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「400メートルを約7秒で走破するEGシビックだと!?」シビックワゴンのパーツで4WD化! 心臓部は1400馬力のフルチューンK20!

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「400メートルを約7秒で走破するEGシビックだと!?」シビックワゴンのパーツで4WD化! 心臓部は1400馬力のフルチューンK20!

1400psのK20ターボを武器に目指すは史上初の6秒台突入!

4WD化でトラクション性能を極限まで向上

「400メートルを約7秒で走破するEGシビックだと!?」シビックワゴンのパーツで4WD化! 心臓部は1400馬力のフルチューンK20!

ドラッグレースが盛んなアメリカ東海岸において、ここ数年、改めて注目を浴びているのが、シビックやインテグラといったホンダ車だ。後輪駆動が大半を占めるドラッグレースにおいて、FF車が脚光を浴びることは少ない。

しかし、ホンダ車に限ってはB型やK型エンジンがパワーアップしやすいというアドバンテージもあり、事実上のワンメイクでありながら「FWD」という確固たるジャンルをドラッグシーンに築いているのだ。

ニュージャージー州にあるCLMモータースポーツも、ホンダ車を使ったドラッグレースで名を挙げた新進気鋭のプロチューナー。ショップオーナーのフェルナンド・クンハと、その親友であるスティーブン・オリベイラは、スティーブンが所有するEGシビックを「誰も見たことのないドラッグマシンに作り上げる」という夢を共有してきた。

そしてふたりは、その想いをシビックの4WD化というアイデアで具現化することとなる。エンジンはK20ターボへとスワップし、駆動力を後輪へと伝えるプロペラシャフト~リヤアクスルは、日本では「シビックシャトル」として販売されていた90年式シビックワゴンから流用した。それはかつてホンダが「リアルタイム4WD」と名付けたスタンバイ式4WDで、ビスカスカップリングの効果により前輪が空転したときに後輪へと駆動力が伝わる。ドラッグレースのスタートは前輪が浮くほど強烈な後ろ荷重となるため、安定性とトラクションを高める上で4WD化のメリットはものすごく大きい。

“AWD Civic”などで検索すれば、YouTubeでスティーブンの走りをチェックすることができるが、それを見るとシビックがまさに矢のように真っ直ぐ、そして怒涛の如くかっ飛んでいく様子がよく分かる。最高出力はなんと約1420ps! 最初は英語を聞き間違えたかと思ったが、全米トップクラスのB型/K型ドラッガーにとって、1000psオーバーはスタンダードなことだそうだ。

注目のエンジンは、プレシジョンの7685タービンで武装したK20に換装。フューエルレールを2連装した8インジェクター仕様へと変更中で、インテークはGato、エキマニはSheepyのカスタムメイドだ。当然ながらムービングパーツも強化しているが、クランクだけはK20のノーマルを使用。

そしてCR-Vから移植した5速MTの中身は、ドラッグレース用のPPGドグボックスに交換する。シビックワゴンから移植したペラシャは、レース中に脱落するのを防止する強化Uジョイントも装備。また、リヤアクスルの装着にともないトレーリングアームにも加工を施している。

エクステリアは、Exospeedの3ピースフロントエンドの他、大型のリヤウイングなどを装備。ボンネットから顔を覗かせるタービンとエキゾースト、リヤに装備されたパラシュートがドラッグマシンであることを物語る。見る角度で色味が変化する印象的なボディは、ラップスペシャリティーズのカスタムラッピングだ。

ホイールとタイヤは泣く子も黙るウェルドとミッキートンプソンの組み合わせ。ドラッグレースでは駆動側のタイヤだけを極端に太くするケースが多いが、こちらのシビックは4WDということでトレッドはフロントが9インチ、リヤが8インチと、ほとんど差がないところがユニーク。リヤはボディのラッピングに合わせたカスタムカラーが施されている。

カスタムロールケージに覆われた飾り気の一切ない室内には、K-TunedのシフターやCNCステージングブレーキ、Kirkeyのシートなど、ドラッグレースならではの装備品が備わる。剥き出しのハーネス類の側にモーテックM400が無造作に設置され、無骨さに拍車をかける。

ちなみに4WD化にはデメリットもある。重量の増加だ。現状の車重は約1180kgで、FFで走るより70kgほど重くなると言う。部品が増えれば壊れる可能性も高くなるわけで、さらにパワーを上げると純正部品であるリヤアクスル系がいつか音を上げることも考えられる。軽量化と弱点の洗い出しが今後の課題だ。

これまでのスティーブンの最速記録は7秒62。計時最高速は約302km/hだった。分かっている範囲でアメリカにおけるドラッグレースのシビック最速タイムは、スピード・ファクトリー・レーシングの7秒61(もちろんFF)。わずか0.01秒差である。だが、フェルナンドとスティーブンの目標は、もっとずっと先にあった。

「できれば1~2年の間に6秒台を実現したいんだ。6秒90とかね。希望的すぎるかもしれないけど、やれることはたくさんあるからがんばるよ!」と語るフェルナンドは、屈託のない笑顔を見せた。ゼロヨン6秒台のシビック! それを夢まぼろしと諦めてしまわない者にだけ、挑戦する資格が与えられる。

Photo:Akio HIRANO Text:Hideo KOBAYASHI

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