8月3日に、静岡県の富士スピードウェイで行われたスーパーGT第4戦『FUJI GT SPRINT RACE』。日曜に行われたGT300クラスのレース2では、777号車D’station Vantage GT3の藤井誠暢がポール・トゥ・ウインを飾ったが、クラッシュやマシントラブルなどで思うようにレースを進められなかったドライバーも見受けられた。レース後、4人のドライバーに話を聞いた。
●2度接触を受けてリタイア。UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI 片山義章
【動画】2025スーパーGT第4戦富士スプリント 日曜日レース2ハイライト
予選13番手から決勝をスタートした6号車UNI-ROBOフェラーリの片山。第2戦ウイナーである片山は、追い上げのレースを目標にスタートしたが、1周目のTGRコーナー(第1コーナー)で0号車VENTENY Lamborghini GT3(元嶋佑弥)と接触、さらにアクシデントは続き、最終的にマシンをガレージへ戻すことになってしまった。
スタート直後の状況について片山は、「インに来た0号車がおそらく曲がりきれなかったようで、僕を追い出すようなかたちでバーンとぶつけられてしまいました。コ-スの外に出てしまったので、ポジションが下がってしまいました」と振り返る。
その後、18番手にポジションが下がってしまった片山は、ADVANコーナー(ヘアピン)で前を走る31号車apr LC500h GT(小山美姫)と接触があり、マシンにダメージを負ってリタイアとなった。
片山はアクシデントについて、「自分は、(16番手の)96号車(K-tunes RC F GT3/高木真一)の後ろのラインを走っていたのですが、僕ら2台のアウト側に(17番手)の31号車が走っていました」と説明する。
「アウト側にいた31号車にとって、自分はイン側の斜め後ろを走っている状況で、むこう(31号車)は前のクルマに詰まっている様子でした。おそらく、前のクルマを左から抜こうとしたのだと思いますが、こちらが見えていなかったようでイン側に思い切り戻ってきて、ぶつかってしまいました。これでマシンはダメージを負って曲がれなくなり、レースは終わってしまいました」と悔しそうな表情で語った。
●ADVANコーナーで接触「クロスラインで仕掛けようと」apr LC500h GT 小山美姫
片山とのアクシデントで同じくリタイアとなった小山は、接触があったシーンについて次のように振り返った。
「まず100Rで後ろの96号車(K-tunes RC F)が追い付いてきて、ヘアピンはラインを防ぎながら入りました。ただ、前のクルマ(9号車PACIFIC アイドルマスター NAC AMG/冨林勇佑)が思っていたよりも早くブレーキをかけたので、追突しそうになってアウト側に避けました」
「その時に96号車がインに入ってきたので、コーナー立ち上がりでクロスラインを仕掛けようと思って動いたら、イン側にいたマシンにぶつかってしまいました」
前のマシンを避けてアウト側を走っていた小山からは、イン側に入ってきた96号車K-tunes RC Fのさらに後ろにいた片山のマシンは見えていなかったという。
「ヘアピンに入った時には96号車しかミラーに写っていなくて、立ち上がりで(96号車の後ろの)スペースが空いていたのでインに入ったつもりだったのですが、見えていないところにクルマが1台いて、リヤが当たってしまい、ぶつかって押された流れでフロントも他のマシンに当たったようで、リタイアになってしまいました」
「かなり台数の多い集団だったし、もうすこし周りを配慮した運転をするべきだったかなと思います。申し訳なかったなと思い、レース後に謝罪に行きました」
このアクシデントにより、31号車は「他車への衝突行為」を理由にドライブスルーペナルティが課せられているが、リタイアのため未消化の状態でレースを終えている。
●5周目にマシントラブル「何かがバラバラに」SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人
土曜のレース1は山内英輝のドライブで8位となった61号車スバルBRZ。レース2は井口が担当して予選5番手を獲得したが、決勝は5周目にマシントラブルによってリタイアとなってしまった。
・ スタート直後は順位を維持していた井口だが、スタートから約5分が経ったころ、65号車LEON PYRAMID AMG(菅波冬悟)とバトルを繰り広げていたなかで突如スローダウンし、コカ・コーラコーナー先のコース開口部付近にマシンを止めた。
「マシンを停める1ラップ前から、『エンジンが1気筒死んだような音』が聞こえ始めて、マシンは普通の状態ではありませんでした」と話す井口。
「スピードはライバルに遅れているわけではなかったので、行けるところまでは走ろうと思ってホームストレートを通過しましたが、Aコーナー(コカコーラコーナー)に入った瞬間に、何かがバラバラになったような音がしたように感じたので、他車に迷惑をかけるわけにはいかないと思ってマシンを停めました」
第2戦富士でも、決勝レース終盤にエンジントラブルでリタイアしていた61号車スバルBRZ。未完走が続くこの状況については「かなり苦しいです。チームの皆さんが本当に頑張ってくれているのに、その結果がリタイアという状況が辛いです。ファンの皆さんも、こんななかでも応援してくれているというのに、その思いがカタチになっていないことが辛いので、なんとかカタチにするために次も頑張ります」と悔しさを言葉にしていた。
なお、チームが公開したレースレポートで小澤正弘総監督は「昨日からエンジンのレスポンスが悪いとコメントをもらっていたので、タービンを交換してそのほかのセッティングの見直しを行いましたが、うまくいきませんでした。まだ原因は不明ですが、エンジン本体内部のトラブルだと思います。申し訳ありません」と、故障についてコメントしている。
井口によるとシーズン後半戦はマシンと相性の良いサーキットが続くとのことで、まずは第5戦鈴鹿で万全の状態で走る姿を待ちたい。
●2番手スタートも「曲がれず止まれずで、防戦一方」グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝
2番手からレース2決勝をスタートした4号車初音ミク AMGの谷口。レース1でチームメイトの片岡龍也が2位表彰台を獲得したことから、優勝の期待も高まるなかでの出走となったが、中盤からペースが約1秒ダウンし、以降は後続に迫られるレースとなった。
「昨日の片岡(龍也)選手のレース展開から見ても勝負ができそうだったので、今日は勝ちたいと思って臨み、予選はポールは獲れませんでしたがフロントロウにつけられました」
「決勝は、レースがスタートして序盤のタイヤが温まるまでのところで、2号車(HYPER WATER INGING GR86 GT/堤優威)に少し離されましたが、温まってからはおそらく1番速いくらいのペースになり、ファステストラップを出したりもしたのですが、途中から急にタイヤの元気がなくなってしまいました」と振り返る谷口。
レース後に横浜ゴムのスタッフとミーティングをし、「どうやらピックアップなのかな」とペースダウンの原因を分析した。
「ペースが下がり始めてからは、もう全然曲がれず止まれずで、防戦一方でした。昨日のレース1の時よりも、気温と路面温度が少し下がったことがデメリットになったのかなと」
残るシーズン後半戦は、第5戦鈴鹿、第6戦SUGO、第7戦オートポリスと、谷口いわく「厳しい」ラウンドが続くが、「厳しいなかでもどうやってポイントを獲っていくか、頑張ります」と語っていた。
[オートスポーツweb 2025年08月05日]
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