とにかく地球にやさしく、をコンセプトに開発されていく最新EVたち。旧来のクルマ好きたちは未来の地球のためにと自分を納得させつつ、心のどこかで物足りなさを感じていたのもまた事実だ。
2021年9月、ミュンヘン国際オートショーでポルシェが公開したEVコンペティションコンセプト「ミッションR」が我々の度肝を抜いた。
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ボディやシートに再生可能素材を採用、しかしそのエコな車体から驚きの1088psを絞り出す『地球にやさしく、人には超刺激的』なポルシェ ミッションRを試乗レポート!
※本稿は2022年1月のものです
文/木村好宏/キムラ・オフィス、写真/ベストカー編集部、試乗/トーマス・ガイガー
初出:『ベストカー』2022年2月26日号
■実現性重視のコンセプト。性能は911 GT3カップカーと同等
2021年9月のミュンヘン国際オートショーで公開されたEVコンペティションコンセプト、ポルシェ『ミッションR』
昨年9月のミュンヘン国際オートショーでポルシェが公開したEVコンペティションコンセプト「ミッションR」は会場では高嶺の花、まさにドリームカー的な存在だった。
ポルシェは11月に開催されたLAオートショーにもミッションRを持ち込み、アメリカンデビューを果たしたが、なんとその直前に数名のジャーナリストをLA郊外にあるポルシェ・エクスペリエンス・センターでのトラックテストに招待したのだ。
外気温摂氏14度、晴れ渡った晩秋の空の下に現われた全長4.32m、全幅1.99m、高さ1.19mとケイマン並みにコンパクトでフラットなマシンには、左右のフェンダー、4灯のLEDドライビングライト、そして車幅一杯に伸びたテールライトなど、ポルシェのデザインアイコンが各部に見られる。
とりわけ目立つスワンネックタイプのリアウィングは、F1に採用されているDRS(ドラッグ・リダクション・システム)も装備されている。
■ボディやシートに再生可能素材を使って製造段階で二酸化炭素を低減
レースマシンコンセプトということで、コックピットはスパルタンさと近未来感が同居する。当然ペダルはオルガン式を採用
非常に狭いキャビンに乗り込むとフルハーネスのベルトで締め上げられるが、頭上のパノラマルーフがキャビンを開放的な雰囲気にしてくれる。後方視界は絶望的だが、リアビューカメラによって安全確認することが可能だ。
X字型ルーフを含むカーボン強化プラスチック構造材を採用することによってロールバーは装備されていない。しかし、このセーフティソリューションはまだFIAの認可待ちである。
ちなみにこのボディやシート構造に採用されている繊維はすべて再生可能な材料が採用されており、製造時点ですでに二酸化炭素低減を果たしている。
パワートレーンはフロントに320kW/435馬力、リアに480kW/653馬力の電気モーターが搭載され、システム最大出力(クオリファイモード)は800kW(1088馬力)、定格出力(レーシングモード)では500kW(680馬力)をそれぞれ発生する。
ダイナミック性能は0-100km/hの加速所要時間が2.5秒、最高速度はおよそ300km/h以上と発表されている。また搭載される82kWhの電池は900Vシステムによって340kWの充電性能が与えられ、およそ15分の充電時間で30分のトラック走行を可能にする。
■甲高い金属音を発して疾走する未来のレージングカー
試乗を担当したキムラ・オフィスのトーマス・ガイガー氏と比べると、このミッションRがいかにコンパクトなボディであるかがわかる
さて、固定式のシートに潜り込みドライブペダルを慎重に踏み込むと、甲高い金属音とともに未来のレーシングカーはスタートした。
重量が嵩む電池は、床下ではなくミドシップレーシングカーであればエンジンが搭載されている場所にあるため、レーシーなハンドリング性能に大いに貢献している。
ただしステアリングのミリ単位の動きでノーズが反応するので、ドライブペダルも電気モーターの特性を考え、細心の注意を払いながら操作することが必要だ。特にこのエクスペリエンス・センターのハンドリングコースはわずか2kmで狭く、ワンオフの高価なプロトタイプを振り回すには慎重にならざるを得ない。
しかし、試乗に際して技術プロジェクト担当のミヒャエル・ベア氏が説明したようにフィージビリティ(実現性)に重点を置いた開発の結果、ミッションRはワンオフモデルとは思えないほど確かなドライバビリティを見せてくれた。
バイワイヤで操作されるブレーキも踏力は要求されるが、確かでコントローラブルな制動力で安心してコーナーに飛び込むことができる。
残念ながら今回のテスト条件では存分に試すことはできなかったが、ポテンシャルとしては現行のGT3カップカーに充分対抗できるほどの実力を垣間見ることができた。
ミッションRは現状ではまだコンセプトで、噂されるようにこのまま将来718シリーズへ移行する可能性はない。
だが、将来的にはこの開発で試みられた技術要素が、量産車に反映されるはずだと前出のベア氏は語った。
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