■e VITARAで垣間見えたスズキの技術戦略とは?
2024年11月4日(現地時間)にスズキは、イタリア・ミラノにて新型コンパクトSUVとなる「e VITARA(ビターラ)」を世界初公開しました。
スズキ初のBEV(バッテリーEV)の量産モデルとなる同車を皮切りにカーボンニュートラルの実現を加速させるといいますが、今後どのようなクルマが展開されていくのでしょうか。
【画像】超カッコイイ! これがスズキ「新型コンパクトSUV」です!(57枚)
eビターラは、2023年にインドで開催された「Auto Expo」と「Japan Mobility Show」で展示されたBEV(バッテリーEV:電気自動車)コンセプトモデル「eVX」の量産版です。
「Hi-Tech&Adventure」をデザインコンセプトに、BEVの先進感とSUVの力強さを融合。
プラットフォームにはBEV専用の「HEARTECT-e」を開発し、また4WD車には1970年の「ジムニー」から続くスズキの四駆技術を駆使した新技術「ALLGRIP-e」を採用しているといいます。
ボディサイズは全長4275mm×全幅1800mm×全高1635mm、ホイールベース2700mmです。
また最低地上高を180mm確保し、悪路走行も考慮されています。
パワートレインに関して、バッテリー容量は49kWh仕様(2WD)と61kWh仕様(2WD/4WD)を設定。
これにシングルモーターの最高出力106kW・最大トルク189Nmの49kWh仕様(2WD)、128kW・189Nmの61kWh仕様(2WD)のほか、フロントに128kW、リアに48kWのモーターを搭載し、最大トルク300Nmを誇る61kWh仕様(4WD)の3種類から選択可能です。
なお、生産はインドのスズキ・モーター・グジャラード社で2025年春から開始するとしています。
※ ※ ※
そんなeビターラの存在についてスズキの鈴木俊宏社長は次のようにコメントしています。
「eビターラの投入は、カーボンニュートラル実現のための非常に重要なマイルストーンとなります。
今回のeビターラを皮切りに、今後もさらにBEVのラインナップを拡充するとともに、それぞれの国や地域に適所適材なモビリティを提案してまいります」
スズキは2024年7月に、エネルギーの極少化に向けた「10年先を見据えた技術戦略」を発表。
そこでは「軽くて安全な車体」「バッテリーリーンなBEV/HEV(ハイブリッド車)」「効率良いICE(ガソリンエンジン車)、CNF技術」「SDV(Software Defined Vehicle)ライト」「リサイクルしやすい易分解設計」をキーワードに挙げています。
eビターラ発表の場で鈴木俊宏社長は、スズキの行動理念である「小・少・軽・短・美」について、「小」はよりコンパクトに、「少」はより少ない資源で、「軽」はより軽くつくる、「短」はより短く迅速に、「美」はそれらをより美しく仕上げるという意味が込められていることを説明。
これらが技術戦略の達成において、重要な役割を果たすことを主張していました。
なかでも「軽」にフォーカスし、鈴木俊宏社長は次のように述べていました。
「(主要事業拠点である)欧州・日本・インドでの全社平均の車両重量とスズキ車の平均車両重量を比較すると、スズキは他社よりも200kg軽く作っています。
200kg軽いと、走行に必要なエネルギーは6%、製造時のエネルギーは20%少なく済み、当然のことながら資源の使用が少なく済む、というのがスズキの技術理念です」
そのほか、二輪部門では鈴鹿8耐においてCN燃料を使用したチーム スズキCNチャレンジで参戦したこと、マリン部門では海洋のマイクロプラスチック回収技術に挑戦していることを語り、エネルギー極少化によるカーボンニュートラル実現への取り組みをアピールしていました。
スズキのカーボンニュートラル実現のなかで、今回のeビターラはBEV世界戦略車の第1弾として展開されます。
今回のコメントや前出の技術戦略から、今後はBEVラインナップの拡充にくわえ、ハイブリッド車、CNG車、バイオガス・エタノール配合燃料などの内燃機関車も投入し、各地域に合った最適なモデルが順次展開されていくことでしょう。
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みんなのコメント
冬、豪雪極寒の地域(雪が降り過ぎて立ち往生で全国ニュースになる程)
だから電気はやっぱり心配。
スマートフォンのようにモバイルバッテリーで充電!
なんて簡単には行かないからね(;・∀・)