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アウディSQ5試乗記 ポイントは「落としどころ」 心地よさでニッチ脱する

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アウディSQ5試乗記 ポイントは「落としどころ」 心地よさでニッチ脱する

■どんなクルマ?

変わったことを、ことさら主張しない

アウディS5は「能ある鷹」 A4、S4、A5と異なるアプローチ RS5との関係性は?

こちらのSQ5は、インゴルシュタットが最近刷新したQ5の最強バージョン。軽量化され、少しだけ後部座席のスペースが拡大し、パワートレインの増強を受けた。最新の電子機器によるドライバー補助機能も満載だ。

英国では設定がなかったが、先代のV6ガソリンエンジンに比べて、新型エンジンは大幅に見直されている。

先代ではスーパーチャージャーで加給されていたが、新型は、ターボラグを低減するツインスクロールターボで加給されるほか、圧縮比を上昇させて燃費を向上させる、Bサイクルのバルブタイミングも実装する。

にもかかわらず、出力は変わらず。しかし、35kgの軽量化を図りつつ、3kg-mのトルクの向上を実現。同時に0.3km/ℓの燃費向上と10g/kmのエミッションを削減し189g/kmを実現する。

3.0ℓターボのV6ガソリンエンジンが発する354psの出力と51.0kg-mのトルクは、クワトロシステムを介して余すことなく消費され、8速オートマティックトランスミッションを駆使して、このクルマの0-100km/h加速を5.4秒で走らせ、リミッターの介入する250km/hまで駆け抜ける。

さらに、走りを満喫したい向きには、エアサスペンション、可変レシオのダイナミックステアリング、そしてスポーツデフのオプション設定がある。

余談ではあるが、V6ディーゼルのSQ5も英国では導入される予定。


■どんな感じ?

ひとこと「心地よい」

威勢のいいクリーミーな唸り声。紳士的で甘美なつぶやき。SQ5のキャビンではどちらも耳にすることになるが、前者はダイナミックモードで、後者は他のモードでのこと。

ただ、俊足ともいえる数値に反して、どちらかというと旺盛なパワーでもって力強く押し出すというより、どこから踏み込んでもスムーズな加速による優れたトラクションが得られるという印象。

洗練度が余りに高水準ゆえ、V6エンジン以外の雑音を封じ込めてしまっている感じ。心地の良いエンジンのサウンドだけを自然に耳にすることができる。


操舵感は、やや不満

しかしオプションで設定される「ダイナミックステアリング」を装着した場合は、ぼんやりとはしていられない。操舵感が軽いうえに、シャープ過ぎる応答性が、運転を神経質なものにするからだ。

ロールを抑制し十分なグリップを提供するいっぽうで、ダイナミックモードを選んでもこの点は改善しなかった。操舵感が、SQ5のスポーツドライビングの主張に影を落としている。

テスト車にはオプションのエアサスペンションが装着されていたが、全域に渡ってとても良好なコンディションだった試乗コースで、その是非を問うことはむずかしかった。

後部座席の搭乗者は、少し広くなったレッグルームと大きく改善したヘッドルームの恩恵にあずかることができる。加えて、インテリアのフィニッシュは、いつもながらのアウディ品質が貫かれている。

非接触のスマートフォン充電パッドも便利。

ただし8.3インチのインフォテインメントは、特筆すべき装備だが、その恩恵に疑いを抱いてしまう。手書き入力を可能とするMMIインターフェイスは、先代の方が使い勝手がよかった。正直に言って。


■「買い」か?

もはやニッチ商品ではない

先代モデルでは、Q5を購入する全体の10%程度がスポーティなSQ5を選んでいる。その数は、62,000台にのぼり、これはもう単なるニッチ商品ではないと言える。

これらのユーザーが新型に乗り換えるとしたら、少し拡大したインテリア、より魅力を増した装備と経済性、そして充実した安全装備とインフォテインメント・システム(若干使い勝手が悪いが)など、磨きを掛けた多様性を享受できる。

たとえそれをスポーティと呼べなくても、磨きを掛けた動的性能には、十分な価値を見いだせる。

荒っぽくもない。かといって、おとなしすぎない。アウディは、「落としどころ」を見つけるのが(あいかわらず)うまい。

アウディSQ5

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