アルファタウリの角田裕毅は、2023年のシーズン前半をいい形で終えたが、フィジカル的にも最高の形で3年目のF1を戦うことができているという。
角田はマシンの競争力が厳しい中でも、素晴らしいパフォーマンスを発揮。最高成績は10位となっているものの、各レースで奮闘し3度の入賞を果たしている。
■”友人”で相棒。パフォーマンス・コーチのイタリアーノから見たF1ドライバー、角田裕毅の姿
難しいレースを戦い切るためにはフィジカル面での充実も不可欠だが、今季からパフォーマンス・コーチとなったミハエル・イタリアーノと共にトレーニングを重ねてきたこともあって、その面でもキャリア最高の状態にあるようだ。
イタリアーノと前任であるノエル・キャロルの違いについて訊かれた角田は、次のようにmotorsport.comに語った。
「アプローチは違うけど、ふたりとも厳しくプッシュしてくれました。ノエルの時も、彼がいなかったら自分のフィットネスレベルを向上させることはできませんでした。彼なしには、この2年間F1で成果を挙げることはできませんでした」
「ミハエルの場合は、アプローチやトレーニングの仕方が違います。彼のトレーニングは一歩、違った視点を与えてくれます」
「今季これまでのところ、自分のフィジカルレベルには満足しています。彼は間違いなくとても良い仕事をしてくれています。レース中に疲れを感じることもまったくないので、適切な方向性なんだと思います」
イタリアーノは昨年のアブダビで角田と初めて顔を合わせたが、オフシーズンにドバイで行なわれたトレーニングキャンプまでの1ヵ月間、キャロルから引き継ぎを受けたのだという。
「アブダビから1ヵ月間、ノエルが私のために引き継ぎをしてくれた。そこでノエルは、ユウキと一緒に行なうトレーニングや、ユウキが食べるものを送ってくれた。レース週末のスケジュールや、彼のスケジュール、レースに向けたウォームアップも教えてくれた。だから私はすべてを把握していた」
そうイタリアーノはmotorsport.comのインタビューに答えた。
「毎年、彼はオーストリアのレッドブル・アスレチック・パフォーマンス・センターに行っていた。その結果を送ってくれたので、ユウキの基準値がどのレベルにあるのかがわかった。様々なことを達成するために必要な最低ラインはこれだ、ということがわかったんだ。だから、盲目的だったわけではない。彼のことはよく知っていた。彼の弱点がどこにあるかも知っていた。だから、ドバイに向けてどうプログラムを組めばいいのかがわかっていたんだ」
特にF1デビュー直後は、レース中に疲れを感じることもあったという角田。しかし1年目からその弱点に対し、改善を進めてきたと彼は話す。
「特に最初の年はそうでした。それは僕の限界のひとつでした。でも1年目の後半、自分のフィジカル面での準備不足を認識し始めてすぐに、それをノエルに話してトレーニングを改善してきました。すでに昨年から体力的な面ではどんどん良くなり、レースでそれほど苦労はしなくなりました」
「3年目の今年は、また違ったアプローチをとりました。例えばトレーニングキャンプでは、シーズン開幕から2週間トレーニングだけに集中しました。特に首のトレーニング方法は、ノエルとイタリアーノではまったく違っていて、今のところうまくいっています」
「ノエルと取り組んで良くなりましたし、ミハエルともこれまでのところとても良いパフォーマンスが出せています」
イタリアーノは真摯にトレーニングに取り組む角田に、トレーニング嫌いだとは思わないとコメントしていたが、角田は好きではないとハッキリ口にした。
「まだトレーニングは好きではないけれど、F1でのパフォーマンスにとって本当に重要なことなんだと感じ始めたんです。そしてトレーニングプログラムを改善し始めるとすぐに、僕は向上することができましたし、同時にトレーニングの重要性を再確認することができました」
「だからミハエルのおかげというわけではなくて、ノエルと一緒にやってきて変わったんです。でも、ミハエルのトレーニング量はノエル以上だと思うから……」
「今がモータースポーツキャリアの中でキャリアの中でベストな状態だと思います。トレーニングは今でも好きじゃないし、器具やジムの匂いも嫌いですが、考え方が変わっただけです。トレーニングがいかに重要か分かっていますからね」
「トレーニングに力を入れなければ、レースで苦労するのは目に見えているので、本番のためにやっています」
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金太郎さんみたい(笑