3月4日、アストンマーティンはイギリス・ゲイドンの本社で世界88台の限定モデル『アストンマーティンV12スピードスター』をワールドプレミアした。
アストンマーティンの特注カスタマイズサービス“Q by アストンマーティン”によって製作されたV12スピードスターは、イギリスの老舗自動車ブランドが持つ長いレースの歴史と、航空デザインの両方からインスピレーションを受けて誕生したピュアドライビングカーだ。
アストンマーティン、V8スポーツ『ヴァンテージ』にロードスターを追加。ルーフ開閉は7秒以下
ルーフはおろかフロントウインドウもない、その特徴的なスタイリングは1959年のル・マン24時間レースで初優勝した『DBR1』から、2013年のブランド100周年を記念して製作された『CC100スピードスター・コンセプト』へとつながる系統を引き継ぐもの。また、そのなかには1953年に登場した『DB3S』や、戦闘機の歴史からインスピレーションを得たデザインも含まれているという。
開発期間は約12カ月。この短い期間内にアストンマーティンのエンジニアとデザイナ、“Q by アストンマーティン”が手を取り合い、設計から生産段階に至るまでの開発を集中的に行っている。
その車体構造は、ヴァンテージとフラッグシップモデルであるDBSスーパーレッジェーラというふたつのモデルラインの要素を利用した独自プラットフォームからなる。
足回りにはフロントに独立ダブルフォッシュボーン、リヤにはスポーツ/スポーツ+/トラックモードを選択可能としたダンパー付きのマルチリンクを採用。21インチの鍛造センターロック・アロイホイールを標準装備し、前輪に410mm、後輪は360mmのカーボンセラミックブレーキがおごられた。
ボディパネルはほとんどがカーボンセラミック製で、今回お披露目された車両ではマクドネル・ダグラス(現ボーイング)社の戦闘機F/A-18“ホーネット”からインスピレーションを受けた『スカイフォール・シルバー』というカラーリングが施された。なお、エキゾーストチップやベーン、ベントなどにはサテンブラックを用いた仕上げとなっている。
Q by アストンマーティンは、インテリアにもホーネットをイメージしたスキームを採用しており、ダークテーマの内装はダーククロームや機械加工されたアルミニウム、ブラックレザーとテキスタイルなどの中に、鮮やかなレッドのアストンマーティン・スクリプトドアプルを差し込むことでスポーティな世界観を作り出している。
最高出力709ps、最大トルク753Nmを発揮する5.2リットルV12エンジンをフロントミッドに搭載し、ZF製8速ATが組み合わされるアストンマーティンV12スピードスターの動力性能は0-100km/h加速3.5秒、最高速は300km/hだ。価格は76万5000ポンド(約1億0500万円)で、デリバリーは2021年第1四半期に開始される予定となっている。
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