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プロパイロット2.0は478万円……国産3メーカーミニバン対決 ハイコスパ先進支援システム搭載車はどれ?

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プロパイロット2.0は478万円……国産3メーカーミニバン対決 ハイコスパ先進支援システム搭載車はどれ?

 2022年1月にトヨタの「ノア/ヴォクシー」が、同年5月にホンダ「ステップワゴン」が、そして同年12月に日産「セレナ」が、それぞれ新型へとモデルチェンジをし、国内3大メーカーのミドルクラスミニバンの新たな対決が始まった。 ADASとコストからみたこのカテゴリーの覇者はどれだ?

文/吉川賢一、写真/ベストカーWeb編集部

プロパイロット2.0は478万円……国産3メーカーミニバン対決 ハイコスパ先進支援システム搭載車はどれ?

■基本のADASは付いていて当たり前、付加機能に注目を!!

ヴォクシー試乗中の筆者。ボックスタイプミニバン対決というものの、ついていて当たり前のADASは付加機能の部分が大事だと指摘する

 ADASについては、ノア/ヴォクシー、ステップワゴン、セレナなどのミドルクラスミニバンにもなれば、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、衝突軽減ブレーキなどは、もはやついていて当たり前の装備だ。メーカーによって名称は異なるが、基本的な機能はほとんど同じなので、ついていること自体が「有利」ではなく、どういった付加機能があるかが重要。

 付加機能を比較するため、まずは、この3台のADASを、「前方支援」「側方支援」「後方支援(駐車時)」の3つに分けてみた。以下で、それぞれの車両価格とともに、詳細をご紹介していこう。 

セレナ、ステップワゴン、ノア/ヴォクシーのADAS機能の一覧。似た機能が多く並ぶが、標準装備の中に他メーカーにはない光るアイテムがあると有利(●印は追加オプション、それ以外は標準装備)

■プロパイロット2.0を求めると、478万円が必要となる「セレナ」

プロパイロット2.0は最上級モデルとなるLUXIONのみの標準搭載設定となっている

 セレナは、ACCやレーンキープアシストなどを含む「プロパイロット」が、税込276万円のエントリーグレードを含めて全車標準装備となる。ただし、「ナビリンク付プロパイロット(地図情報をもとにコーナーで自動減速する機能)」にアップグレードするには50万円近いセットパッケージが必要であり、ハンズオフができる「プロパイロット2.0」は、最上級LUXION(479万円~)のみに標準搭載だ。

 プロパイロット2.0は、他メーカーが渋滞時のみのハンズオフにとどまっているなかでは、際立って優秀なADASではあるのだが、価格もダントツ高いため、コスパの面ではよいとはいえない。

 また、セレナは「360度セーフティアシスト(全方位運転支援システム)」を標準搭載。左右の死角や前後の死角にいるクルマも検知し、ドライバーへ通知する。ただし、「プロパイロット緊急停止支援システム(意識反応が得られない場合に自動停車)」や、「SOSコール(自動で緊急通報)」は、先ほどの50万円クラスのメーカーオプションを選択する必要がある。

■先進技術アイテムのお品書きが、いま一歩少ない「ステップワゴン」

ステップワゴンの場合、他メーカーではオプション設定されるヘッドアップディスプレイやリモートパーキングの設定自体オミットされているのが残念

 ステップワゴンも、ACCやレーンキープアシストを含む「ホンダセンシング」が税込299万円のエントリーグレードを含めて全車標準装備だ。渋滞時にステアリング操作をアシストする「トラフィックジャムアシスト(ハンズオフなし)」や、歩行者と衝突のおそれがある場合に音とディスプレイ表示で警告、車道方向へのステアリング操作を支援する「歩行者事故低減ステアリング」なども備わる。ただし、ハンズオフ機能は備わっていない。

 また、他メーカーではオプション設定のあるヘッドアップディスプレイやリモートパーキングも設定自体がなく、3車種のなかでは、技術投入量が一歩少ない状況だ。

 近い将来、ホンダは高速走行中のハンズオフを可能とする次世代のホンダセンシング360を投入予定としている。ステップワゴンなどの量販車への適用は、2024年以降の採用となるそうだが、できるだけ早いキャッチアップが求められるところだ。

■「欲しい」と思わせるADASを、コスパよく用意した「ノア/ヴォクシー」

ADASについても特にリモート操作の部分でコストパフォーマンスの優れているノアとヴォクシー

 ノア/ヴォクシーも、ACCやレーンキープアシストなどを含む「トヨタセーフティセンス」を税込267万円のエントリーグレードを含めて全車標準装備で、さらに「ドライバー異常時対応システム」も標準装備。この点はポイントが高い。

 また、渋滞走行中に一定条件下でハンズオフ走行が可能な「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」や、ドライバーが周囲の安全確認後、ウィンカーを操作するだけで、車線変更を手助けしてくれる「レーンチェンジアシスト」、車外からスマホの操作でクルマが駐車できる「アドバンストパーク(リモート機能付)」が、メーカーオプション「トヨタチームメイト」として14万円ほどで用意されている。特にリモート操作は、セレナでは50万円クラスのセットパッケージ、ステップワゴンでは設定すらなく、ノア/ヴォクシーのコスパのよさが光っている。

■ADASを極めているのはセレナだが、コスパを考えればノア/ヴォクがダントツ

筆者はADASを広めるコストパフォーマンスの高さではこのノア/ヴォクシーが断トツだと評価した

 以上をまとめると、高速道路上の全車速でのハンズオフが可能なセレナのプロパイロット2.0は、この3車種で最も先を行くシステムであり、「ADASを極める」方向に強いのはセレナだといえる。

 ただ、478万円という車両価格は、ノア/ヴォクシー(エントリーグレード)の1.8倍であり、ミドルクラスミニバンとしては異常に高く、ユーザーとしてもなかなか選びづらいモデル。「ナビリンク付きプロパイロット」の50万円近いセットパッケージも、なかなか勇気のいる価格設定だ。

 そんななかで、ノア/ヴォクシーはエントリーグレードの価格ももっとも安く、10万円台のオプションで、渋滞時ハンズオフや自動レーンチェンジ、アドバンスドパークが付くトヨタチームメイトまでも備えられる。コスパのよさは、もはやダントツであり、「ADASを広める」方向に強いのは、このノア/ヴォクシーだといえる。

 一方、ステップワゴンはエントリーグレードの価格も3車種で最も高く、ADASでも攻め切れていない。もちろん、ADASと価格だけではクルマのよさを語ることはできず、人気にも直結しているともかぎらないのだが、ステップワゴンは、あと一歩、「わかりやすい強み」が欲しいところだ。

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みんなのコメント

40件
  • 渋滞の時に前の車に勝手に付いていくだけでいい。
    高速のハンズフリーはいらない。
  • 90VOXYに乗ってるけど、渋滞支援なんてギクシャク感がありすぎて一回使って懲りた・・・
    オートクルーズも失速して設定速度まで怖いぐらい加速するしブレーキなんかも急ブレーキだし・・・
    スムーズさは全く感じない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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