア
撮影車両の「スーパーキャリイ」はキャビンを後方へ460mm拡大し、室内空間を広げたモデル。ライバルの「ハイゼット ジャンボ」と比べてもキャビンが大きいのがポイントだ。最小回転半径は3.6m。運転席のスライド量は標準車の140mmから180mmに増加し、リクライニング角度も大きくとれて、軽トラらしからぬリラックスした姿勢をとれるようになった。
インストルメントパネル
徹底して質実剛健。張り出しを抑えて開放感を高めつつ、助手席前や中央下部などに大きな収納部を用意して実用性を高めた設計となっている。ナビ画面を見やすくするため、“ひさし”を付けているのも面白い工夫だ。荷台長はキャリイの1940mmに対して1410mmと短くなったが、荷室フロア長はキャリイの2030mmに近い1975mmを確保しているので、高さがあまりない長尺物なら搭載できる。
居住性
標準車に対してスーパーキャリイは、運転姿勢など基本は共通だが快適性が違う。後者の運転席はシートスライド量が40mm延長され、最大40度のリクライニングも採用。自然吸気エンジンは50psに過ぎないが、5速MTがローギヤードな設定なので、加速は想像しているよりもずっと力強い。荷物を搭載していても街なかならば困ることはないだろう。一方で、高速道路では5速にしてもエンジン回転数が高くて騒々しいので80km/h程度で流すのが無難。 横風の影響も強く受けるから、それ以上飛ばす気にもなれない。
うれしい装備
ハイルーフの高い天井を生かしたデッドスペースの有効活用。ボックスティッシュなどを置くことも可能。シート後方の“荷室”は、スーパー キャリイだけの空間。車内なので、盗難などのリスクが少ないのが良い。キャビン後方は“高床”のような構造に。畳や角材など、厚さのない長尺物を積む助けとなる。月間登録台数 3576台(21年8月~22年1月平均値)現行型発表 13年8月(一部仕様変更 21年8月)WLTCモード燃費 17.6 km/l ※「KX」、「KC」系の5速MT車
荷台
撮影車のスーパーキャリイは、キャビンの後方延長分だけ荷台が短く荷台長(キャビンまでの距離)は1480mmに留まる。代わって標準車は、床の奥行き2030mm、荷台長1940mmという広さを実現する。荷物の“あおり(側/後)”は三方向倒せる。乗り心地はトラックそのもので、凹凸の入力がダイレクトに入ってくる。決して快適とは言えないが、そのタフな雰囲気は、さすがはプロの道具といった趣だ。趣味が高じて軽トラが必要になったなどセミプロならば、キャビンが快適なスーパーキャリイは気になる存在だろう。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.140「2022年軽自動車のすべて」の再録です。
▶︎ http://motorfan-newmodel.com/integration/140/
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寂しい限り。