今週末となる11月9~10日に、トルコのイスタンブール・パーク・サーキットで最終戦ダブルヘッダーを控えるWorldRX世界ラリークロス選手権が、持続可能燃料採用の内燃機関(ICE)搭載モデルと、電動最高峰のRX1eが混走する“Battle of Technologies(バトル・オブ・テクノロジーズ)”の2年目となる2025年カレンダーを発表。
開幕戦は北米大陸に回帰し、選手権史上初めて氷上でのアイスレースが繰り広げられ、イギリスでのストリートレースや南半球オーストラリア大陸で初開催となるシーズン最終戦など、全8カ国での開催が予定されている。
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去る10月17日開催のFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)によって承認され、新旧の会場が混在するスリリングな組み合わせとなった来季WorldRXカレンダーは、年明け早々の1月23日から25日の週末にカナダのモンタリグレで始まり、ここで初の試みとして“ICE対BEVのスノー&アイス決戦”が繰り広げられる。
さらにオセアニアでの永続的な足場を確保するための第一歩として、11月21日から23日までオーストラリアでシーズン最終戦を開催するなど、初開催地でのフィナーレが盛り込まれると、もうひとつのハイライトとして、つねに人気の高い市街地戦フォーマットも組み込み、今度は5月30日から6月1日までイギリスのコベントリーにて、英国最大の無料モータースポーツイベント『モトフェスト・コベントリー』にジョイントしたストリート戦が催される。
その他では、2008年以来の復帰となるポルトガルのロウサダにも訪れる一方、フィンランドでは首都ヘルシンキから100kmほど離れたキュミリングに建設されている常設トラックが初めて会場に指定されるなど、5月、6月の序盤戦から例年とは一味違った展開が期待されている。
「このカレンダーの多様性には非常に満足している」と語るのは、シリーズプロモーターでマネージングディレクター職を務めるアーネ・ディルクス。
「伝統的なイベントとまったく新しい会場、そして新しいコンセプトと組み合わせることは、プロモーターとしての我々の大きな目標だった。2025年のカレンダーを見ると、完璧な組み合わせの実現に近づいていると自信を持って言えるね」
■10年ぶりのトルコラウンドで今季のチャンピオンが決定
もちろんスケジュールには恒例のイベント群も名を連ね、4月はハンガリーのニーラドに位置する有名な“赤い鍋”で欧州ラウンドが幕を開けると、7月のスカンジナビアは夏の真っ盛りの時期に、ラリークロスの“聖地”ことホーリエスにて『マジック・ウイークエンド』を開催。そして今季最終ラウンドを開催する準備を進めているトルコは、来季最終戦の手前に陣取ることになる。
その今季イスタンブール・パークに46ポイントの圧倒的な差をつけて臨む“絶対王者”ヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロKMS 601 RX)は、すでにここまでの8ヒート中で5勝を飾ったKMSホース・パワートレイン製の内燃機関モデルで、前人未到7度目のタイトル獲得を目前にしている。
一方、9月にポルトガルのモンタレグレでそのクリストファーソンを撃破した電動モデルの雄であるハンセンWorldRXチームは、ボスポラス海峡のすぐ向こうに位置する1.35kmのトラックで、2015年にプジョーが達成した“シリーズ史上最も壮観な戦い”の再現を狙う。
「あれは素晴らしいイベントだった。ラリークロス史上最高のイベントのひとつだったと言えるだろうね」と、最後に訪れてからほぼ10年が経つトルコでのキャリア通算4勝目を振り返った2019年世界王者のティミー・ハンセン(ハンセンWorldRXチーム/プジョー208 RX1e)。
「今週また戻ってくるのが楽しみだ。今季はマシンのパフォーマンスに差があるし、追い越しが確実に可能なサーキットだからイスタンブールでのバトル・オブ・テクノロジーは非常にエキサイティングになるだろうね……」
■WorldRX世界ラリークロス選手権 2025年カレンダー
RoundDateCountryRd.11月23~25日カナダRd.24月11~13日ハンガリーRd.35月2~4日ポルトガルRd.45月30日~6月1日イギリスRd.56月13~15日フィンランドRd.67月4~6日スウェーデンRd.77月25~27日トルコRd.811月21~23日オーストラリア
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