中国企業から調達 最新の円筒形セル
BMWは、EV用の次世代リチウムイオンバッテリー「Gen6」の詳細を発表した。
【画像】BMW、次世代EVで飛躍なるか【現行のBMW i4やiX M60を写真で見る】 全69枚
2025年以降の次世代EV「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」シリーズに搭載予定で、現在使用されている角柱状のセルではなく、テスラが好んで使用している円筒形のセルを採用している。
BMWのエフィシェント・ダイナミクス担当のトーマス・アルブレヒトは、AUTOCARにこう語っている。「Gen6バッテリーは、現在のGen5よりも30%以上航続距離が伸びますが、1000km(620マイル)の航続距離を超えることはないでしょう。これほど長い航続距離は必要ないと考えています」
また、DC急速充電器の充電時間も最大30%改善される予定。つまり、Gen6時代のBMWは約270kWの超急速充電に対応する見通しだ。
さらに、バッテリーパックの重量も、ミッドレンジ仕様で約300kgのGen5よりも10~20%程度軽くなると推定される。
個々のセルは、直径46mm、高さ95mmまたは120mmの円筒形。中国のバッテリーメーカーであるCATL社とEVE社から供給されたもので、コバルトの使用量を減らす代わりにニッケルを増やしている。
セル形状の変更に伴い、バッテリーパックの設計も改められ、スリムで汎用性の高い「パック・トゥ・オープンボディ」の取り付けが可能になった。バッテリーがクルマの構造体と一体化したような形になっている。
BMWのバッテリーセル開発責任者であるマリー=テレーゼ・フォン・シュルビックは、次のように述べている。「この次世代バッテリーでは、セルの扱い方の柔軟性を高めることができます。車両全体の適応力も向上します」
また、バッテリーの寿命について、アルブレヒトは、「バッテリー寿命を保証するための法律が制定されつつあります。例えば、米国では10年後も80%以上のバッテリー性能を維持するよう求められます。Gen6はそれ以上の性能を発揮しています」と述べた。
リサイクル性も重視 環境負荷低減へ
新しいGen6バッテリーの生産のため、BMWはカナダ、中国、欧州、メキシコ、米国に6つのバッテリー工場を新設する計画である。既存の自動車生産施設の近くに配置され、輸送の必要性を軽減する。
BMWは、バッテリーの設計と製造プロセスの変更により、生産コストを約50%削減できると見積もっている。現在、バッテリーはEVの総コストの約40%を占めているため、大幅なコスト減につながりそうだ。
また、BMWの全施設およびサードパーティ・サプライヤーの施設において、完全に再生可能なエネルギーへの転換を進めるなどして、生産時に発生するCO2を60%削減すると言われている。
さらに、リサイクル性にも重点を置いている。フォン・シュルビックは次のように説明する。
「わたし達は、バッテリーに含まれる金属を循環的に使用することを目指しています。中国のあるメーカーと最初のクローズド・ループを達成することもできました。最終的には、バッテリーに含まれる貴金属のすべてではないにしても、そのほとんどをリサイクルで調達できるようになるでしょう」
Gen6バッテリーに関するより詳細な情報は、2024年以降に計画されているBMWの「バッテリー・カーボン・フットプリント宣言」で明らかにされる予定だ。
他のバッテリー技術については、否定も肯定もされていない。フォン・シュルビックは、「リン酸リチウムイオンバッテリーも研究してきましたが、セル単位のエネルギー密度がはるかに低いため、航続距離の短い車種にこの技術を使用する方が理にかなっています」としている。
Gen6バッテリーは、2025年の導入後、ロールス・ロイスからミニに至るまで、BMWグループの全ブランドで使用される見込みである。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「世界一高い」日本の自動車諸税、ついに変えられる? カギは「国民民主党」!? 躍進で状況一変のワケ
なぜ停止線の「めちゃ手前」で止まる? “スペース空け過ぎ”に「違反なの?」「正直ありがたい」「トラックのため」の声も! 「狭い道では助かる!?」謎の行為に反響集まる!
なぜアイドリングストップ“不採用車”が増えたのか? 各メーカーにその理由を聞いてみた。
レクサスの歴史的象徴「LS」が売れない3大要因と、次期型が“ふつうのセダン”にならない理由
「えぇぇぇぇ!」 「スマホ使ったら」最大罰金10万円!? 今日から「自転車」の罰則が変わった! 飲酒は最大50万円!? 貸した人も対象に
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
もうこの流れは変えられないだろうね。
ドイツもアメリカも企業はどんどん中国化。
中国がますます力つけるとか地球の危機だぞ。
少なくとも30年までにはこの種のバッテリーが主流になりそうですね。
どんどん距離が伸びて軽量化されるなら初期のEVは中古需要なくなり暴落するかな。