中国GPでまたしても厳しい週末を過ごしたメルセデスF1。チーム代表のトト・ウルフは、満足できるパフォーマンスレベルではないとして、「明るい話題」だけを見ることはできないと語った。
中国GPではルイス・ハミルトンがスプリントで2位を獲得したことで、メルセデスは浮足立ったが、決勝ではペース面でレッドブル、マクラーレン、フェラーリなどの後塵を拝すこととなった。
■苦戦から一転。RBリカルド、F1中国GPでは「速さを感じていた」決勝ではあえなくストロール追突でリタイア
現行グラウンドエフェクトレギュレーションが導入されて以降苦しい戦いが続くメルセデスは、2023年もシーズン開幕時点から今季マシンW15への理解を深めている一方で、目立った改善の傾向が見られず……ウルフ代表は、ポジティブな面以外にも目を向ける必要があると考えている。
ServusTVの取材に応じたウルフ代表は、中国GPを振り返って次のように語った。
「全く満足できない。スプリントでの2位は小さなハイライトかもしれないが、パフォーマンスはなかった」
「週末には明るい話題があったと自分たちに言い聞かせることはできるが、我々は一歩踏み出す必要がある」
「我々はマイアミにいくつか(アップデートを)持ち込む。何かしら期待できると良いね。ただ今回は、フェラーリ勢とノリス(ランド・ノリス/マクラーレン)の後塵を拝した。十分ではない」
メルセデスはシーズン開幕当初、W15のプラットフォームは強力ではあるものの、高速コーナーが弱点だと言われてきた。しかしレースが進むにつれて、チームはマシンの複雑さを発見。マシンセットアップをスイートスポットに合わせ込むのが容易ではないことが露呈した。
ウルフ代表が中国GPで認めたように、高速域での改善は前戦の日本GPで見られたが、この改善は他のコーナーでのスピードが犠牲になっていたという。
「鈴鹿のS字で見られたように、我々は高速域でとても競争力があった。それは達成することができたし、以前と比べれば180度違う」とウルフ代表は語る。
「ドライバーたちは、この2年半で最高のマシンだと話していた。そして低速域ではパフォーマンスがなかった」
「高速域では0.5秒削ることができたが、低速域では0.5秒増えた。この方程式の答えはゼロだ。我々はそこを改善する必要がある」
「我々は理解する段階は越えたから、あとは改善していくだけだ。前に進む上で必要なのはそれだけで、全ての事実を把握している」
「高速域を改善するために何をいじったかは分かっているし、低速域を伸ばすためにマシンをどうセットアップしていたかも分かっている。あとは、その両方を実現するマシンに仕上げるだけだ」
今季のメルセデスは開幕5戦を終えて表彰台に立つことができていない。しかしウルフ代表は、W15が過去2年のマシンよりも出来が悪いとは考えていない。
むしろ逆に昨年からマクラーレンやフェラーリといったライバル勢が勢いを増したことで、相対的にメルセデスが劣勢に立たされているとウルフ代表は考えている。
「(昨年の)シーズン前半、マクラーレンは我々と戦ってはいなかったから、ライバルではなかった」とウルフ代表は言う。
「フェラーリはそれほど速くなかったし、何度か自分たちでレースを落としていた。だから我々がレッドブルに1番近い表彰台候補だったのだ」
「今はそれらのチームがパフォーマンスレベルを引き上げた。これは相対的なゲームで、昨年は3位に届いたのに、今では6位が限界だ。だから厳しいのだ」
「マシンはこれまでと同じように難しく、ドライバーにとっては厄介だ。ジョージ(ラッセル)と話し合いをした時に、予選ではこれまでで1番トリッキーなマシンになっていたと語っていた。全体的には、ある意味同じ症状を抱えている」
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みんなのコメント
RやW、Mcだって天国と地獄を見てるんだから。
毎年、真因が掴めていないのに、掴めていると説明するエンジニアがいて、それを判断できないチームトップの責任は大きい、
長く成功をしてきた人に意見を言えるものがいないのがチームの問題。