同クラスでは他にない7シーター・レイアウト
メルセデス・ベンツの純EV、SUVのEQCやサルーンのEQSと同じく、コンパクトSUVのEQBも内燃エンジンを載せたGLBに似ている。ボディの見た目も、インテリアも。実際、プラットフォームも共有している。
【画像】7シーターの純EV メルセデス・ベンツEQB 欧州で競合するSUVと比較 全137枚
この手法に親近感を覚えるか、刺激が足りないと感じるか、受け止め方は分かれそうだ。たとえ刺激不足だとしても、その仕上がりに訴求力があることは確かだが。
そもそもGLBは7シーターも選択できる、人気のコンパクトSUV。このEQBをライバルから際立たせているのが、同じく3列目も指定できるシートレイアウトにある。
このクラスの純EVは、アウディQ4 eトロンにBMW iX3、フォード・マスタング・マッハE、フォルクスワーゲンID. 4、ボルボXC40 リチャージなど混戦模様となってきた。だが、3列シートを選べるモデルは他にない。
EQBは、動力性能でもライバルに引けを取らない。フロア下に容量66.5kWhの駆動用バッテリーが敷かれ、前後に駆動用モーターが搭載される。
リア側は強力な同期モーターで、メインの動力源となるだけでなく、回生ブレーキでも活躍。フロント側にも小型の非同期モーターが載り、四輪駆動を実現できている。
システム総合での最高出力と最大トルクは、トップグレードのEQB 350 4マテックで292psと52.8kg-m。ひとつ下のEQB 300 4マテックでも258psと39.7kg-mが与えられている。
EQB 350の0-100km/h加速は6.0秒と鋭い。発進加速ではホンダ・シビック・タイプRなどに食い下がることも可能だといえる。
物足りない航続距離と急速充電能力
一方で、航続距離は413kmとやや物足りない。マスタング・マッハE AWDのエクステンドレンジ版ならEQB 350より安い上に、航続距離は539kmと、一度の充電で100km以上遠くへ走れる。アウディやBMWの競合モデルも、より遠くまで到達できる。
急速充電能力も、プレミアムブランドとしてはやや見劣りする。最大100kWまで対応するものの、多くのライバルは150kWが主流。ヒュンダイのアイオニック5なら、350kWにまで対応できる。
まだ英国には100kW以上の急速充電器は少ないももの、今後増えていくはず。長時間充電ステーションに停めておくのは、あまり気持ちいいものではない。とはいえ、EQBも10%の残量から80%まで、最短30分ほどで充電は可能だという。
今回試乗したEQBは、英国でのリリースを記念したエディション1。フル装備にオプション満載で、20インチのゴールド・ホイールとスポーティなボディトリムで着飾っていた。
エディション1の後に、通常のグレードが提供予定。AMGラインかAMGライン・プレミアムが選択でき、英国ではEQB 300 4マテックの場合は前者で5万2145ポンド(約792万円)から、後者で5万5145ポンド(約838万円)からとなる。
MGライン・プレミアムを選ぶと、19インチ・ホイールが選択肢に加わり、パノラミック・ガラスサンルーフにワイヤレス・スマートフォン充電機能など、装備も充実。カバーの掛かったフロントグリルと、スリムなテールライトは共通だ。
良好なレスポンスと視界で運転しやすい
EQBを発進させてみると、印象が薄いものの、とても滑らかに加速していく。7シーターの電動SUVに求めるものとして、まったく不満は感じないだろう。
ドライバーが得られる充足感では、やはりマスタング・マッハEの方が勝る。感触の良いステアリング・フィールで操る楽しさがあるし、シャシーバランスも良好。日常的に味わえるクルマとの一体感という点で、より考えられているように思う。
それでも、EQBの操作に対するレスポンスは良好で、運転はしやすい。ひたひたと路面を掴んで進んでくれる。運転姿勢は起き気味のコマンドポジションだから、視界も優れる。
車両前方の交通状態や交差点の有無などを判断し、予測的に回生ブレーキの強さを制御するシステムも効果的。良く機能し、速度制御をしやすいと感じた。ステアリングホイールにパドルが付き、回生ブレーキの強さを手動で調整することも可能だ。
一方で、完全な惰性走行は選べない。多くのドライバーが求めるものだと思うのだが。
サスペンションのダンパーは、2段階に減衰力を調整できる。ソフトな方を選ぶと、長周期での穏やかな乗り心地に浸れるが、ホイールの動きには少し粗さもある様子。舗装が荒れた区間では、少し振動が目立ってしまう。
メルセデス・ベンツには、もう少し上の洗練性を期待するはず。エディション1が履く20インチ・ホイールが足を引っ張っているのだと思うものの、同社のEQB以外の純EVでも感取されたものだから、MFAプラットフォーム固有の弱点なのかもしれない。
最大の強みは7シーターという実用性
インテリアはラグジュアリーで居心地が良い。素材の肌触りも心地良い。大きなタッチモニターには、目的地に到着した時点でのバッテリーの予想残量など、純EVならではの情報も表示してくれる。
車内空間は、2列目シートのフロアが少し持ち上げられている。足もと空間は広い反面、座面が少し低く感じられてしまう。フロントシートの座り心地は、長距離でも疲れ知らずのCクラスには届いていない。ライバルと座り比べてみると良いだろう。
EQB最大の強みは、7シーターというレイアウトにあるといえそうだ。それ以外の実力は、このクラスの純EV SUVとしては平均点程度。航続距離は物足りないし、コストパフォーマンスも高いとはいえない。
プレミアムブランドのメルセデス・ベンツとして、平均点では納得できないというユーザーもいると思う。だが、補助席的だとしても3列目のシートを重要視するなら、EQBを選んで後悔することはないだろう。
メルセデス・ベンツEQB 350 4マテック(欧州仕様)のスペック
英国価格:5万3645ポンド(約815万円)
全長:4684mm
全幅:1834mm
全高:1667mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:6.0秒
航続距離:413km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2030kg
パワートレイン:AC同期モーター+AC非同期モーター
バッテリー:66.5kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:292ps(システム総合)
最大トルク:52.8kg-m(システム総合)
ギアボックス:−
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