現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:今季ベストリザルトも、僚友たちを怒らせたマゼピン

ここから本文です

英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:今季ベストリザルトも、僚友たちを怒らせたマゼピン

掲載 更新
英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:今季ベストリザルトも、僚友たちを怒らせたマゼピン

 2021年F1にデビューしたミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンは、ともにハースF1チームで初めてのシーズンを送っている。ふたりはどのように学び、つまずき、成長していくのか。キャラクターの異なるふたりのルーキーのデビューシーズンを、英国人ジャーナリスト、クリス・メッドランド氏が観察していく。今回は第6戦アゼルバイジャンGP編だ。

────────────────────────────

英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:自己過信でミス? シューマッハーが3000万円以上のクラッシュ

 アゼルバイジャンの週末をハースはとても良い結果で締めくくることができた。だが、日曜日の最後の数百メートルで、一歩間違えれば恐ろしい事故につながりかねない出来事も起き、チーム代表は事の収拾に当たらなければならなかった。

 ニキータ・マゼピンは、モナコではミック・シューマッハーのような大きなミスを犯すことなく、落ち着いてレースに取り組んでいたが、バクーでは少し以前の状態に戻ってしまったようだ。モナコで少し自信をつけたせいかもしれない。

 マゼピンはFP1で限界まで攻めた結果、ターン16でスピンしてバリアにぶつかり、リヤウイングを壊してしまった。

 FP1でのマゼピンには、マックス・フェルスタッペンをブロックして怒らせるという一件もあった。ハースのドライバーが他チームのドライバーの妨害をする問題が、今年何度も起きている。ドライバーがエンジニアの警告に従っているのかどうか、エンジニアが適切な警告を行っているのかどうかを含め、チーム内で話し合い、きちんと解決すべき時が来ているのではないか。

 マゼピンは、予選前にターン15の出口で壁にぶつかるというインシデントを起こした。ここは土曜にフェルスタッペンもクラッシュするなど、何人ものドライバーが事故を起こしている場所だが、マゼピンは無事にガレージに戻ることができた。

 一方のシューマッハーは比較的スムーズに週末を過ごし、予選でチームメイトよりいい成績を収めた。ハースにとって良かったのは、いくつかインシデントがあったにもかかわらず、マゼピンはシューマッハーから0.1秒以内の差で続いており、2台ともまずまずのパフォーマンスを見せていたことだろう。

 日曜に期待をかけていたであろうハースだが、レース終盤に起きた出来事が彼らを失望させる結果となった。

■大事故を引き起こしたかもしれないマゼピンの動き。チームは問題解決と強調
 序盤、マゼピンはターン4で直進してしまい、ランオフエリアから抜け出さなければならなかった。このミスはその後に大きく響いた。早い段階で周回遅れにされ、セーフティカー出動によって周回遅れを取り戻すことができたが、集団に追いつく前にレースが再開され、大きく遅れを取ることになったのだ。

 シューマッハーは順調に走行していたものの、ハースのマシンはウイリアムズには全く太刀打ちできず、自分自身のレースに集中して走るしかない状況だった。しかし終盤に赤旗中断となり、残り数周に向けて改めてレースが行われることになり、そこで戦うチャンスが訪れた。

 ターン1でルイス・ハミルトンが直進し、後退したため、ハースの2台がメルセデスに先行するという珍しい状況になった。ハースのふたりは残り2周、ハミルトンを抑えきるだけの速さを発揮してみせた。マゼピンはチームメイトを抜き去り、そのまま前の位置を守り切るかに思われた。しかしシューマッハーはスリップストリームを利用して完璧なタイミングで反撃に出た。

 そこで危険な出来事が起きた。マゼピンはシューマッハーをブロックしようと、直線で極端に遅いタイミングでステアリングを切った。そのため、ふたりは時速200マイルで衝突しそうになったのだ。シューマッハの左フロントタイヤは、チームメイトの右リヤタイヤから数センチしか離れていなかった。もし接触していたら、あのスピードでは大事故になっていたかもしれない。

「今のは何なんだ! 正気か? あいつ、僕たちを殺す気かよ!」 シューマッハーは無線で憤り、マゼピンに向かって怒りを示す仕草をした。

 レース直後、チーム関係者からは、マゼピンの行動を問題視している人々も多いと聞いたし、FIAレースディレクターのマイケル・マシも、この件について後日詳しく調査するという意向を示した。だが、チーム代表ギュンター・シュタイナーは、ドライバーふたりと話をし、この問題の収拾を図ったと主張している。

 ジョージ・ラッセルがリタイアし、ニコラス・ラティフィがペナルティを受けたため、ハースの2台は13位と14位という、今季ここまでベストの成績を上げた。その結果、コンストラクターズ選手権において、ハースはウイリアムズを抜いて9位に浮上。いくつかの問題がありつつも、ハースは最終的にはポジティブな結果を得て、第6戦を終えることになった。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【カナダ】日産が新型「ムラーノ」初公開! 4代目は“全幅1.98m”の「超ワイドボディ」&パワフルな「ターボ」搭載! 斬新「横一文字」テールライト採用で出展へ!
【カナダ】日産が新型「ムラーノ」初公開! 4代目は“全幅1.98m”の「超ワイドボディ」&パワフルな「ターボ」搭載! 斬新「横一文字」テールライト採用で出展へ!
くるまのニュース
816馬力を誇る“史上最強”のパフォーマンスモデル登場! メルセデスAMG「SL63 SEパフォーマンス」の価格は3350万円
816馬力を誇る“史上最強”のパフォーマンスモデル登場! メルセデスAMG「SL63 SEパフォーマンス」の価格は3350万円
VAGUE
爆発寸前!? SHOEIが「J-Cruise 3」に追加するNEWグラフィックモデル「INSPIRED」を公開
爆発寸前!? SHOEIが「J-Cruise 3」に追加するNEWグラフィックモデル「INSPIRED」を公開
バイクのニュース
角田裕毅のレッドブル昇格チャンスは潰えたわけではない? ホーナー代表「必要となれば彼に頼ることができると思う」
角田裕毅のレッドブル昇格チャンスは潰えたわけではない? ホーナー代表「必要となれば彼に頼ることができると思う」
motorsport.com 日本版
後で悔やんでも遅い! 愛犬とドライブ旅行を重ねる意味と理由【青山尚暉のわんダフルカーライフ】
後で悔やんでも遅い! 愛犬とドライブ旅行を重ねる意味と理由【青山尚暉のわんダフルカーライフ】
レスポンス
まじかよ!「頭文字D」大好きグリアジンが大黒ふ頭でS660モデューロXに電撃試乗!!
まじかよ!「頭文字D」大好きグリアジンが大黒ふ頭でS660モデューロXに電撃試乗!!
ベストカーWeb
マイナーチェンジしたフィアット・ドブロのスペシャルサイトが公開
マイナーチェンジしたフィアット・ドブロのスペシャルサイトが公開
カー・アンド・ドライバー
2025年は「百福トミカ」で運だめし!干支やダルマ描いた、めでたい6モデルで新年を祝う!
2025年は「百福トミカ」で運だめし!干支やダルマ描いた、めでたい6モデルで新年を祝う!
グーネット
年末年始は愛車もキレイに!ハックから清掃用カーグッズなど3種の新商品【動画あり】
年末年始は愛車もキレイに!ハックから清掃用カーグッズなど3種の新商品【動画あり】
グーネット
メルセデスAMG SLに「SL63S Eパフォーマンス」を追加。フロントにV8ツインターボ、リアにモーターを搭載したPHEV
メルセデスAMG SLに「SL63S Eパフォーマンス」を追加。フロントにV8ツインターボ、リアにモーターを搭載したPHEV
Webモーターマガジン
「ホンダと日産の経営統合」報道をめぐりSNS激震、「社風が水と油」など厳しい意見も
「ホンダと日産の経営統合」報道をめぐりSNS激震、「社風が水と油」など厳しい意見も
レスポンス
外環‐成田の最短路「北千葉道路」の計画が一歩前進! “起点JCT”から伸びる区間に動きアリ 今どうなってる?
外環‐成田の最短路「北千葉道路」の計画が一歩前進! “起点JCT”から伸びる区間に動きアリ 今どうなってる?
乗りものニュース
「120万円」以上安い! トヨタ新「“8人乗り”アルファード」に大反響! 「最上級モデルの“半額以下”はオトク」「カッコイイ」「黒内装ステキ」の声! 最廉価の「Xグレード」に熱視線!
「120万円」以上安い! トヨタ新「“8人乗り”アルファード」に大反響! 「最上級モデルの“半額以下”はオトク」「カッコイイ」「黒内装ステキ」の声! 最廉価の「Xグレード」に熱視線!
くるまのニュース
BMW「アートカー」をペイントした職人が手掛けたスペシャルな「M1」が存在した! オークションで約7700万円で落札された特別な1台を紹介します
BMW「アートカー」をペイントした職人が手掛けたスペシャルな「M1」が存在した! オークションで約7700万円で落札された特別な1台を紹介します
Auto Messe Web
2025年躍進の吉兆か? 鈴鹿テストで好タイム連発のスリーボンド三宅淳詞、かつてない感触に高揚「これぞスーパーフォーミュラだ」
2025年躍進の吉兆か? 鈴鹿テストで好タイム連発のスリーボンド三宅淳詞、かつてない感触に高揚「これぞスーパーフォーミュラだ」
motorsport.com 日本版
【このエリーゼなんぼ?】ロータスらしい軽量+俊敏なサスペンション+ミッドシップの「ロータス エリーゼ クラブレーサー」販売中!
【このエリーゼなんぼ?】ロータスらしい軽量+俊敏なサスペンション+ミッドシップの「ロータス エリーゼ クラブレーサー」販売中!
AutoBild Japan
【5年ぶりの開催】苗場スキー場のゲレンデをスバル車で駆け上がる体験 「スバル・ゲレンデタクシー2025」
【5年ぶりの開催】苗場スキー場のゲレンデをスバル車で駆け上がる体験 「スバル・ゲレンデタクシー2025」
AUTOCAR JAPAN
あの“スズキ”がアフターパーツのイベントへ初出展!「ユーザーの声を直接聞きたい」理由…DAMD PARTY 2024
あの“スズキ”がアフターパーツのイベントへ初出展!「ユーザーの声を直接聞きたい」理由…DAMD PARTY 2024
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村