2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の第5大会(第13戦~第15戦)が9月9~11日に富士スピードウェイで開催され、第13戦は大草りき(Sutekina Racing)が、第14戦は小山美姫(TGR-DC F111/3)が、第15戦は小川颯太 (Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)が制し、3名が優勝をわけあう結果となった。
また、第14戦終了時点で小山が2022年シーズンのドライバーズタイトルを獲得。2020年から開催されているFRJで初の女性ドライバー王者が誕生した。また、第15戦ではHIROBON(Rn-sportsF111/3)がマスタークラス王者を決めており、両クラスともに最終鈴鹿大会を前にチャンピオンが決定となった。
フォーミュラ・リージョナル第4大会SUGO。小川颯太、大木一輝、小山美姫が優勝分け合う
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WEC世界耐久選手権第6戦の併催で開催されたFRJ第5大会。10日午前に行われた公式予選で第13戦は小山が、第14戦&第15戦は大草がポールポジションを獲得。マスタークラスでは畑享志(A-NeKT F111/3)が3戦ともにクラス最前列を確保した。
■第13戦/プレッシャーを跳ね除けて。大草りきが今季初優勝
10日12時35分より行われた第13戦決勝。スタート前には田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)が燃料系のトラブルに見舞われグリッドにつけず、全11台でスタートが切られた。
2番手スタートの大草がスタートダッシュを決めてTGRコーナーのホールショットを奪うと、ポールスタートの小山選手は2番手で続いた。そんななか、3番手争いを繰り広げていた小川と片山義章(TeamLeMansF111/3)が、2周目のTGRコーナーでわずかに接触し、小川はスピン。最後尾まで後退することに。
中盤は大草、小山、片山の3台によるトップ争いが白熱する。終盤、優勝争いは大草と小山の一騎打ちとなり、2台のデッドヒートが繰り広げられる。小山は果敢に大草の背を追うも0.4秒届かず、大草が今季初優勝を飾った。2位に小山、3位に片山が続いた。
マスタークラスは、好スタートを決めたHIROBONが畑との接戦を制し、総合5位でマスタークラス今季7勝目を飾った。クラス2位に畑、クラス3位に三浦勝(F111/3)が続いた。
今季初優勝を飾った大草は「優勝できてよかったです。ホッとしています。今回はスタートしか抜くチャンスがないと思っていましたが、すごく良いスタートを切ることができました」とコメント。
「今年はスーパーGTで結果を出して、前回のもてぎに引き続きFRJに参戦させてもらっているので、どうしても結果を残さなきゃいけないという想いがプレッシャーになっていました。ここで1勝挙げることができて、けっこう気が楽になったので、残る2レースもこの勢いでいきたいです」
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第13戦富士スピードウェイ 決勝正式結果
PosClassNoDriverCar NameLaps /Gap13大草りきSutekina Racing15Laps28小山美姫TGR-DC F111/30.40436片山義章Team LeMans F111/32.596497小川颯太Bionic Jack Racing Scholarship FRJ16.5545M11HIROBONRn-sportsF111/318.2626M7畑享志A-NeKT F111/319.5677M34三浦勝F111/331.0628M18YUKINILZZ Racing F111/345.6609M29井出靖司RSイディア Eagle F111/350.11310M45辻子依旦PONOS Racing55.02311M23YUGOS2R Racing59.036M14田中優暉アスクレイ☆イーグルスポーツDNF
ファステストラップ:片山義章 1分38秒541(4周目) 166.7kph
■第14戦/小山美姫がシリーズタイトルを決める
10日16時30分より行われた第14戦決勝。ポールスタートの大草が第13戦に続いて好スタートを決めてトップを死守。一方、小山はまたもスタートで出遅れ、片山にかわされ3番手に後退する。
しかし、小山は序盤から積極的に仕掛け、5周目のTGRコーナーで片山をパスして2番手に浮上。さらに、勢いそのままトップの大草に迫り、7周目のTGRコーナーで攻略、トップに浮上した。
そのまま小山が2.5秒のリードを築いて今季7勝目を飾ると同時に、2022年シーズンのFRJドライバーズタイトルを決めた。2位には小川、3位に大草が続いている。
マスタークラスはポールシッターの畑がリードを守り切り、総合4位でクラス優勝を飾った。クラス2位にHIROBON、クラス3位に田中が続いた。
新王者に輝いた小山は「スタートは、前のレースに引き続き今回もうまくいきませんでした。いろいろと改善は試みたものの、そこまで大きくは変わってなかったです」と第14戦を振り返る。
「チームからは『小川選手の前でゴールすればチャンピオンだよ』ということは伝えられていましたが、私としてはシーズンも終盤なので、集大成となるようなレースをしたいなと思っていました。なので『勝ってチャンピオンを獲る』ということを目標にしていて、(スタートで)3番手に落ちましたけど『絶対に抜いていく!』と心に決めて、追い上げました」
「チェッカーを受けたときは、チャンピオンのことよりも『勝ててよかった!』という気持ちの方が強かったです。この1勝は本当に嬉しいです」
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第14戦富士スピードウェイ 決勝正式結果
PosClassNoDriverCar NameLaps /Gap18小山美姫TGR-DC F111/315Laps297小川颯太Bionic Jack Racing Scholarship FRJ2.54133大草りきSutekina Racing12.2484M7畑享志A-NeKT F111/316.92856片山義章Team LeMans F111/321.9516M11HIROBONRn-sportsF111/327.0657M14田中優暉アスクレイ☆イーグルスポーツ28.0158M34三浦勝F111/328.5389M45辻子依旦PONOS Racing51.21410M18YUKINILZZ Racing F111/352.60211M29井出靖司RS イディア Eagle F111/31:01.39212M23YUGOS2R Racing1:05.368
ファステストラップ:小山美姫 1分38秒660(9周目) 166.5kph
■第15戦/小川颯太が今季2勝目。HIROBONがマスタークラス王者に
翌11日8時5分より行われた第15戦決勝。2戦連続ポールシッターとなった大草だったが、スタート直後にマシントラブルが発生。1周目を終えたところでピットインし、レースを終えることとなった。
そんななか、オープニングラップでTGRコーナーのホールショットを奪ったのは小川。2番手に小山が続いた。レース後半、新王者小山はトップを掴むべく、オーバーテイクの機会を伺い、小川に揺さぶりをかける。幾度となくオーバーテイクを試みるも、小川がポジションを守り続ける。ファイナルラップまで2台の接戦は続いたが、0.4秒差で小川がトップチェッカーを受け、今季2勝目を飾った。2位に小山、そして3位に片山が続いた。
今季2勝目を飾った小川は「昨日までアンダーステアに悩まされていて、この3レース目に向けてセッティングを大きく変えたのですが、逆にオーバーステアが強くなってしまいました。ただ、今回はそこまで使い込んでいないタイヤを選んでスタートしたことも助けになって、最後までポジションを守りきれたのかなと思います」と第15戦を振り返る。
「後半に小山選手が迫ってきましたが、彼女もタイヤがキツそうな印象がありました。一度抜かれそうになりましたけど、その後は落ち着いてレースができました。ぶっちぎりで勝てたわけではないので、心の底から嬉しいという感じではないですが、3レース目を勝ってこの週末を締めくくれたのは良かったです」
マスタークラスは好スタートを決めたHIROBONがクラストップに浮上。序盤から田中と抜きつ抜かれつのクラス優勝争いを繰り広げる。さらに、オープニングラップでコースオフを喫し、ポジションを下げていた畑が、9周目に2台の背後に接近。
11周目に田中を攻略し、クラス2番手に浮上した畑はHIROBONを捉えるべく、サイド・バイ・サイドのバトルを続ける。そうして迎えたファイナルラップ直前に畑がトップに浮上。そのままクラストップでチェッカーを受けたが、スタート違反があったとして畑に5秒加算ペナルティが課される。
これでHIROBONが繰り上がりで今季8回目のクラス優勝を飾った。また、この優勝により、HIROBONが2022年のマスタークラス王者を決めた。クラス2位に田中、クラス3位にペナルティを受けた畑が続いた。
初のクラス王者に輝いたHIROBONは「スタートは上手くいったのですが、そこから田中選手や畑選手とのバトルになりました。昨日の2レース目と同じ展開だなと思いつつ、すごく面白かったです。特に後半の畑選手とのバトルでは、向こうのストレートスピードが速くて……何とか1コーナーで守っていましたが、最終ラップでやられてしまいました」
「畑選手にペナルティが出るというのはチームから聞いていたのですが、やっぱり勝ちたいという思いがあったので、最後まで粘りました。正直、今大会でチャンピオンが決まるとは思っていなかったので、驚いている部分もありますが、WECと併催で、たくさんのお客さんがいるなかでチャンピオンを決められて嬉しいです」と語った。
2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第16戦~第17戦が開催される最終第6大会は、12月10~11日に鈴鹿サーキットにて開催される。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第15戦富士スピードウェイ 決勝正式結果
PosClassNoDriverCar NameLaps /Gap197小川颯太Bionic Jack Racing Scholarship FRJ15Laps28小山美姫TGR-DC F111/30.41736片山義章Team LeMans F111/39.0854M11HIROBONRn-sportsF111/322.9815M14田中優暉アスクレイ☆イーグルスポーツ23.0576M7畑享志A-NeKT F111/327.0617M34三浦勝F111/330.4148M45辻子依旦PONOS Racing36.7299M29井出靖司RS イディア Eagle F111/337.81610M18YUKINILZZ Racing F111/338.61911M23YUGOS2R Racing1:19.206M3大草りきSutekina RacingDNF
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