amsジャパンは2月4日、amsが最近発表した3Dシステムを補完するCMOSグローバルシャッターセンサ(CGSS)近赤外線(NIR)画像センサであるCGSS130を発表した。
CGSS130は顔認識や決済確認をはじめとする3D光学センシング向けアプリケーションを、他の方式よりも大幅に低い消費電力で可能にする。バッテリー駆動のデバイスは、より高度なセンサ機能に対応しながらも、一回の充電でより長時間使用できるため、OEMにとっては強力な差別化要素となる。
amsのCGSS130センサは、現在市販されているほとんどの画像センサよりもNIR波長への感度が4倍高く、3Dセンシングシステムの超低消費電力の赤外線(IR)エミッタからの反射を安定して検出できる。IRエミッタは顔認識や他の3Dセンシングアプリケーションで最も電力を消費するため、CGSS130センサを使用することで、メーカーはモバイルデバイスのバッテリー駆動時間を延長することができる。さらにこのセンサは、超小型バッテリーで駆動されるウェアラブルデバイスなどの製品への顔認識機能の導入、また、感度の強化に伴い同じ消費電力で長距離の測定を実現できるため、顔認識以外の新たなアプリケーション分野も開拓できる。
amsのイメージセンサソリューション担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるステファン・キュラル氏(Stephane Curral)は、次のように述べている。「今年度初頭にSmartSens Technologyとamsの提携を発表しましたが、このたび電圧ベースのNIR強化グローバルシャッター画像センサ、CGSS130に基づく初の3Dアクティブステレオビジョン(ASV)のリファレンスデザインを発表できることを光栄に思います。この1.3MPスタックドBSIセンサは、940nmという波長において、最高の量子効率(QE)を提供しており、バッテリー駆動デバイスに最適です。3Dシステムの主要要素(イルミネーション、レシーバー、ソフトウェア)をすべて提供することで、amsはより優れたシステム性能を低コストで実現し、消費者へより素早く提供できるようになります」
amsの3Dセンシング製品ポートフォリオを拡張
CGSS130の開発は、高性能CMOS画像センサのグローバルサプライヤーであるSmartSens Technologyとの提携により加速された。amsの戦略的アプローチは、所有する3つの3Dセンシング技術であるASV、飛行時間(ToF)、ストラクチャードライト(SL)のポートフォリオをさらに拡大しつつ、より差別化された新製品群の市場投入時間を短縮すること。CGSS130の構成要素はこの戦略を反映しており、ASVシステム、eロック、室内スキャン、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)など、多彩なアプリケーションに対応する。
NIR画像センサを導入することで、amsがモバイル3Dセンシングに向け提供する以下の既存製品が補完される。
・ToF向けなど、フラッドエミッターのPMSIL製品群、およびSLやASV向けドットパターンプロジェクターのBelago製品群を含むNIR VCSELエミッター
・顔認識および顔照合ソフトウエア
・システムコストを低く抑え、決済、顔認識、AR/VRのアプリケーションでの高性能深度マップを提供するシステムにより、OEMの素早い市場導入を可能にするリファレンスデザイン
高性能を実現する最先端技術
CGSS130センサは、NIRの波長域940nmで最大40%、850nmで最大58%という高い量子効率を持っている。CGSSグローバルシャッター画像センサは、スタックドBSIプロセスで製造されていることにより、CGSS130のダイ面積わずか3.8mm×4.2mm、GSピクセルサイズ2.7umという、非常に小さな実装面積に収まっている。
本センサは、最高120フレーム/秒のフレームレートで1080H×1280Vの有効ピクセルアレイを持ったモノクロ画像を生成する。高フレームレートとグローバルシャッター動作は、ぶれやその他のモーションアーチファクトのない明瞭な画像を提供する。
センサは高ダイナミックレンジ(HDR)モードでも動作し、100dBを超えるダイナミックレンジを実現する。また、外部トリガ、ウィンドウイング、水平/垂直反転など、高度な機能も実装している。
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