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元王者ジロラミ完勝で選手権リード拡大。ホンダ陣営のFL5シビックRもワン・ツー達成/TCRヨーロッパ第5戦

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元王者ジロラミ完勝で選手権リード拡大。ホンダ陣営のFL5シビックRもワン・ツー達成/TCRヨーロッパ第5戦

 欧州のサマーブレイク明けとなる9月6~8日にチェコ共和国のブルノ・サーキットで争われた2024年TCRヨーロッパ・シリーズ第5戦は、今季もタイトル候補として選手権首位を行く2022年王者フランコ・ジロラミ(モンラウ・モータースポーツ/クプラ・レオンVZ TCR)が先行。予選でオーレリアン・コンテ(SPコンペティション/クプラ・レオンVZ TCR)を抑えポールポジションを獲得すると、そのままレース1を“ライト・トゥ・フラッグ”で制覇してみせる。

 続く日曜のレース2は、リバースポール発進を決めたレベンテ・ロソンツィ(ALMモータースポーツ/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、昨季の南米大陸王者でもある僚友イグナシオ・モンテネグロとともにワン・ツーフィニッシュを達成。一方で前日に活躍を演じたクプラ勢はペナルティに沈む展開となり、3位を譲り受けたはずのジロラミも表彰台を剥奪される結果となっている。

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 東欧圏での開催ということもあり、週末はTCRイースタン・ヨーロッパ併催となったシリーズ終盤の第5戦は、前戦ベルギーはスパ・フランコルシャンですべてのセッションをFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRに牛耳られた流れを一新するべく、予選から2台のクプラ・レオンVZ TCRが気を吐く展開に。

 最終Q2で2列目3番手に飛び込んだヴィクトル・アンダーソン(MA:GP/リンク&コー03 TCR)に対し、約0.8秒もの大差をつけるアタックを披露した元王者ジロラミが、コンテも0.4秒差で撃破して貴重なチャンピオンシップポイントの3点を付け加えた。

 そのまま現地14時を回ってスタートが切られたレース1は、先頭の2台が逃げる展開に対し予選4番手発進となった今季イースタン・ヨーロッパ登録の世界戦経験者、マット・オモラ(ヒョンデ・ヤニック・モータースポーツ/ヒョンデ・エラントラN TCR)が追う構図となる。

 この隊列は14周のチェッカーまで崩れることはなく、最終的に背後のコンテを2.616秒も突き放したジロラミがシリーズ通算7勝目をマーク。総合3位のオモラは自らのシリーズで勝利を飾った。

「とてもうれしいね。チームとクプラの皆におめでとうを言いたい」と喜びを語ったジロラミ。

「スタートは難しかった。最初の2周はプッシュして何度かディフェンスしたが、その後は少し差が開き始めた。ここからタイヤの劣化を管理し、レース終了時までタイヤを最高の状態に維持しておくことが唯一の課題になったよ」

「僕らにとっては素晴らしい結果で、素晴らしいポイントを獲得できた。でも明日こそが重要なので、そこで何ができるか見てみよう」

 明けた日曜のレース2は首位発進を決めたロソンツィの背後に、ティーンエイジャーのモンテネグロが浮上。ホンダ陣営がすぐさまワン・ツー体制を構築する。しかし後方集団で接触コースアウトの事故が発生し、ここでセーフティカー(SC)が介入する。

■リードを得たFL5シビックRが安泰のワン・ツー
 レース再開の5周目以降、フロントロウ発進だったバルトシュ・グロシェク(アディティス・レーシング/アウディRS3 LMS 2)以下、リンク&コーのアンダーソンやジョバンニ・スカマルディ(SPコンペティション/クプラ・レオンVZ TCR)らに対し、後方からコンテとジロラミが襲い掛かる。

 複数台が弾かれる肉弾戦を経て、終盤までに3番手を争うグロシェクとコンテに迫ったジロラミは、10周目にチャンスを得てスタジアムセクションに向かう途中で同門クプラのインにダイブ。ここでのポジション変動はならなかったが、今度はファイナルラップまで焦燥感に駆り立てられたコンテが動き、前方のアウディをハーフスピンに追い込み、結果的に3位でチェッカーを受ける。

 この接触劇に5秒加算ペナルティを課されたコンテに代わり、ジロラミが選手権リードをさらに拡大するポディウム獲得……かと思われたが、レース後にスチュワードは「1周目の終わりにSCの背後で追い越し行為」があったことを指摘し、元王者にも5秒加算のペナルティを宣告する。

 これでジロラミは3位から9位に落ち、代わってアンダーソンが3位を継承する結果に。一方、後続のバトルで猶予を得たFL5シビック・タイプR艦隊は、そのままのポジションでクルージングを決め、安泰のワン・ツーフィニッシュを飾ってみせた。

「スタートは最高だった。多少のホイールスピンはあったけど、僕の方が優勢だったからアウディに対して有利に動くことができた」と振り返った勝者ロソンツィ。

「オープニングラップの前半でアウディを抑えたら、すぐナチョ(モンテネグロの愛称)が僕の後ろにいた。SC明けのリスタートでもなんとか2秒の差をつけ、その後はタイヤをうまくコントロールしようとした。(ALMでは)我々は全員平等だ。誰もが互いに攻撃し合うことが許されている。速い者が勝つだけさ!」

 そんな僚友の言葉に対し、前戦スパでヨーロッパ・シリーズ初勝利を飾っているモンテネグロは「今日はセットアップを大幅に改良し、その改善には手応えがあった」と戦果を強調した。

「昨日はペースから2秒遅れていたが、今日は1秒遅れになった。当然(補正重量の)30kgがあったし、レヴィ(ロソンツィの愛称)にはウエイトがなかったから、追いつくのが難しかったよ」と続けたモンテネグロ。

「終盤は後方から迫ってくる集団の方が速いことも理解していたし、ただ冷静にプレーしていた。基本的に彼らが僕のリヤバンパーに近づくまで、出口ではスロットルを踏むのを待っていたんだ。僕らはP5のマシンであり、それでP2を獲得したことには大きな意味がある。(最終戦の)バレンシアでは良いチャンスがあるし(ゲスト参戦で勝利した経験から)まるで僕のホームレースのようだ。何かが起きる必要があるが、まだ何が起こるか分からないよ」

 これで首位ジロラミが327点、同2位コンテが322点としたのに対し、ランキング3位につけるモンテネグロが296点まで差を詰めた2024年TCRヨーロッパ・シリーズ。迎える最終戦バレンシアは9月27日~29日に争われる。

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