北米で人気のオフロード四輪車
さる12月7日、カワサキモータースジャパンがオフロード四輪車「TERYX(テリックス)」と「MULE(ミュール)」の発表・試乗会を、愛知県豊田市にあるアウトドアの総合施設「さなげアドベンチャーフィールド」で開いた。
【画像】カワサキのテリックス&ミュール【どんなモデル?】 全153枚
北米で多種多様なこの種のモデルを生産・販売しているカワサキは、今年9月から4車種を国内で発売していた。
「オフロード四輪車はじつはすばらしい乗り物だということを、日本の方にも知っていただきたいと思います」
発表会の冒頭、同社の桐野英子社長はこう語った。
実際、試乗した3台はどれも「すばらしい乗り物」だった。自動車の四駆を基準に考えたら、驚異的な性能を持っている。四輪のモーターサイクル、ロータス7のオフロード版なのだ。
以下、試乗した順に紹介する。
幅広用途 4座の「テリックス4 S LE」
その1は、レジャー向けのテリックス・シリーズのなかでも、より幅広い用途に使える4シーターの「テリックス4 S LE」である。
ボディはチューブラー・フレーム構造で、スポーティなハンドリングを実現すべく、783ccのVツインSOHC 4バルブ・エンジンを運転席と助手席の間に搭載。前後重量配分48:52で、CVTを介して後輪または前後輪を駆動する。
3サイズは3185×1590×2045mm、ホイールベース2240mmときわめてコンパクトで、車重は743kgとライトウェイト。
着座位置は高めで運転席は当然狭い。ウィンド・スクリーンもサイドの窓ガラスもない。安全性をおもんぱかってヘルメットを着用する。
北米試乗向けゆえか、左ハンドルで、シートはバケット・タイプだけれど、なんとなく遊園地の乗り物っぽい。ウキウキします。
CVTのレバーは右側にある。H(ハイ)とL(ロー)のうち、Hを選ぶ。
2WD/4WDの切り替えはダッシュボードにあり、切り替えは停止時におこなう。
試乗したといっても「さなげアドベンチャーフィールド」の初心者コースを1周しただけで、速度は10km/hからせいぜい30km/h弱。
なので、その実力の一端を垣間見たにすぎない。
それにしても、前後ダブル・ウィッシュボーンのサスペンションはいかにもストローク感たっぷりで、未舗装路を雲の上にいるような気分で走らせてくれる。
Vツインはアイドリングから軽やかなサウンドを奏で、軽やかにまわる。
最高出力は58ps/6750rpm、最大トルク6.5kg-m/5500rpm。もっと回してみたかった。
筆者はまったく未経験ながら、大型バイクっぽいのかな……と思った。価格は321万2000円。
働くクルマ「ミュール・プロ-FXT EPS」
その2は、ミュール・プロ-FXT EPSである。
ミュールは「Multi-Use Light Equipment」の意で、プロ-FXT EPSは前後ベンチ・シートの6人乗り+荷台、後席を畳むと3人乗り+より広い荷台となる。
簡便な多用途車として、農場や牧場、建設現場などでの使用を前提にしており、日本の軽トラック比100kg以上の453kgの最大積載重量と907kgの牽引能力を誇る。
シャシーは頑丈なラダー・フレームで、リア・アクスルの直前に排気量812ccの直列3気筒DOHC 4バルブを横置きする。6人乗りのミドシップなのだ。
ホイールベースはテリックス4よりちょっと長い2345mm、車重は100kg以上重い867kgある。
最高出力は48ps/5500rpm、最大トルクは6.6kg-m/3500rpmと低中速トルク重視型で、アイドリング音もちょっと重々しい。
これもCVTを介して後輪または前後輪を駆動する。CVTはH/Lの切り替えができるのも同様だけれど、ギア比がそれだけ低いということだろう、同じコースを走るのにHを推奨された。
運転感覚は、なるほど働くクルマという印象で、だけど乗り心地は軽トラックみたいに荒れた路面でもポンポン跳ねない。価格は278万3000円。
ミュール・プロ-FX EPSという3人乗りで、ダンプ機能のついた荷台付き、もある。そちらは242万円。
最新モンスター「テリックスKERX 1000」
最後は、トレイル・アドベンチャーに主眼を置いた2シーターのRUV(レクリエーション・ユーティリティ・ヴィークル)のテリックスKERX 1000だ。
この分野ではより高い性能が求められているそうで、そうした声に応えて2019年にカワサキが投入した最新モデルである。
シャシーはより高い剛性を得るべく、ラダー・フレームにアーチ形状のロール・バーにも強度を持たせている。
前ダブル・ウィッシュボーン、後ろトレーリングアームのサスペンションは見るからに長いホイール・トラベルを備えている。
数値で比較すると、テリックス4の前後は272/254mmに対して、テリックスKRX 1000は472/536mmもある。ホイールベースは2シーターなのに2512mmと長く、トレッドも前後1505/1512mmと、テリックス4の1400/1330mmよりグッと広い。
リア・アクスルのほとんど真上に、バイク風にいうと並列、自動車風だと直列2気筒DOHC 4バルブ・エンジンを横置きする。
排気量999ccで、最高出力114ps/8500rpm、最大トルク10.6kg-m/7000rpm。
そんな高性能ユニットを車重860kgのシャシーに組み合わせているのだから、自動車の基準でいえばモンスターである。
安全性に配慮して、北米ではオプションの6点式シートベルトを国内仕様では標準装備する。
トランスミッションはCVTで、H/Lの切り替えができ、後輪、もしくは前後輪を駆動する。
開発ドライバーの助手席も体験したけれど、ミューが低いこともあってRWD時にリアをスライドさせることはたやすい。
岩場も軽々走ることができて、フル加速するとシートベルトが肩に食い込む。
こんなスーパー・ロデオ・マシンで荒野をぶっ飛ばしたら、さぞや痛快だろう。価格は363万円。ウチの敷地が1万坪あったらなぁ……。
オフロード四輪 狭い日本に浸透する?
というわけで、テリックスの2モデルもミュールもイージー・ドライブで、ファン・トゥ・ドライブでもあった。
見た目も機能的でカッコイイし、価格も驚くほど高いわけではない。クルマ好きならだれもがほしくなるだろう。
問題は、「オフロード四輪車」とカワサキが表現しているように、公道走行ができないことだ。
保安基準もさることながら、もともと低ミュー路を前提に設計・開発されているから、もしも舗装路で急転舵すると転倒のおそれがあるし、高ミュー路での連続的な高速巡航、ブレーキ時の駆動系への負荷も想定していないという。
保安部品を備えればいい、というものではなく、安全面での配慮から災害時などの車両以外は売り手のカワサキ自身がナンバー取得に対して慎重な態度をとっているのだ。
アメリカではこの種の市場は年間6万台あり、カワサキは年間2万5000台を販売している。
生産はネブラスカ州リンカーン市にある現地法人KMM(Kawasaki Motors Manufacturing Corp. U.S.A.)でおこなっており、日本向けもここから輸入している。
2022年分の40台は完売ということだけれど、狭いニッポンでどれだけ売れるのか?
契約販売店は現在8店。来年は12店に増やして120台、再来年は20店、200台の販売を目指す。
ゼロからのビジネスを、2021年に掲げたカワサキのスピリットで切り開く。Let the good times roll.(楽しんじゃえ!)
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みんなのコメント
ロータスとは関係がないから説明が必要。