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「今日は7位からリカバリーするのが最大の目標だった」野尻智紀、3位表彰台での安堵と後半戦への懸念

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「今日は7位からリカバリーするのが最大の目標だった」野尻智紀、3位表彰台での安堵と後半戦への懸念

 2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権の第4戦富士。前日の予選では7番手に終わって、いつになく険しい表情をみせていた野尻智紀(TEAM MUGEN)だが、決勝レースは3位と優勝には届かなかったが、ポディウムに登場した時は満面を笑みで声援に応えていた。

 それだけ、彼にとって今回の“3位表彰台”は意味のあるものだったようだ。

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 直前の富士公式テストの段階から「トップを狙える速さはない」と話していた野尻。決勝日のフリー走行2回目もライバルと比べるとペースが上がっていない印象ではあったが、それなりに手応えは掴めていたという。

「みんながどういうタイヤを履いているのか分かりませんでしたが、僕たちはマイレージのいったタイヤを履いて走っていたので、1分26秒前半から入って26秒中盤くらいで(タイムが)収まっていたのを見ると『これくらいのペースであれば、スタートで前に出て、展開をしっかり作っていけば、もしかしたら上手くいくかなと思っていました」

今回、野尻が決めていたのは「7位からリカバリーすること」と「スタートで順位を上げて、ミニマム(10周目)でタイヤ交換をすること」だった。そのためにはスタートが重要だったなかで、フォーメーションラップ直前に5番グリッドの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、オルタネーターのトラブルで急きょマシンをガレージに戻すこととなり、野尻の目の前が開ける形となった。

「(太田)格之進選手がトラブルで走れなくなってしまって残念でしたが、そういった“運”みたいなものがあって、1コーナーまでクリアな状態でブレーキングに入れました。そういった位置取りが良くて、スタートで4番手まで上がることができました。あとはミニマムで入って、自分でレースを作っていくということは想定していたので、想定した通りの流れにできたと思います」と野尻。

 当初から決めていたという10周目にタイヤ交換を済ませて、ピット前は野尻の前を走っていた牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)に対してアンダーカットを成功させた。その後、大湯の先行を許すこととなり、終盤には福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が背後に迫ってきたが、しっかりとポジションを守って、3位でチェッカーを受けた。

 これで11ポイントを稼いで、合計47ポイントにした野尻。今回は牧野や岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が大量得点できなかったこともあり、ランキング首位をキープした。

「ここのレースはチャンピオン争いの行方を決める“大きな分岐点になる”と思っていました。その中で予選では7番手になってしまって、『これは、まずい……』という気持ちも大きかったですが、そこからしっかりと3位までリカバリーできました」と野尻。

「今回、富士で転んでしまうと次の富士(10月のダブルヘッダー)でも取り返しがつかないような事態になってしまうだろうと思っていたので、何としても良い順位でゴールしたかった。そういったところを踏まえても、ダメージを最小限にできたような1日だったのかなと思います」

「戦略面ではミニマムで入って、積極的に勝ちに行くレースをしていましたけど、その後に『ペースがない』と分かってからは、少し後ろ向きのレースになってしまったかもしれません。ダメージを最小限にするというのも、チャンピオンシップにおいては非常に大切なことですから、そこは自分自身でうまくバランスをとりながらレースができたと思います」と、2年連続でチャンピオンに輝いている経験が存分に活かされたレースだった。

 ただ、次戦以降については懸念材料が増えたとのこと。そのひとつが、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が今回勝ったことだ。

「個人的に『まずいな』と思っているのは、タイトルを争う上で一番のライバルになるであろう坪井選手が、こうして勝ち始めてしまったので、そこは本当に脅威です」と野尻。

 3位になったことはチャンピオン争いを考えるとポジティブだったと振り返る反面、優勝できなかった悔しさも感じている様子。「この悔しさを次は晴らさないといけないし、今回は予選が浮上だったので、その原因をしっかりと究明して次のもてぎで勝てるように頑張るしかないですね」と次戦に向けた意気込みを語った。


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