Jeep Compass
ジープ コンパス
新型ジープ コンパスはFWDモデルがイチオシ! その理由はパワートレインと車重の密接な関係にある
遊び倒す大人へ
ジープのコンパクトSUV、コンパスが大幅なマイナーチェンジを受けた。最新の運転支援システムを採用したほか、モダンなLEDライトが存在感を高めている。若者から支持を集めるジープの人気モデルにたっぷりと試乗してきた。
「内外装の変更によってコンパスの魅力がより際立つようになった」
伝統のセブンスロットグリルに、デイタイムランニングライトを備えた切れ長のLEDヘッドランプがキリリ。“ちっちゃなチェロキー”という言葉がぴったりのジープ コンパスが、2017年の登場から数えておよそ5年ぶりにマイナーチェンジを行った。
今回の変更内容は外観とインテリアのみであり、その中身には一切手が付けられていない。しかしそれだけでコンパス本来の魅力が、より際立つようになったのだからクルマは本当に面白い。
コンパスのラインナップをおさらいすると、そのグレードは「スポーツ」「ロンジチュード」「リミテッド」の3種類。日本仕様のエンジンは全て自然吸気の2.4リッター直列4気筒“マルチエア”エンジン(175ps/229Nm)で、一番ベーシックなスポーツ(受注生産)とその上級仕様となるロンジチュードがFFモデル、リミテッドが4WDモデルとなっている。
「エクステリアの印象は一層マニッシュに引き締められた」
マイナーチェンジの核となる内外装の変更は、まず外観では前後のバンパーが小変更を受けた。具体的にはジープのアイコンであるセブンスロットグリル(実はこれ、ダミーグリルである)、この下にある実際のエアインテーク形状が横に長いスクエア形状となり、その表情をマニッシュに引き締めた。さらにリヤバンパーはガーニッシュのデザインが変更された。
そしてヘッドライトは従来のキセノンタイプに比べ2倍の明るさとなるフルLEDが全車標準装備に。リヤコンビランプも同様にLEDとなった。
「ワイルド&タフな印象のジープが、質感高くデジタライズされたギャップは実に新鮮」
その外観以上に乗り手を喜ばせるのは室内空間のアップデートだろう。特にデジタル化の影響は大きく、メーターナセルに収まるフルカラーの7インチ・マルチビューディスプレイと、タッチパネル式の10.1インチ・センターディスプレイ(スポーツは8.4インチ)の組み合わせは、コクピットからの眺めを一変させた。
これに併せてダッシュボードやドアパネルまでもが水平基調のヨーロピアンテイストな新意匠となり、室内の印象は大きく変わった。ワイルド&タフな印象を持つジープが、質感高くデジタライズされたギャップは実に新鮮。かつ現代的な雰囲気があり、これだけでクルマが新しくなった感じがした。
「4WDのリミテッドは、ひとことで言うと“おっとり”タイプだ」
まず試乗したのは、シートやインテリアパネルがレザー仕様となる4WDモデルのリミテッド。その印象をひとことで言うと、ちょっとおっとりタイプだと言える。
その一番の理由は、1600kgの車重だろう。これに対して自然吸気エンジンの穏やかな出力特性が、その走りにのんびりとした印象を与える。
パーシャルスロットルが主体となる街中では、その動力性能に大きな不満はない。9速ATのギヤリングがエンジンから上手に初速を稼ぎ出し、その勢いを殺さぬように高いギヤへとステップさせてクルージングしてくれる。
とはいえ229Nmの最大トルクは3900pmと高めの回転数で発揮されるから、アクセルを深く踏み込まない限りその加速にはパンチがない。そしてたとえトルクバンドに乗せたとしてもエンジン回転が高まるだけである。つまりターボエンジンほど、キレのあるダッシュはしない。
「自然吸気ユニットの採用はクロカン性能を重視した結果」
それでもジープがそのエンジンに自然吸気ユニットを使うのは、当然クロスカントリー性能を考えてのことだ。セレクテレインが必要な場面に持ち込めば、そのアクセラレーションに対する穏やかなレスポンスが、もっと活かされるはずである。
そんなリミテッドをして、なかなか悪くないと感じさせたのは、シャシー性能の良さである。そのハンドリングは操舵初期からレスポンス良く反応し、カーブではその車体をしっかり支えながら、少ないロールで気持ちよく曲がっていく。
高いアイポイントゆえに視界は広く、スクエアなボディ形状から1810mmの全幅もあまり気にならない。その足まわり剛性の高さから路面によっては多少の突き上げを感じるものの、フロアから安っぽい振動が伝わるようなこともない。ロードノイズが入り込むような場面でもなんとなく許せてしまうのは、ジープとしての“キャラ得”である。
「アーバンユースに限って言えばロンジチュードがコンパスのベストバイだろう」
FWDモデルとなるロンジチュードは、リミテッドと比べて110kg軽いボディが走りにも確実に軽快感を与えていた。そのトランスミッションはオーソドックスな6速ATだが、ギヤリングに間延びした感じはなく、アクセルを踏み込めば適度に活発。エンジン回転の上昇に対し車速も合っていて、ダッシュを決めてもその自然吸気エンジンらしい加速に違和感がない。おまけに17インチタイヤのエアボリュームから、その乗り心地も若干良くなっている。
たとえば雪道などでこのFWDモデルがどれほどの安定性を見せるのかは計りかねるが、アーバンユースに限って言えばロンジチュードがコンパスのベストバイだろう。価格的にはリミテッドに比べ50万円ほど安く、しかしファブリック仕様のインテリアにはチープさがない。レザー×ファブリックのコンビシート(プレミアムファブリックシート)などはやり過ぎ感がなく、むしろ肩の力が抜けていてオシャレですらある。
「総じてコンパスは、FWDモデルが大いに魅力的である」
こうした走りとインテリアに対して、インフォテインメントのテイストもトーンが揃っている。階層がやや深く直感的に操作できない歯がゆさはあったものの、タッチスクリーンそのものは国産モデルのように厚ぼったくなくスタイリッシュで、画面も大きく見やすい。ナビがApple Car Play/Android Auto頼みなことには一瞬不満を感じたが、その実スマホナビはいまや当たり前だし、インポートカーのとってつけたような純正ナビを付けるよりもずっと高性能だ。そしてその割り切りが、コンパスだとなんともしっくりくる。
サラウンドビューカメラやハンズフリーパワーリフトゲートといった豪華装備はリミテッドにしか付かないが、STOP&GO機能付きのアダプティブクルーズコントロールを始めとした先進安全機能を装備しながら、CセグコンパクトSUVで385万円という価格は競争力がある。
総じてコンパスは、FWDモデルが大いに魅力的である。ジープとしては本流の4WDではなくFWDモデルを一推しすることができるのは、単に価格が安いからだけではない。その4WDと共用されるシャシーが、今なおしっかりと性能を維持し続けているからこそである。そして今回の内外装の現代化は、こうしたコンパスが持つ基本性能の高さを今一度確認できるとてもよい機会になったと思う。
REPORT/山田弘樹(Kouki YAMADA)
PHOTO/田村 弥(Wataru TAMURA)
【SPECIFICATIONS】
ジープ コンパス リミテッド
ボディサイズ:全長4420×全幅1810×全高1640mm
ホイールベース:2635mm
車両重量:1600kg
エンジン:直列4気筒DOHC
総排気量:2359cc
最高出力:129kW(175ps)/6400rpm
最大トルク:229Nm(23.4kgm)/3900rpm
トランスミッション:9速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前後マクファーソンストラット
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ディスク
タイヤサイズ:前後225/55R18
車両本体価格:435万円
【問い合わせ】
ジープ・フリーコール
TEL 0120-712-812
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みんなのコメント
と思わずにはいれない
この車に限った事ではないけど
それならしっかりと4WD性能を煮詰めてくれと言いたい
だから、FWDでも同じだから売れ筋を変えたい意向が透けて見える。