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“代役”ロバンペラ組が圧巻の総合優勝。エバンスが2位表彰台でトヨタ1-2/WRCポーランド最終日

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“代役”ロバンペラ組が圧巻の総合優勝。エバンスが2位表彰台でトヨタ1-2/WRCポーランド最終日

 6月30日(日)、2024年WRC世界ラリー選手権第7戦『ラリー・ポーランド』の競技最終日となるデイ4が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。また、日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合8位で大会を終えている。

 そして、2024年シーズンから新たにポイント付与の対象となった日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”では、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が首位となり、7ポイントを獲得した。

【最終結果】2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド パワーステージ後

■2番手ミケルセンに悲運。先頭タナクが猛進

 TGR-WRTのロバンペラが6本のステージウインをあげて総合首位に返り咲いたデイ3を終え、ついに大会最終日を迎えた『ラリー・ポーランド』。デイ4は4本のスペシャルステージ(SS)を予定し、ステージの総距離は64.00km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は190.18kmだ。

 最初のステージは、平坦なハイスピード区間をベースに、ブラインドの中速コーナーも多く見られるテクニカルなSS16。気温24度、路面温度29度という晴れ空のもと、前日のデイリタイアから復帰を果たしたオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)からコースインを開始する。

 アップダウンも大きく、各クルーがコントロールに奮闘しながらアタックを進めたこのステージでは、総合首位ロバンペラを9.4秒差で追いかけるアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデi20 Nラリー1)がまさかのタイヤバーストに見舞われた。


 ミケルセンはジャンプスポットで姿勢を乱して右リヤを打った様子で、走行後のインタビューでは、「とある土手でヒットして、タイヤがリムから落ちた」と語っており、総合優勝のかかっていた彼はプッシュを継続し、最終的にバーストしてしまったタイヤはカウル周りを破壊することとなった。

 タイムとしては、第一走者のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)を上回るものはなく、SS1以来となる今大会2度目のステージウインをあげた。2番手以降はロバンペラ、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)とトヨタのふたりが続き、4番手タイムをマークしていたアドリアン・フルモーはミケルセンの代わりに総合3番手に浮上する。

 続くSS17は、前半にグラベル区間、中間で湖沿いの直線ターマック(舗装路)を走った後、スーパーSSの舞台にもなった『ミコワイキアリーナ』に入ってフィニッシュという少しトリッキーな構成のステージだ。

 これまでとはキャラクターの異なるSS17を最速で駆け抜けたのは、スーパーサンデー制覇をターゲットに走るタナクとなった。デイ4折り返しでのスーパーサンデーの順位はタナク、ロバンペラ、フルモーというトップ3だ。

 なお、バーストに見舞われたミケルセン組の車両は、タイヤを換装し出走。ペースを抑えながらも完走している。そしてこの時点で、ロバンペラが総合首位、エバンス、フルモーと並ぶトップ3は約20秒の間隔が空いており、トヨタのワン・ツー体制はより堅固なものとなった。

■ロバンペラがさらに加速。日曜最速の争いは2.7秒差に

 残すところあと2本となった各車は給油を終え、SS16と同区間を走るss18へ。気温28度と温まってきたなか、タナクから再走ステージのアタックを開始する。

 ここでも先頭のタナクが最速タイムを刻み、4度目のステージウインをあげたと思われた時、ラリー1最終走者のロバンペラが0.6秒差でステージタイムを更新。スーパーサンデーのふたりの差も2.7秒に近づき、最大7ポイントをかけた日曜最速の争いがにわかに熱を帯び始める。

 そして迎えたSS19、こちらはトップ5のタイムをマークしたドライバーを対象にボーナスポイントが与えられる『ウルフ・パワーステージ』だ。

 アリーナをゴールに据えるこのSS19では、ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)がトップタイムで締めくくり、5点のボーナスポイントを獲得。総合首位のロバンペラは3番手タイムをマークし、28.3秒のリードで今季2度目の総合優勝を飾った。セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)の代役として出走したロバンペラ/ハルットゥネン組にとっては、第3戦サファリ・ラリー・ケニア以来の今季2勝目となった。

 総合2位には僚友エバンスが続き、総合3位には最終日にポジションを上げたフルモーがつけた表彰台となっている。

 そして、注目が集まっていたスーパーサンデーの争いは、4.5秒差でリードを守ったタナクに軍配。デイリタイアからの復帰で見事7ポイントを獲得した。

 また、今大会は開幕から苦戦が続いた勝田貴元は、デイ4でもトップ3タイムに食い込む勢いを得られず、総合8位で初挑戦の『ラリー・ポーランド』を終えている。

 ポイントランキングでは、土曜日を総合首位で終え、スーパーサンデーで2位、パワーステージで3番手タイムをマークしたロバンペラ組が合計27ポイントで最多得点。合計63ポイントとなり、4ラウンド目の出走を終えてランキング6位に浮上した。

 そしてランキングトップのヌービル組は土曜日を6番手で終え、スーパーサンデーで5位、パワーステージでトップタイムをマークして合計14ポイントを手にし、獲得ポイントを136に伸ばした。単独2位となったエバンス組は、土曜日を3番手で終え、スーパーサンデーで4位となって合計17ポイントを獲得。合計ポイントを121とし、首位ヌービルとの差を15ポイントに縮めている。

 そしてマニュファクチャラー選手権では、ヒョンデ・シェル・モービスWRTが311ポイント、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームが301ポイント、Mスポーツ・フォードWRTは156ポイントとなり、ヒョンデとトヨタの差は10ポイントに縮まった。

 WRC2クラスは、デイ2からクラス首位に立ったサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)の勢いは衰えることなく、ペースコントロールをしながら22.0秒のリードを保って第6戦ラリー・イタリア・サルディニアから続く2連勝を飾った。クラス2位には、最終日に一度は後退したもののふたたびポジションを取り戻したオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が続き、クラス3位には最終SSでライバルのパンクによって順位を上げたロベルト・ヴィルヴェス(シュコダ・ファビアRSラリー2)がつける表彰台となった。

 2024年WRCの次戦『ラリー・ラトビア』は、これまでERCヨーロッパ・ラリー選手権ではお馴染みの大会で、WRCイベントとしては初の開催となる。今大会同様に高速のグラベルラリーとなっており、今大会と同じかそれ以上にチャレンジングなラウンドになるだろう。2024年シーズン第8戦目となる『ラリー・ラトビア』は、7月18日(木)から21日(日)にかけて開催される予定だ。

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