英国で、ホンダの工場閉鎖が報じられた日

「ホンダから何の言葉もありません」

ホンダが英国スウィンドン工場の閉鎖を検討しているというニュースは、八郷社長が日本で記者発表を行う前日にリークされた。

その時、従業員の2つのグループは帰宅し、ほかの2つのグループは仕事を続けた。それから一夜明けた19日、勤務中のシフトはこの衝撃的な発表に対処するため、自宅に戻される。しかし、前日の晩にはすべてのメジャーなウェブサイト、すべての新聞が本件について熱狂的に報じていた。

中にはクルマの窓越しにインタビューに応じる者もいた。ラジオで話す者もいた。2021年に工場を閉鎖するという計画について尋ねられたすべての従業員が同じことを語った。

「わたしたちは何も知りません。ホンダはわたし達に何も言っていません。あなた達の方がご存じでしょう」

ただ困惑し、落ち着かない様子で、自分たちより確かに詳しく知っているリポーターの話を聞くだけ……。リポーターは彼らに閉鎖が検討されている詳しい理由を述べ、生活や家族の将来に対する影響を質問した。

明らかになったのは、誠実な会社であるはずのホンダから、従業員に対しても、労働組合に対しても、その時点ではなんの言葉も告げられていないということだった。この驚きの計画について正式な発表があったのは19日の午前8時。もはや驚く人は誰もなく、ただ現実を直視するのみだった。

英国自動車産業、悪い報せが続く

今回の発表はジャガー・ランドローバー、フォード、日産に続く、英国自動車産業にとっての悪い報せだ。英国を巡る今の不確実な状態が続けば、ますます状況は酷くなるというのが国民の総意である。

ただ、これらの企業の中には、従業員に対していくらかの同情と敬意と良識を見せた会社もあった。

彼らの人生を変えてしまう決定から実際に受ける影響について、ホンダよりも情報を明らかにした会社もあった。