1949年9月3日、アウディは新たな出発を果たした。アウディ・トラディションはこれを記念し、祝賀会の開催など記念イベントを開催
アウディは75年以上にわたり、インゴルシュタットの地で自動車を製造してきた。アウディ・トラディションではこの記念すべき年を記念し、「アウディ・ミュージアム・モービル」での講演会と、旧本社跡地であるインゴルシュタット市街地のヨーゼフ-シュトロブル広場での祝賀会を開催するという。
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2024年9月8日(日)に開催される記念式典では、インゴルシュタットで生産された最初の自動車モデルのコレクションや、その他の楽しいアクティビティを楽しむことができる。前夜には、アウディ移動ミュージアムで「ナイト オブ ザ ミュージアムズ」が開催され、さまざまなエンターテイメントが繰り広げられる。
アウディビッグバンドによるラテン、ソウル、ファンク、ポップスをミックスした色彩豊かな演奏や、現在開催中の特別展「Form vollendet」をはじめとする数々のハイライトツアーも開催される。
1949年9月3日は、アウディの歴史において重要な日だ。インゴルシュタットに「アウトユニオン社」が設立され、それまでザクセンを拠点としていた自動車メーカーにとって、西ドイツにおける新たな章の幕開けとなった。同社は、かつてインゴルシュタット要塞が所有していた建物で生産を再開し、インゴルシュタットの4つの輪とともにブランドが生まれ変わる礎を築いてきた。
【写真10枚】戦前から黙々と、着々と自動車製造を重ねてきたアウディ
第二次世界大戦後の新たな出発:最初の一歩が最もむずかしい
インゴルシュタットにおけるアウディの存在は、終戦直後から始まった。1945年、ザクセンに本社を置くアウトユニオンAGの元従業員たちが、ソ連占領地からの部品調達が不可能になったため、シュランネン通り3番地に中央スペアパーツ倉庫を設立したのだ。
スペアパーツを供給・生産することで、戦前からのアウトユニオン車を走らせ続けることが使命だった。自動車製造再開の決定は数年後に下された。正式な要件を満たしたアウトユニオン社は、1949年9月3日にインゴルシュタットで法人化された。新会社は、復興中の国のニーズに応える自動車の製造を開始する。
「DKW F 89シュネルラスター」は、信頼性が高くシンプルなバンで、さまざまなボディスタイルが用意された。そのデザインは戦前の実証された技術に基づいており、前輪駆動、横置き2気筒2ストロークエンジンを搭載していた。
1949年11月、「DKW RT 125」が登場。このオートバイは、戦後ドイツの手頃なモビリティに大きく貢献した。しかし、RT 125は1939年にツショパウのDKW工場で開発され、戦時中に輸出用とドイツ国防軍用として製造された"旧友"でもあった。
第二次世界大戦後、東ドイツのザクセン州ツショパウにある国営オートバイ工場で、「IFA (Industrieverwaltung Fahrzeugbau) RT125」の名で、生産が再開された。インゴルシュタット・モデルには、西ドイツ製品であることを示すために「W」が付けられた。
わずかに丸みを帯びたタンクを除けば、台形フォーク、ゴムバンド式サスペンション、4.75PSの2ストローク・エンジン、足踏み式3速トランスミッションなど、RT125は戦前のモデルとほぼ同じだった。
生産能力の都合でエッティンガー通りに新工場が建設されるまでの約10年間、インゴルシュタット市街地の生産施設とデュッセルドルフ工場が新生アウトユニオンGmbHの拠点となった。1959年8月21日、エッティンガー・シュトラーセ工場で手頃な価格のコンパクトカー「DKWジュニア」の生産が開始され、1957年の「DKW RT 125W」の生産中止を経て、アウトユニオン社は乗用車の生産に恒久的に注力することになった。
インゴルシュタット市街地での講演会、ナイト・オブ・ザ・ミュージアムなど
アウディの歴史的な創業から75年後、アウディ・ミュージアム・モービルでの講演会が75周年記念行事の幕開けとなる。アウディ・トラディションの社史家であるラルフ・フリーゼ氏が、アウディの困難な新たな出発、インゴルシュタット市街地での創業期、エッティンガー通りの新工場に移転したアウトユニオンについて語る。
その数日後、アウディミュージアムモービルを訪れた人は、さらに幅広いエンターテイメントを楽しむことができる。9月7日(土)の「ナイト オブ ミュージアムズ」では、午後6時から深夜まで多彩なプログラムが用意される。ラテン、ソウル、ファンクからポップスまで多彩なレパートリーを持つアウディ Big Bandとともに、Circus of Fantasyが音楽と息をのむようなアクロバットの旅へと皆様をお連れする。
また、オート・ユニオン・シルバーアローの特別ガイドツアーや、1945年から今日までの自動車製造におけるエアロダイナミクスに関する特別展示「Form vollendet」(ドイツ語で「完璧な形」の意)も楽しめるだろう。
さらに、ナイト・オブ・ミュージアムでは、若いお客様にも楽んでもらえる企画が盛りだくさんだ。天候が許せば、アウディ広場に特設ゴーカートコースが設置される。悪天候の場合は、クリエイティブな代替プログラムが実施される。
9月8日(日)には、インゴルシュタットのJosef-Strobl-Platzで記念式典が開催される。インゴルシュタットにおけるアウトユニオン社の75年」をモットーに、午前10時から午後5時まで、来場者は楽しいプログラムを楽しむことができる。
シュネルラスターに乗ってインゴルシュタット市街地を散策したり、インゴルシュタットに残るオート・ユニオンの足跡を訪ねる市内ツアーや、インゴルシュタットにおけるオート・ユニオン社設立当初のモデルを展示する車両展示などが行われる。
また、60年の伝統を誇るアウディ・フィルハーモニック・ウィンド・オーケストラのバイエルン・アンサンブルも、バイエルン・ボヘミア音楽から現代のブラスバンド音楽、ポップスまで、多彩なコンサートを披露します。食べ物や飲み物も用意される。
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なお、戦争中の破壊とそれに続くソ連軍による占領によって機能を完全に喪失したザクセンの工場の方は、その後トラバントなどを生み出した東ドイツの国有企業の工場などになっている。