グローバルでスバルの主力モデルとなっているのはフォレスターとクロストレックのSUV2台。そこで、そのご先祖的モデルとなる初代インプレッサグラベルEXにクローズアップしてみた。
文/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生、写真/スバル、ベストカーWeb編集部
今やスバルの屋台骨を支えるフォレスターとクロストレック……ご先祖は初代インプレッサ[グラベルEX]だった
■北米では新型フォレスターの価格も発表されたが……
日本での販売も待たれる次期型フォレスター。今回はそのご先祖モデルを紹介しよう
北米ではすでに価格も正式に発表された新型フォレスター。日本での導入については2024年秋に発表、翌2025年春から発売スタートというのが予測されるスケジュールだが、その開祖的存在に今回は迫ってみたい。
初代フォレスターは2代目レガシィツーリングワゴンに追加設定されたグランドワゴンが登場した1995年から2年後の1997年に誕生している。初代フォレスターは初代レガシィや初代インプレッサWRX譲りの2LのEJ20ターボ(スペックはややデチューンされた最高出力250ps/最大トルク31.2kgm)を全グレードで搭載していた。
初代インプレッサWRXに追加設定されたグラベルEX。大型フロントグリルガードが印象的でRVムード満点
フォレスター誕生のきっかけとなったのが1995年10月、初代インプレッサスポーツワゴンに追加設定された「グラベルEX」だった。ノーマルのスポーツワゴンの車高を30mmアップした185mmに嵩上げし、RV要素を強化したモデルとして誕生。
1997年2月に誕生した初代フォレスター。その開祖はグラベルEXだった
初代インプレッサスポーツワゴンをベースにフロントにグリルガードを装着したほか、ルーフレールを採用し、ツートンカラーを施してフェンダーのホイールアーチにはカラーを塗り分ける仕様となっていた。もちろん、リアには当時のRVのお約束として背面タイヤを装着。
さらに、搭載されるパワートレーンは初代インプレッサWRXと同じEJ20ターボ。最高出力220ps/最大トルク28.5kgmを発揮し、比較的コンパクトなワゴンとしては充分な動力性能を有していた。
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■北米ではアウトバックスポーツの名で3代続いた
北米では「アウトバックスポーツ」の名前で販売されていたグラベルEX
しかしながら販売的にはまったく振るわず、1313台を販売しただけで試乗からは早々に消えている。
ちなみに北米では「アウトバックスポーツ」の名で1994年からグラベルEXは販売され、2代目インプレッサ、3代目インプレッサにも設定され、2011年までアウトバックスポーツは北米では継続されていた。
北米専売の2代目アウトバックスポーツ
だが、2011年に初代インプレッサXVにFMCされたことでアウトバックスポーツは終了することに。その存在はのちのクロストレック(日本名:XV)につながっていくことになる。
■珍車的扱いになるのはちょっと残念?
現行型クロストレック
現在、北米を中心にグローバルでスバルの主力販売モデルとなっているのはSUVのフォレスターとクロストレックなのだが、そのご先祖は初代インプレッサWRXグラベルEXだというのは数奇な運命を感じる。
レガシィアウトバックが2代目レガシィツーリングワゴンに設定されたグランドワゴンをスタートにその存在を確立したのに対し、フォレスターとクロストレックはこのグラベルEXがルーツとなっている。
それだけにグラベルEXが個性的な珍車として扱われる風潮があることに対し、何だかモヤモヤした感情を抱いてしまうのは私だけだろうか?
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みんなのコメント
恐らく、貴方だけでしょう
当時のインプレッサはWRXシリーズがイメージリーダーでしたし、インプレッサスポーツワゴンの様なショートワゴンは日本では未だ市民権は得られていませんでしたので、結局「ワゴン」としては「荷室が狭い」等の理由で、SUVとしても「なんちゃって」感が甚だしい…
と、当時そんなインプレッションをして市場から闇に葬りさせ、今になって「あのクルマは良かった」って評する記事の何と多いこと…
そんな自動車メディアにモヤモヤとした感情を抱いてしまいますw