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トラブル続くポルシェ/車両内部からリス発見/ル・マン優勝車を継続使用etc.【WECモンツァ金曜Topics】

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トラブル続くポルシェ/車両内部からリス発見/ル・マン優勝車を継続使用etc.【WECモンツァ金曜Topics】

 WEC世界耐久選手権の2023年シーズン第5戦『モンツァ6時間』のレースウイークが7月7日に幕を開けた。走行初日となった金曜日は各90分間のプラクティスが2度行われ、既報のとおりFP1では51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)が、FP2では7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)がトップタイムをマーク。小林可夢偉のドライブで1分36秒363を記録した後者が練習日の最速マシンとなっている。ここでは、そんな7日(金)のパドックから現地情報などをお届けする。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

今季4勝目を狙うトヨタがWECモンツァ初日最速。小林可夢偉「良いスタートを切ることができた」

***ポルシェ・ファクトリーLMDhディレクターのウルス・クラトルによると、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)は、FP1で問題が発生した6号車のハイブリッドシステムを交換したという。「もっと調査したいところだが、すべてをバラバラにすると(問題の)痕跡や根本的な原因が消えてしまうかもしれない。それはレース準備のために多くの時間を失うことになる」と同氏はSportscar365に語った。

***6号車ポルシェ963は、夕方から行われたFP2で合計15分間のストップ&ホールドペナルティを受けた。この内の10分は、FP1の最中にローレンス・ファントールがレズモでDステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMRをコースアウトさせたことによるもので、残りの5分はアンセーフリリースによるものだった。

***ポルシェのファクトリーチームにとって、7日(金)は大変な一日となった。FP1では5号車ポルシェ963にもトラブルが発生。エンジンキルスイッチの不具合が原因と見られるカットアウトに見舞われていたのだ。

***ロジャー・ペンスキーは金曜日、当初考えられていたカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パークではなく、モンツァにいた。ペンスキー・コーポレーションの創設者兼会長は、記者団との懇談会の中で、ハイパーカーは彼のグループの自動車関連利益と「本当に結びついている」と述べた。「我々は顧客と接触することができ、顧客もこれを見ることができる。私たちはこの市場のディーラーから600人を(レースに)招待している。スパには1000人近くの人々が集まった」。

■モンツァはハードタイヤとミディアムタイヤの2種類

***金曜日の観客動員数はフリープラクティス・セッションのみの一日としては異例の多さとなり、非常にたくさんのフェラーリAFコルセファンがオープンパドックに設置されたチームのホスピタリティ・ユニット付近に集まっていた。

***AFコルセのテクニカル・マネージャーであるルカ・マッセは、フェラーリがル・マンで優勝した499Pのシャシーを引退させることなく、モンツァでふたたび走らせることを確認した。「レースを終えた後、フィオラノでリビルドとフルチェック、(今戦の)準備のための小規模なテストを行い、その後モンツァに直行した」と彼は説明した。

***さらに、51号車はこのレースの翌週にイギリスに渡り、サセックス州で開催される『グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード』で静態展示される予定だ。

***ミシュランのハードコンパウンド・スリックタイヤは、今週末のモンツァの気温が高いため、WECにカムバックを果たした。また、ミシュランはポルティマオ6時間レースで選択したミディアム(旧ソフトホット)仕様もイタリアに持ち込んでいる。2種類のタイヤを外部から識別するためハードタイヤには赤、ミディアムタイヤには黄色のステッカーが貼られている。

***ミシュランのエンデュランス・レーシング・プログラム・マネージャーのピエール・アルベスは次のように語った。「ハイパーカークラスのマシンは、このサーキットでの平均速度が220km/hを超える。また、ピーク値となる330km/h近くを何度も記録するため、タイヤにはつねに600kgの荷重がかかり、リヤにはピーク時に850kgもの荷重が掛かる。このため、とくに難しい挑戦となり、我々のチームはデータに細心の注意を払うことになる」

■モンツァでタイトル確定の可能性

***LMP2タイヤのサプライヤーであるグッドイヤーは125周年を記念し、モンツァのピットボックスとファストレーンの境界線に1898年スタイルのブランドロゴを掲出している。

***ベン・キーティングは、過去2回のモンツァでいずれもトラブルに見舞われており、3度目となる今回はそれを払拭したいと考えている。昨年はチームメイトのヘンリケ・シャベスが大クラッシュを喫して完走を逃し、2021年は左フロントタイヤの剥離によって優勝争いを棒に振った。

***「この場所に何の借りもないが、僕たちはもう一度そこに戻って、運を変えることができるかどうかを試してみるつもりだ」と、キーティングは語った。

***セブリング、ポルティマオ、ル・マンでの優勝を含む好調なシーズンスタートを切ったキーティングとコルベット・レーシングは今週末、早くもLMGTEアマクラスのタイトルを獲得する可能性がある。土曜日にキーティングがポールポジションを獲得した場合、決勝で表彰台を得ると戴冠の条件をクリアする。

***来シーズンに向けて、コルベットへのマシンスイッチを表明しているTFスポーツのボスであるトム・フェリエは、キーティングをチームに呼び戻したいと考えている。キーティングは以前「LMGT3でレースをするつもりはない」と発言しており、その理由のひとつに、彼がトラクションコントロールやABSのないマシンを好むことが知られている。「(キーティングがチームに復帰すれば)それは素晴らしいことだ」とフェリエ。「しかし、それは彼次第だ」

***トヨタのWECテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンによると、平川亮はル・マンで8号車トヨタGR010ハイブリッドがケブラーを吸い込んでしまったため、ショートシフトを使用したという。これはエンジンのオーバーヒートを防ぐための措置だった。

***バセロンはまた、8号車がレース後半に衝突したのは間違いなくリスであり、それによってタイムロスが引き起こされたと述べた。「(ぶつかったのが)リスであることは間違いない。なぜなら車両内部からリスが見つかったためだ。ウサギではなかった。リーディングエッジ(チンスポイラー)は本当に潰れていた」

***WECのレースディレクターであるエドアルド・フレイタスは、選ばれたドライバーたちとともにル・マンのレース運営方法についての意見交換を行った。会に参加したリチャード・ウエストブルック(キャデラック・レーシング)は「彼らがレースディレクターとドライバーの間に橋を架けるために、このようなことをしているのは素晴らしいことだ」と語った。

■オリベイラが搭乗予定の4号車にエンジントラブル

***女性ドライバーを起用しているアイアン・デイムスとプレマは金曜日、6歳から15歳までの地元の少女22人をパドックに迎え、両チームが共同で実施している“ポジティブ・インパクト・スクール・プログラム”に基づく教育的な一日を過ごした。このグループはさまざまなチームへの訪問を含むWECイベントのツアーを受けた。

***モンツァではノースウエストAMRの98号車バンテージAMRが欠場しているため、アストンマーティンの車両数は2台のみとなっている。これは2020年シーズン最終戦以来、イギリスのメーカーとしては最少に並ぶ。なお、これまででもっとも少なかったのは2012年の1台だ。

***アストンマーティンは、来シーズンのLMGT3参戦の可能性について、「既存のパートナーとの複数の選択肢」を持っている。マニュファクチャラーのパートナーレーシング責任者によると、チームはシボレーへのスイッチを決定しているTFスポーツ以外から選ばれる可能性が高いという。

***ヒュー・タスカーは、アストンマーティン・レーシングが長年親交のあるチームが同ブランドの代表を務めることを熱望していると付け加えた。「(ハイパーカーメーカーではないアストンマーティンにLMGT3メーカーのグリッドを与えるとみられる)ACOは忠誠心に報いており、我々も同じような考え方を持っている」と彼はSportscar365に語った。

***4号車ヴァンウォール・バンダーベル680・ギブソンは、FP2でエンジントラブルに見舞われたため、同セッションで13周しか走行できなかった。バイコレスが運営するLMHマシンは同じ理由でル・マンでの初完走を逃している。

***トム・ディルマンに代わってヴァンウォールをドライブするスーパーGT・GT300チャンピオンのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラは、WECへのデビューと2019年のニュルブルクリンク24時間以来となるヨーロッパでのレースを控えている。

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みんなのコメント

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  • あの耐久王ポルシェがダメダメじゃん。
    まあ963は所詮既存のシャーシを使ったお手軽マシンだし
    開発はヴァイザッハでは無くペンスキーだし汎用性を重視し過ぎて
    956や962の時の様な圧倒的な速さや強さや耐久性も今のところ無い。
    どう巻き返してくるか見ものですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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