FIA F2の第11戦モンツァラウンドのフィーチャーレースが行なわれ、最後尾からスタートしたガブリエル・ボルトレト(インヴィクタ)がまさかまさかの大逆転優勝を手にした。宮田莉朋(ローディン)は14位だった。
このフィーチャーレースは、波乱のスタートとなった。ポールポジションのゼイン・マローニ(ローディン)は首位を守ったものの、3番グリッドからスタートしてマローニ攻略を狙っていたポール・アーロン(ハイテック)に、7番グリッドからスタートし順位を上げていたジョセップ・マリア・マルティ(カンポス)が追突。アーロンはここでレースを終えることとなり、早速セーフティカー出動となった。
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またデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)もこの事故の煽りをくらいパンク。タイヤ交換を強いられた。
3周目からレースは再開。先頭マローニの後方には、オリバー・ベアマン、アンドレア・キミ・アントネッリとプレマの2台が続く形となった。ハジャーはその後方まで順位を下げたが、5周目のターン1へのブレーキングで、ジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)にオーバーテイクされ、5番手に落ちた。
デュルクセンはペースが良く、プレマ2台を追い、6周目にはアントネッリをオーバーテイク。ベアマンとの差を縮めにかかった。
そんなタイミングでベアマンが最少周回数でピットイン。スーパーソフトタイヤからミディアムタイヤへと交換した。これを受けて首位マロニーやデュルクセン、ハジャー、アントネッリも、翌周ピットインしてタイヤを換えた。
ただ、ここでハウガーがターン1でストップし、セーフティカー出動。タイヤ交換を遅らせていたドライバーにとっては絶好のタイミングだった。なおこのハウガーのストップの原因は、宮田莉朋(ローディン)が追突したため。これで宮田には10秒のタイム加算ペナルティが科された。
結局、最後尾からスタートしたボルトレトがタイヤ交換を済ませたドライバーの中で首位に浮上し、リチャード・フェルシュホー(トライデント)が2番手。マロニーは実質的3番手となった。ただこの時点では、ミディアムタイヤを履いてスタートしたドライバー5人が、タイヤ交換義務を消化していなかった。
11周目からレース再開。これがF2初戦のオリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ)が、まだタイヤを換えていない状況ながら先頭を快走した。ただ後方からはクシュ・マイニ(インヴィクタ)がプレッシャーをかけ、13周目には首位が入れ替わった。
そのマイニには、タイヤ交換を済ませているボルトレトが襲いかかり、15周目にオーバーテイク。ついに首位に立った。
レース中盤の見どころは、F1昇格が決まったプレマのふたりの戦いだった。ベアマンはアントネッリを抑え続けていたが、結局24周目のターン1でアントネッリがアウト側からオーバーテイク完了。これで実質的5番手に上がった。
ただこのF1昇格組ふたりを翻弄したのはデュルクセン。このデュルクセンも、アントネッリと同じようにF3を飛び級し、フォーミュラ・リージョナルから今年F2にやってきたドライバーだ。このデュルクセンはプレマのふたりを難なくオーバーテイクすると、さらに前を行くヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)に狙いを定めた。しかし行き場なくコースオフ……アントネッリに抜き返されてしまった。
ボルトレトは、最後尾スタートながらセーフティカーを味方につけ、なんと全車を交わしてトップチェッカー。今季2勝目を挙げた。2位にはマローニ、3位にはボルトレトと同じくセーフティカーのタイミングに後押しを受けたフェルシュホーが入った。
アントネッリがデュルクセンの猛攻を凌ぎ切って4位。宮田は9番手でフィニッシュしたが、前述の10秒のタイム加算に加え、5秒のタイム加算ペナルティも受け、結局14位となった。
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