この記事をまとめると
■大人も魅了するプラモデルはファンが多い
1位は乗用車じゃなかった! お家時間で人気沸騰の「プラモデル」専門メーカーに聞くトップ5
■デコトラのプラモデルも人気カテゴリーの一角だ
■「デコプラ」の世界に迫る
32分の1スケールのデコプラにハマる大人たち
いま、プラモデルがアツい。そう聞くと子どもの世界の話のように感じられるかもしれないが、プラモデルというものは大人であっても酔狂させるもの。なかでもデコトラ愛好家たちの間では、とても根強い人気を誇っている。かくいう筆者も、中学生のころからデコトラのプラモデルを製作してきた。その歴史は、今年で50歳となった現在でも続いている。数年間のブランクはあったものの、いまでもデコトラのプラモデル、いわゆるデコプラに魅了され続けている。
自転車や実車のトラックを散々飾ってきたにもかかわらず、いまなお32分の1スケールのデコプラにハマってしまう理由とはなんなのだろうか。興味がない人からすれば子どもじみた趣味だと思われるかもしれないが、言葉では表せないほどの魅力が、デコプラには存在するのだ。
近年では、全国各地でデコプラのミーティングが開催されている。その参加者の大半が、当然のごとく立派なオトナである。純粋にデコトラが好きな人からデコトラオーナーにいたるまで、幅広い大人たちがデコプラの製作に励んでいる。
実車のデコトラを忠実に再現したものや、オリジナルで飾り上げたもの。楽しみ方は人それぞれであるが、ごつい手で細かな作業に励む姿は、想像しただけでも面白い。筆者も近眼と老眼に悩まされているのだが、それを差し置いてでも製作したいという衝動にかられてしまう。ここまでくると、デコプラには魅力ではなく、魔力が存在するのかもしれない。
実際に乗りたいと思う創造(架空)のデコトラをプラモデルで体現する人や、憧れの名車を自身の手で復元させる人。いずれの場合でも研ぎ澄まされたセンスと着眼点、そして技術力が要求されるのだが、デコプラのミーティングに参加してみると、そのクオリティの高さに驚かされてしまう。筆者が編集長を務めるデコトラ専門誌の取材でデコプラのミーティング会場を訪れたのだが、とんでもないほどの衝撃を受けた。
ミーティングでデコプラへの意識が高まった
そんなデコプラのミーティングを主催した方々は、筆者がデコプラを製作していることを知っていた。そのため、逆に「何台かもってきてほしい」と依頼されたのである。自信はないのだが、一応ふたつの作品を自動車に積み込み、「静岡ホビーショー2024」会場へと向かった。しかし、どう考えても展示できるようなシロモノではない。そのため一度会場の様子を見てからどうするか考えようと思い立ち、デコプラを車内に残したまま会場に足を踏み入れた。
そこに展示されていた作品たちを見た結果、自身の作品を展示するには至らなかったのである。自身が丹精込めて製作した作品が稚拙なものに思えてしまうほど、出展されている方々のデコプラのクオリティが高かったのだ。
その凄さに圧倒されて会場をあとにしたのだが、不思議と恥ずかしいとか情けないというマイナスな感情は芽生えてこなかった。ただ、この程度で展示して、満足しなくてよかったという思いがこみ上げてきた。優れた完成度を誇るデコプラたちから技術やアイディア、そしてデコプラの精神を全身で受け取り、今後の糧にしようと素直に思えたのだ。もちろん趣味の世界である以上、勝ち負けの問題ではない。ただ、心の底から励みとなったのである。
いま、トラック魂本誌ではそんなわたしのデコプラ企画を連載している。それは、「オレたちの作品を見ろ!」という高尚な理由で連載しているわけではない。ただ純粋に、デコプラに取り組む新規モデラーを刺激したいと考えたのだ。どんなレベルの人であっても、それなりの作品を作ることができる。だからこそ、デコトラ好きのみんなも挑戦してほしい。そして、デコプラの楽しさを知ってほしい。そんな思いで掲載しているのだ。
いま、空前の盛り上がりを見せているデコプラの世界。これからもトラック魂本誌やwebで優れた作品たちを紹介していきたい。そしてそれを機にデコプラにのめり込む人が増えることを期待したい。
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実車では成し得ないド派手なフルアート車から懐かしの姿まで、箱絵通りに作るのも良いし、付属部品の組合せや自作改造で思い描くトラックの姿を立体化していく時間も楽しい。