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新型アコード。乗ればよさがわかるが、ちょっと高い気も?

日常域ではほぼEV感覚

新型となったアコードはプラットフォームを一新。先代に対して全長を短く、全高を抑え、ホイールベースを延長した。低重心や安定感を印象づけるプロポーションへと進化を果たし、シビック セダンやインサイトにも通じるクーペルックとなった。

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■新型アコード バリエーション&価格
e:HEV…FF・2L+2モーター・465万円

実車を目の当たりにすると、なかなかスポーティ。フロントマスクは好みの分かれるところだが、エッジの効いたサイドラインやなだらかに傾斜するリヤビューは、視覚的にも走りのよさを感じられる仕上がりだ。

国内仕様のパワーユニットは2Lのi-VTECエンジン+2モーターのハイブリッドシステム「e-HEV(イー エイチイーブイ)」のみ。従来型i-MMDの進化版で、IPU(※)は32%小型化されている。
※インテリジェントパワーユニット。リチウムイオンバッテリー(バッテリーセル72個搭載)と制御用ECUなどを一体化した電源ユニット

このユニットはエンジンが発電、バッテリーに蓄えた電力でモーターによるEV走行を基本とする。ここまでは日産のシリーズハイブリッド「e-POWER」と同じだが、e-HEVにはエンジン直結クラッチをつないだエンジンドライブモード(おもに高速走行時)、もしくはハイブリッドドライブモードも設定される。

となると、エンジン始動時のノイズや振動が気になるところ。しかしそれらは低く抑えられていて、走りはスムーズそのものだ。日常使用ではモーター走行の割合が高く、バッテリーにある程度の残量があれば、発進時にアクセルを深めに踏み込んでもモーターのみで力強く加速する。ふだん使いではEV感覚にごく近い走行フィールが得られるのだ。

乗り味はスッキリ系

操縦安定性と乗り心地はどうか。アコード初採用の「アダプティブ・ダンパー・システム」は4輪それぞれの回転速度や車両挙動などを常時センシング。500分の1秒単位で最適な減衰力を算出し、ダンパー内のオイル流量をコントロールする。

スポーツモードを選ぶと路面のトレース性が高まり、さらにアクセル操作に対するパワーの出方が他のモードより機敏になる。エンジン音もよりスポーティな演出を、さらにパワステの設定もダイレクトさを重視した重めの設定に変わる。いずれのモードもステアフィールはスッキリ系で、ボディの大きさを感じさせない。

乗り心地は、コンフォートモードがしなやかで快適だ。235/45R18サイズとやや太めのタイヤを装着するものの、高速道路の継ぎ目や舗装の荒れた状況でも突き上げをうまくいなしてくれる。後席にも座ってチェックしてみたが、座り心地もよく、もしかすると助手席よりも居心地がいいかもしれない。

居住空間・荷室ともに広い

居住空間の広さは申し分ないレベル。先代より全高を15mm下げながら新型低重心プラットフォームの採用により、前席のヒップポイントも25mm低下。スポーティなドライビングポジションと高効率パッケージングを両立させた。クーペ的なルーフラインにもかかわらず、後席ヘッドルームにも余裕がある。

また、先代では後席とトランクルームの間に置かれたバッテリーを小型化するとともに、新型は制御用ECUと一体化した電源ユニット(IPU)として後席下に収めたことでトランクスルー機能が新設された。これによりトランク容量も573L(先代は424L)を確保。ハイブリッド車でありながら、セダンとしての実用性を犠牲にしてしない。

カムリと比較してみると?

アコードの好敵手といえばカムリ。こちらも北米で大人気のミドルセダンで、2017年に登場した現行型はアコードと同じく10代目となる。

TNGA化によるワイド&ローのフォルムとインパクトのあるスタイリングは日本でも話題となり、現在も月平均で1000台以上も売れている。国内では新型アコード同様にハイブリッドのみの設定だが、FFのほか電気式4WDのE-Fourをラインアップ。それぞれ「WS」、「G」、「X」の3グレードを用意している。

アコードと価格が近いのは最上級グレードのWS。ダンパーロッドの動作速度をチューニングした専用の足まわりはしっかりとした乗り味が確かめられる。操縦性もスポーティな設定だが、アダプティブダンパーシステムを備えたアコードのほうが路面や走りに対する適応力に優れ、乗り心地はさらにしなやかだ。

ハイブリッドシステムについても、日常走行ではほぼEV感覚で走れるアコードに対し、カムリはアクセルを深めに踏み込むとエンジンが即座に始動する。どちらもEV走行時の静粛性はさすが。ただし、エンジンノイズの目立たないアコードのほうが全般的に静かな印象を受ける。

インテリアの質感、高級感もアコードが一枚上手だ。カムリも悪くはないが、実用セダンとしての車格を意識したまとまりのように思える。どちらも取りまわしのしやすさはもうひとつ。でもそれぞれ視界は広く、大きさに慣れれば運転しやすい。

アコードで気になるのは選択肢がないこと。初期受注は好調のようだが、465万円の価格は欧州プレミアム勢とも競合する。買いやすいグレードを設定して、セダン市場の活性化を図ってみてはどうだろうか。

〈文=一条 孝 写真=澤田和久〉

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