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「サハラに幻影の英雄たちを追って。取材あとがき」Real Race to DAKAR vol.13

1月22日(水) 20取材を終えて
十年来、お正月休みが明けてから2週間は、毎日、ダカールラリーのレポートをチェックするのが恒例でした。ダカールラリーとぼくの接点は、山田周生さんが、チームランドクルーザーのドライバーの一人として、再生ディーゼル燃料を使用して走るランクルでダカールに出場する前後に、そのラリーのレポートを執筆・編集するお手伝いをしていたことでした。ちょうど、2008年にポルトガルのリスボンで、ラリーがスタート直前に中止になった、その前後数年のことになります。

原風景に還る
もっと言えば、ダカールラリー=パリダカは、ぼくが、オフロードバイクに乗るようになり、現在このような仕事をするようになった直接のきっかけでもあります。1980年代、日本人としていち早くこのラリーに出場した、風間深志さん、菅原義正さん、それに、魅力あふれる書き手としても敬愛する内田正洋さん、そうした人たちの活躍を通じて、ぼくは大陸の冒険ラリーに、幻影を追うような憬れを持ち続けていました。ヨーロッパを出発して海を渡って北アフリカへ。そしてサハラを駆けてセネガルの首都ダカールへ。そんなラリーが再現され、そして菅原さんが、ダカールからの引退後の新たなチャレンジとしてそれに出場する。ぼくは、自分の心の中に何か切迫したものを感じ、そこに行くことを決めたというわけです。

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それは多面体の鏡のように
モナコのスタート。イタリアのサボナ港から丸2日間をかけての船旅を経てモロッコのタンジェへ。アトラスの雪嶺を越えてエルラシディア、メルズーガの砂丘へ。寂寥としたモーリタニアの砂漠での厳しい闘いから、国境を越えてセネガルにたどり着いた時には、皆がほっとした表情を浮かべました。わずか数千キロの移動ですが、世界は人種、民族、文化、文明のモザイクであることを実感します。ラリーは、レースなのか、旅なのか、という議論がありますが、それは合金のように融合したもので、切り離して考えることができません。どのようにとらえるかもも人それぞれで、それは多面体の鏡のように、見る人によって違う答えを映します。

冒険の扉か
見方によっては、これはかつてのパリダカの模倣です。人によってはノスタルジーであり、人によっては新しい挑戦です。ある人にとっては数あるラリーのなかのひとつにすぎませんが、またある人にとっては、やっとたどり着いた冒険の扉だったでしょう。そして誰にとっても道のりは困難で、容易なラリーではありませんでした。

正統にして孤高の存在とは
平たく言って、アフリカのこのレースはアマチュアのための冒険ラリーです。途中でトラブルがあったり、ラリーに追いつけなくなってその日のビバークにたどり着けなくても、オーガナイザーは、カミオンバレーや航空機をフル稼働させて、末端の(失礼)ひとりひとりまで救済します。なんとか一緒にダカールに、ラックローズにたどり着こうじゃないか、という意思がラリーに通底していました。それがラリーというものの本来の精神かどうかは、人によって解釈は異なると思います。ラリーの途中、サウジアラビアでの不幸な事故の報によって、ダカールラリーが彼の地で同時進行していることを意識することになりました。いろいろなことを言っても、ダカールはやはり正統として孤高の存在です。そのために心身を鍛えぬいた世界最高のラリー選手たちが、人間が持てる能力のすべてをかけて、世界最高のプライズを目指して戦う。人々はその美しさに惹かれます。「ラリー」とひとくくりにして比較するようなものではないと改めて思います。

幻影の英雄たち、今も
何に挑戦するのか。何に向かって生きるか。それも人それぞれです。ラリーにどんなスタンスで取り組むのかも人それぞれです。ぼくはこの取材を通じて、大きな目標に向かって真剣に取り組む人たちの姿を見ることができました。長年、自分が憬れていた地に身を置いて、かつてここで行われてきた、自分の原風景ともいうべきラリーを追体験する日々でもありました。それはノスタルジーといっていいでしょう。あるいは青春のツケ払いであったかもしれません。砂漠を疾駆する英雄たちの幻影はよりリアルなものになってぼくり胸の内に生きています。

旅の出発地、ニースのホテル戻って。

春木久史

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