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【詳細データテスト】 ベントレー・フライングスパー F40と同等の加速 期待以上のハンドリング 快適性には注文あり

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【詳細データテスト】 ベントレー・フライングスパー F40と同等の加速 期待以上のハンドリング 快適性には注文あり

はじめに

この3代目となる新型のベントレー・フライングスパーは、これまでのモデルより証明すべきことが多い。取り巻く環境も厳しさを増している。

【画像】ベントレー・フライングスパーとライバル 全15枚

新型コロナのパンデミックが多くの国々にダメージを与え、グローバル市場を揺るがし、世界は五里霧中にある。この状況は当分続きそうで、ベントレーのような高級車メーカーは大きな影響を受けそうだ。

世界経済は綱渡りを続けていて、高級車需要に対するダメージが本当はどの程度なのかわかるにはしばらくの時間がかかるだろう。この新型コロナ危機に伴うさまざまな問題の中で、そのプライオリティはそれほど高くないかもしれない。だが、新型の高級サルーンを発売するには、あえて書き記すまでもないほどのバッドタイミングだ。

新型フライングスパーを迎えるベントレーの商品ラインナップも、なかなか挑戦的だといえる。最上級サルーンのミュルザンヌが最近になって生産終了され、クルーにおけるトラディッショナルな4ドア車はフライングスパーのみ。実質的なフラッグシップも、このニューモデルが務めることとなった。

先代までの2番手という位置づけの制約が取り除かれたことで、言い訳もできなくなった。ベントレーとしてベストだと認められる魅惑的な走りをしなければならないのはもちろん、その走りの洗練性やキャビンの快適性も並外れたものであることが求められる。そして、正真正銘の特別に高級なインテリアを備えていなければ、顧客の要求に応えることはできない。

そのことは、なぜベントレーがこのクルマのハードルを全体的に引き上げ、新開発プラットフォームを用意し、ベントレーがほかのモデルには使ったことのないテクノロジーをシャシーに導入した理由だ。また、室内のテクノロジーやコネクティビティも、これまでにはなかったほど高度なものになった。

次世代のロールス・ロイス・ゴーストやメルセデス・ベンツSクラスの登場が近づくなか、新型フライングスパーはどれほどのものに仕上がっているのだろうか。確かめてみようではないか。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

先代モデルと同じく、この新型もコンチネンタルGTのクーペやコンバーティブルと密接な関係にあり、製造も同じクルーのラインで行われる。しかし、ベントレーの発表によれば、ボディ関連でGTと共通のパーツは、ドアハンドルとドアミラーだけだという。

従来の2世代は、2ドアのデザイン言語を、ボディの長いサルーンへ無理なく引き映そうと苦心してきた。だが、3代目フライングスパーは、全面的にベントレーのデザイン部門のリアルな成果だと認識できる。

これまでより長くて低いボディは、存在感とヴィジュアル的な魅力を有り余るほど備える。アルミに熱と空気圧をかけて成型するスーパーフォーミングで仕上げたボディパネルは、スタイリングのシャープさに磨きをかけた。

デザイナーたちはクーペの筋骨隆々たる雰囲気を持ち込もうとはしなかったが、ボディ後部には、かつてなかったドラマティックさと視覚的な力強さが加わった。

コンチネンタルGTと同じく、フライングスパーもMSBプラットフォームがベース。これは、フォルクスワーゲングループ内で共用するべく、ポルシェが開発したコンポーネンツだ。

ホイールベースは先代比130mm延長され、フロントアクスルは前方へ移動。これらは、室内スペースの拡大に寄与する。

ベントレーのダイナミックライドこと、48Vシステムを用いたアクティブ制御のロールキャンセル機構は標準装備。四輪操舵は、ベントレーでは初の導入例で、全長5.3mもある車体の取り回しを向上する。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。3気室式のエアスプリングとアダプティブダンパーを、前後左右ともに装着している。

発売時に設定されるエンジンは、6.0LのツインターボW12のみ。635psと91.8kg-mというスペックはコンチネンタルGTと変わらない。トランスミッションは先代までのトルクコンバーターATに換え、ZF製の8速DCTが採用された。

クラッチ式のアクティブ4WDシステムは、現行コンチネンタルGTと同じメカニズム。後輪駆動をベースに、最大で40%の駆動力を前輪へ分配。この数値は、スポーツモードを選択すると減少する。ブレーキ式トルクベクタリングも装備している。

サイズが増大し、半自動運転的なドライバーズエイドが追加されたにもかかわらず、車両重量の公称値は2437kgで、先代より38kgダイエットしたことになる。テスト車の実測値は2500kgで、前後重量配分は53:47だった。

内装 ★★★★★★★★☆☆

このクルマ、じつに大きくて重いのだが、調整箇所の多い二重ステッチの入ったシートに身を沈め、ソフトクローズのドアが閉まる際のクリック音を耳にすると、これはドライバーズカーなのだと確信できるはずだ。

キャビンは低く、包み込まれるようで、ほかの超高級サルーンの多くとは異なる雰囲気を醸し出す。前後席ともショルダールームは広いが、ルーフとウインドウ上端のラインは頭上に近い。

視界はやや限定される。太いピラー、とくにBピラーとCピラーによって、車外に目を向けると視野を損なわれる。リアウインドウも郵便ポストの投入口のようで、ルームミラーには映ると、はるか遠くにあるように見える。

もっとも、このクルマのとんでもなく贅沢なキャビンに身を置けば、それほど外の世界を目に入れたくなるかどうかは怪しいところだ。

インテリアは、コンチネンタルGTのそれにきわめて近い。トランスミッショントンネルもベルトラインも高く、すっかり沈み込んだように感じさせられる。シフトセレクター周辺に集められたスイッチ類や、12.3インチのインフォテインメントディスプレイもまた、2ドアのベントレーに共通のアイテムだ。

相違点は、センターパネル下部のデザインだ。ダッシュボード両端には、クルーのトレードマークともいうべき円形のアルミを用いた送風口が設置されるが、中央には角張って彫刻的な新形状のものが据えられている。その下には空間が設けられ、携帯電話などを収納できるようになっているが、ものを置いた後でも、送風口周りの装飾がみせる金属のクールさに目を惹かれる。

豪華なマテリアルにより本物感が際立つインテリアだが、まったく非の打ちどころがない、というわけでもない。クロームは常に、それらしい輝きを放っている。それゆえ、その部分が本当に金属なのかどうか確かめるには、触ってみるしかない。そうすると、見た目通りのマテリアルを使っているのは半分ほどだとわかる。たいしてガッカリするようなことではないのかもしれないが。

対して、レザーやウッドはこれまで通りみごと。ベントレーはその伝統的な高級素材に、最新で最高のテクノロジーをブレンドしたが、そのやり方がまた、じつにみごとなのだ。にわかに信じがたいが、20年前のベントレーがみせた、そうした技術の使い方と見分けがつかないのだ。

後席の快適性は、ほとんど誰もがとても幸せだと感じられるようなもの。たとえ、背の高い乗員が期待したほどのヘッドルームを得られなかったとしてもだ。テスト車はパノラミックサンルーフ装着車だったので、余計に頭上を圧迫していたのだが、それでもである。

枕のようにふんわりしたヘッドレストは心地いい。しかし、伸縮式のオットマンや倒して寝れるシートが、オプションリストにすらなかったのは驚きだ。いまどきの高級サルーンになら、たいてい用意されているのだが。

走り ★★★★★★★★★☆

W12ツインターボの回りはじめ、アイドリングをわずかに超えるくらいでのエンジン音は、きわめてかすかに聞こえるのみ。常用域では作動音がなめらかで耳に麗しいものとなり、負荷が高まると唸り声を上げるが、絶叫するようなものになることはけっしてない。いうなれば貴族的で、個性もある。いわんや魅力をや、だ。

じつのところ、スポーツモデルのエンジンとして最高とはいえない。レヴリミットは6000rpmそこそこで、レスポンス抜群というわけでもない。スロットル入力は唐突なものより、慎重で急がないほうがはるかに適しているユニットだ。

しかし、少なくとも高級サルーンに搭載するなら、要件をみごとに満たしてくれる。ついに退役することとなった伝統の6.75L V8がまさしくそうであったように、とにかく中回転域のトルクがすべてという性格の持ち主だ。そこでの力強さには驚きを禁じえない。

渋滞の中をノロノロ進んでいても、スロットルペダルを5cmばかり踏み込めば、すぐさまターボが目を覚まし、ふわりと漂うように前へと流れ出す。この強力でいてこの上なくしなやかな動きは、オリエント急行のように客車を連結しても変わらないと思えるほどだ。

さらに強く足に力を込めると、驚異的なポテンシャルを開放する。ただし、どこまでも無理なく、というわけではない。このW12が本領を発揮するのは、極太のトルクを発生する回転域でのことだ。

一般的な巡航速度からパワーバンドへ入れるには数段のシフトダウンが必要で、ピークパワーの発生範囲はやや狭く、あっという間に過ぎるように感じられる。それゆえ、このクルマのドライビングを堪能したいなら、トランスミッションはマニュアルモードにして、エンジンがすぐさま力を発揮できるよう準備しておくのが最善だ。

走りを楽しみたいドライバーならそうするはずだ。なんといってもフライングスパーは、最新のスーパーサルーンがそうであるように、十分な広さのあるオンロードであれば、2点間移動でめっぽう速いクルマなのだから。

そして、このエンジンの発する駆動力を、ドライブラインはゼロスタートから余すことなく路面へ伝える。この、即興の重役室にもなるほど大きく贅沢なサルーンが、スタンディングスタートから3.9秒で97km/hに到達するのを目の当たりにするほど劇的な体験はそうそうない。重量が2.5tにも達する4ドアが、フェラーリの至宝・F40と変わらぬペースで加速するのだから。

ブレーキのペダルフィールは、うれしくなるくらいプログレッシブ。かなりの速度から踏むと、もう少し制動力が強くてもいいとも思わされる。だが、それは超スムースでトラベルを長く取ったペダルのチューニングの結果だ。

デュアルクラッチ式ギアボックスのマナーは、おおむね良好だ。とはいえ、ギアを抜き差しする際の金属音が、ときどきだが耳に届く瞬間がある傾向は消し切れていない。

それがみられるのはだいたい、マニューバリング中や、コーナリング中にスロットルペダルを踏み足したとき。2年前にコンチネンタルGTでこのトランスミッションが初採用されたときから、この点は改善されていない。

誰もが気にするというようなものではないが、世界最高峰のクルマであるべき高級車に課される、もっとも厳しい水準に照らして評価する以上、これを書き残さないわけにはいかないだろう。

使い勝手 ★★★★★★★★★★

インフォテインメント

12.3インチのインフォテインメントディスプレイに、好ましくない点はほぼない。画面のすぐ下にあるボタンでも、右側に表示されたショートカットでも非常に操作しやすい。

もしも表示画面が目障りだったり、夜間に明るさが気になるのなら、くるりと回してダッシュボードの裏側へ格納することもできる。そうすれば、そこはまるでもとからそうだったように、ウッドパネルに覆われる。

タッチ操作で画面を指紋だらけにするのがいやなら、小振りなダイヤル式ノブでカーソルを動かすこともできる。だが、ナビマップのスクロールやズームは、指先を使うと簡単にできる。

後席には、取り外し可能な5.0インチのディスプレイを装備。エンターテインメント系や室内照明のセッティング、ウインドウのブラインド、シートのマッサージ機能などは、それで操作できる。オプションでは、タブレットPCのように効果的な使い方ができる10.2インチのタッチ式ディスプレイも用意されている。

オーディオは3タイプで、上位2機種はそれぞれバング&オルフセンとネイムが手がける。テスト車にはエントリーグレードのシステムが装着されていたが、それでも出力650Wの10スピーカーという陣容。パワーも音質も不満は感じないはずだ。

燈火類

最上級のヘッドライトとなるLEDマトリックスアダプティブビームは標準装備。ハイビームの明るさはみごとで、眩惑で不満を感じることもまずない。

ステアリングとペダル

ペダルはふたつとも明らかに右へオフセットしているが、操作はまったく窮屈ではない。ブレーキペダルは踏面に広さがあり、左足で踏もうと思えば、それも楽にできる。コラムの電動調整は、アジャスト幅が広い。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★★

ベンテイガSUVの開発以来、ベントレーはシャシーやサスペンションに新たなアクティブ制御の導入を進めてきた。これは大柄な高級車を、より小さくしなやかで俊敏なクルマを走らせているように感じさせることを狙ったものだ。

このクルマでは、四輪操舵システムが採用された。となれば、とにかく知りたいことはひとつだ。すべてのシステムは、きちんと協調しているのだろうかということだ。

客観的な感覚に徹するなら、答えはおおいにイエスだ。というのも、このクルマがボディを沈み込ませてターンインし、この重いクルマをコーナリングさせる一連の動作が上首尾だということに、疑うところはないからだ。

一般論でいえば、高級サルーンのハンドリングは、このクルマの半分にも及ばない。ほかの後輪駆動モデルであれば、旋回時に高い負荷が掛かると、電子制御に頼り、スプリングの上で穏やかにシーソーのような揺れを繰り返す。その点、フライングスパーは驚異的な精密さと安定性をもって、アペックスをかすめてひたすらコーナリングしていく。

走行モードをスポーツに入れると、ボディコントロールは間違いなくもっとも緊密になる。ステアリング入力へのレスポンスも、ハンドリングのバランスもベストだ。

このモードでも、左右のボディコントロールは上下以上に優れたところを示す。かなり荒れた路面で飛ばすと、サスペンションはボディを水平に保ち、浮き上がりや波打ちを抑えるために多くの仕事を課されることになるが、おおむね、どうにかこなしてしまう。

それでも、テスター陣の大部分が好んだのはベントレーモードだ。サスペンションのセッティングはわずかながら緩やかになるが、ステアリングのフィードバックは一貫性を増す。大きく速い高級サルーンはこういうものだろうと、予想するとおりのハンドリングにより近づくと言い換えてもいい。

Sクラスのように、リラックスして指1本でステアリングを操れるサルーンではない。サイズは、ロールス・ロイスのファントムほどではないが、それでも大柄でワイドだ。対面通行では、対向車側へはみ出さないよう片輪で側溝の蓋を踏まなければならない場合もあるが、その際には集中力が必要になる。

しかし、ベントレーモードであれば、手のひらにしっかり伝わるステアリングのフィードバックとスロットルオンでの優れたスタビリティ、ハンドリングの正確さが相まって、そんな難題もただこなすだけでなく、かなり楽しむことさえできる。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

残念だったのは、このクルマに不可欠な走行時の洗練性が、納得のいくレベルになかったことだ。

フライングスパーに設定されるもっとも小さいホイールは21インチだが、それを履く仕様であっても、高級サルーンに期待される水準より路面状況をキャビンへ伝えてしまう。とくに、極度のロードノイズを遮断し、短く鋭い隆起や突起を打ち消すのに失敗している。

大きな路面不整やジョイントでも、速度を上げて差し掛かると、時としてサスペンションマウントまでもってしても吸収できない、やや品のない突き上げが発生する。

じつに奇妙だ。というのも、プライマリーライドはすばらしく、ふんわりしてゆりかごのようなしなやかさに満ちているからだ。

このクルマの開発陣が乗り心地の快適性を熟知しているのは明らかで、舗装がよければ間違いなくあるべきそれを見せてくれる。アンジュレーションは、大小にかかわらず、速度を上げてもボディを間違いなく水平に保つベントレーの能力が吸収する。

高速道路の速度域における静粛性は良好だが、抜きんでたものではない。風切り音はかすかながらも聞こえてくるし、ややくぐもったロードノイズもそれに伴う。

113km/hでの車内ノイズは64dB。2013年にテストしたメルセデス・ベンツS350は1dB、ファントムの最新モデルは4dB、それぞれこのベントレーより静かだった。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

フライングスパーの16万8300ポンド(約2356万円)という車両価格はおいそれと手を出せるものではないが、このクルマを手に入れる上では出発点にすぎない。軽い気持ちでオプションを選んでいくと、すぐに20万ポンド(約2800万円)近くなってしまう。

テスト車は標準装備の21インチホイールを履き、オーディオももっとも安価な仕様だが、装着したオプションは2万6645ポンド(約373万円)相当にものぼる。これは、ベントレー・ローテーティングディスプレイの4770ポンド(約66.8万円)、ミュリナー・ドライビングスペシフィケーションの9535ポンド(約133.5万円)などを含む金額だ。

ただし、次期ゴーストが20万ポンドを切ることはありそうもないのだから、フライングスパーが取り立てて高額だとはいえない。そもそも、この手のクルマでコストパフォーマンスを語るほうが見当違いな気もするのだが。

燃費は、覚悟していたほどにはひどくない。テスト時の平均値は8km/Lジャスト、ツーリングでは11.5km/Lというのは、635psの12気筒を積む2.5tの大柄な高級車としては上出来だ。

スペック

レイアウト

フォルクスワーゲングループのMSBプラットフォームを用いた3代目フライングスパーは、先代よりホイールベースを130mm延長。フロントアクスルはエンジンと同一線上に位置し、オイルパンを貫通するかたちで設置された。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。テスト車の前後重量配分は、実測で53:47だった。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:W型12気筒5950ccツインターボ、ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ84.0×89.5mm
圧縮比:10.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:635ps/6000rpm
最大トルク:91.8kg-m/1350-4500rpm
許容回転数:6200rpm
馬力荷重比:261ps/t
トルク荷重比:37.6kg-m/t
エンジン比出力:106ps/L

ボディ/シャシー

全長:5316mm
ホイールベース:3194mm
オーバーハング(前):886mm
オーバーハング(後):1236mm

全幅(ミラー含む):2225mm
全幅(両ドア開き):3780mm

全高:1484mm
全高:(トランクリッド開き):1840mm

足元長さ(前):最大1110mm
足元長さ(後):最大880mm
座面~天井(前):最大990mm
座面~天井(後):最大930mm

積載容量:420L

構造:アルミ/スティールモノコック
車両重量:2437kg(公称値)/2500kg(実測値)
抗力係数:0.30
ホイール前/後:9.0Jx21/10.5Jx21
タイヤ前/後:265/40 ZR21 105Y/305/35 ZR21 109Y
ピレリPゼロ PNCS
スペアタイヤ:なし(ランフラットタイヤ)

変速機

形式:8速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.97/7.1
2速:3.24/13.2
3速:2.08/20.4
4速:1.42/29.9
5速:1.05/40.6
6速:0.84/50.7
7速:0.82/62.6
8速:0.64/80.3
最終減速比:3.31:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:8.0km/L
ツーリング:11.5km/L
動力性能計測時:3.0km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.1km/L
中速(郊外):6.5km/L
高速(高速道路):7.9km/L
超高速:7.8km/L
混合:6.8km/L

燃料タンク容量:90L
現実的な航続距離:719km
CO2排出量:337g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/エアスプリング、アクティブスタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング、アクティブスタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:11.1m

ブレーキ

前:420mm通気冷却式ディスク
後:380mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電気式、スイッチ(センターコンソール配置)

静粛性

アイドリング:40dB
全開時:77dB(4速)
48km/h走行時:56dB
80km/h走行時:60dB
113km/h走行時:64dB

安全装備

ABS/ESC/EDL/ASR/HBA/ベントレー・セーフガード
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温20℃
0-30マイル/時(48km/h):1.7秒
0-40(64):2.4秒
0-50(80):3.0秒
0-60(97):3.9秒
0-70(113):4.9秒
0-80(129):6.0秒
0-90(145):7.3秒
0-100(161):8.9秒
0-110(177):10.5秒
0-120(193):12.4秒
0-130(209):14.6秒
0-140(225):17.1秒
0-150(241):20.0秒
0-402m発進加速:12.2秒(到達速度:192.8km/h)
0-1000m発進加速:21.8秒(到達速度:250.7km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ロールス・ロイス・ファントム(2018年)
テスト条件:湿潤路面/気温9℃
0-30マイル/時(48km/h):2.5秒
0-40(64):3.5秒
0-50(80):4.4秒
0-60(97):5.5秒
0-70(113):6.9秒
0-80(129):8.2秒
0-90(145):9.9秒
0-100(161):11.8秒
0-110(177):14.0秒
0-120(193):16.5秒
0-130(209):19.6秒
0-140(225):23.1秒
0-150(241):27.7秒
0-402m発進加速:13.9秒(到達速度:176.7km/h)
0-1000m発進加速:24.4秒(到達速度:229.8km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.4秒(2速)/2.3秒(3速)

30-50(48-80):1.3秒(2速)/1.8秒(3速)/2.9秒(4速)/4.9秒(5速)

40-60(64-97):1.8秒(3速)/2.5秒(4速)/3.7秒(5速)/5.9秒(6速)

50-70(80-113):1.9秒(3速)/2.5秒(4速)/3.5秒(5速)/4.8秒(6速)/7.3秒(7速)

60-80(97-129):2.0秒(3速)/2.6秒(4速)/3.6秒(5速)/4.6秒(6速)/6.2秒(7速)/11.8秒(8速)

70-90(113-145):2.7秒(4速)/3.6秒(5速)/4.9秒(6速)/6.2秒(7速)/9.7秒(8速)

80-100(129-161):2.7秒(4速)/3.8秒(5速)/5.1秒(6速)/6.7秒(7速)/9.3秒(8速)

90-110(145-177):3.0秒(4速)/4.1秒(5速)/5.3秒(6速)/7.1秒(7速)/10.0秒(8速)

100-120(161-193):3.5秒(4速)/4.2秒(5速)/5.7秒(6速)/7.6秒(7速)

120-140(193-225):4.4秒(5速)/6.1秒(6速)

140-160(225-257):4.8秒(5速)/6.4秒(6速)

各ギアの最高速

1速:43.5km/h(6200rpm)
2速:82.1km/h(6200rpm)
3速:127.1km/h(6200rpm)
4速:185.1km/h(6200rpm)
5速:251.1km/h(6200rpm)
6速:313.8km/h(6200rpm)
7速:333.1km/h(5324rpm)
8速(公称値):333.1km/h(4149rpm)

8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1403rpm/1604rpm

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温20℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):23.5m
70-0マイル/時(80km/h):45.4m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.93秒

ライバルの制動距離ロールス・ロイス・ファントム(2018年)
テスト条件:湿潤路面/気温9℃
30-0マイル/時(48km/h):8.2m
50-0マイル/時(64km/h):22.3m
70-0マイル/時(80km/h):45.9m

結論 ★★★★★★★★★☆

新型フライングスパーは高級サルーンだが、その精神と、おそらく基本的なメカニズムは、スポーツカーのそれだ。ハンドリングのよさと走りのハードさは、この手もクルマのオーナーを満足させるには十分、と思うレベルの上を行く。

その能力の幅はめざましく、称賛に値する。だがしかし、小さいながらも高級車としては明らかな不足を指摘しなくてはならない。単なるふんわりとした乗り心地の高級車以上のものを目指したクルマに対する評価としては、フェアなものではないように聞こえるかもしれないが。

それでも結局、速さやそうした目的は、なによりもまずはよりよいサルーンであるべきだという存在意義を凌ぐものではない。それは2005年に、フライングスパーの名が蘇ったときから同じことだった。

走りはもう少しスムースで洗練されていなくては。荒れた路面の影響はもっと遮断して、上品な乗り心地にしてほしい。もうちょっと、高級車の本文を重視してもらいたかった。

シャシーに最新のテクノロジーを導入し、走りはベントレーが狙った水準を大きく外すことなく仕上がった。それでも、走りのレベルがいくら高いとはいえ、この車にかけているものを看過ごすことはできないのだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースベントレーの社内筋によれば、ミュルザンヌ生産中止の決定以前に、このクルマの大筋が決まっていたという。個人的には、どちらも同じようなクルマだと思っていた。トラディッショナルさの具合と、走り志向のドライバーに好かれるか否かの違いだけで。

サイモン・デイヴィス低いルーフラインと太いピラー、そして狭いリアウインドウは、サイドビューの強い自己主張を演出する。だが、後席をちょっとばかり閉所恐怖症に陥りそうな空間にしてしまってもいる。ひどいほどではないが、気にならないほどでもない。

オプション追加のアドバイス

フライングスパーのコンフィギュレーターをいじっていると、楽しすぎて数時間くらいすぐに経ってしまう。とはいえ、本当に購入するとなれば、ミュリナーのパッケージオプションは選び、22インチホイールはやめておきたい。ネイム製のハイエンドオーディオは試してみたいところだ。

改善してほしいポイント

・セカンダリーライドの遮断性は、さらなる改善の余地ありだ。
・リアシートの座面を低くすれば、ヘッドルームにもう少し余裕が生まれるだろう。
・ポルシェ・パナメーラターボS Eハイブリッドと同じ680ps版パワートレインを積む、スピードハイブリッド仕様を設定すればおもしろいのではないか。

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