■最後の第二世代「R34型 スカイラインGT-R」はどんなクルマ?
日産が誇る第2世代「スカイラインGT-R」の最後を飾ったのは、1999年1月にデビューしたR34型です。
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ベースとなった10世代目の「スカイライン」は1998年5月に登場していますが、GT-Rはそれからおよそ8か月遅れての登場となり、それまではR33型が継続販売されていました。
先代型のR33型がグランドツーリングカー寄りになったことで批判を集めた反省から、R34型スカイラインGT-Rは全長やホイールベースを縮め、R33型と同様に1998年の東京オートサロンで正式発表。
発表と同時にも関わらず、いくつかのチューニングメーカーやショップからはGT-Rのデモカーが出品されるほどで、メーカーとショップが連携していたことがわかります。
搭載されたエンジンは引き続き「RB26DETT型」であり、最大出力も自主規制値いっぱいの280馬力でしたが、最大トルクはついに40.0kgf・mの大台に乗り、36.0kgf・mだったR32型からの進化を感じさせます。
組み合わされるトランスミッションは、ドイツのゲトラグ社と共同開発されたシリーズ初の6速MTで、駆動方式は標準車が電子制御トルクスプリット4WDのアテーサE-TS、「Vスペック」系にはアクティブLSD統合制御4WDのアテーサE-TSプロが採用されているのは先代モデルと同様です。
また、上位グレードとなるVスペックには、アドバンスドエアロシステムと呼ばれる、前後にディフューザー形状のエアロパーツが備わり、日本車としては初のマイナスリフトを実現。
このエアロパーツはオートクレーブ製法で形成されたカーボン製で、これも市販車としては初採用となる豪華なものでした。
進化の歩みを止めないR34型スカイラインGT-Rは、2000年8月発表のマイナーチェンジで、それまで「VスペックN1」のみに採用されていた大径リアブレーキを全グレードに採用したほか、Vスペックを「VスペックII」へアップデート。量産車として初めて、NACAダクト付きカーボン製エンジンフードを採用しています。
2001年5月には、大人の感性を刺激し、大人のこだわりをも満足させる、もうひとつのGT-Rをコンセプトに作り上げられた「Mスペック」が新たに登場。このグレードは、洗練された走行性能と乗り心地、質感の高いインテリアを実現していました。
サスペンションには路面の細かな凹凸により起こる微振幅高周波振動を抑制するリップルコントロールショックアブソーバーを採用し、VスペックIIとほぼ同等の走行性能を確保しながらしなやかな乗り心地を実現した、まさに大人のスポーツカーとなっていました。
内外装も、専用色のシリカブレスを用意したほか、専用の本革シートを装着し、GT-Rの新たな魅力を引き出したモデルとなっていました。
■最後の限定車は即完売! 中古車価格も高騰の一途
2002年1月に日産は、同年8月初旬をもってR34型スカイラインGT-Rの生産を終了することを宣言。それと同時に、「Mスペック ニュル」と「VスペックII ニュル」の2種類の限定車を1000台限定で発売することを発表します。
この2台の限定車には、N1仕様エンジンをベースとして、エンジン中心部品であるピストンやコンロッドを重量バランスの均一化を図った高精度バランス品とすることで、エンジン高回転域における爽快な回転フィーリングにより磨きをかけたスペシャルなエンジンを搭載。
ほかにもフルスケール300km/hの専用スピードメーターや専用色のミレニアムジェイドメタリックのボディカラーなどが設定され、なんと1000台が即日完売するほどの人気ぶりを見せたのでした。
そしてR34型スカイラインGT-Rは、当初のアナウンス通り、2002年8月で生産を終了。これはほかのスポーツカーと同じく、厳しさを増した排出ガス規制に対応することができなかったためといわれています。
そんなR34型スカイラインGT-Rは、ハリウッド映画「ワイルド・スピード X2」で主人公のブライアンの愛車として登場。一躍世界に存在を知られるモデルとなりました。
最後のスカイラインGT-Rということもあってか、現在では中古車価格が高騰の一途を辿っており、R34型スカイラインGT-Rの中古車は、安いものでも600万円から、高いものでは2000万円クラスと、新車価格を遥かに超える価格です。
ここまでの高騰ぶりを見ると、「あのとき無理してでも新車で買っておけばよかった」と後悔している人もいるのではないでしょうか。
※ ※ ※
2007年に登場した現行モデルのGT-R(R35型)は、スカイラインが取れて、単独の車種になりました。R34型までのスカイラインGT-Rとは異なるスーパースポーツに進化しましたが、いつの時代もGT-Rは、多くの人を引き付けるクルマとして語り継がれています。
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