アストンマーティンは、新型Vantage GT3がニュルブルクリンクでのADACラベノール24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)に初出場することを発表した。
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英国のウルトラ・ラグジュアリー・スポーツカーのメーカーであるアストンマーティンは、60年以上にわたりニュルブルクリンクにおける勝利の伝統を継承してきた。1950年代後半には、トニー・ブルックス選手(英国)、サー・スターリング・モス選手(英国)、サー・ジャック・ブラバム選手(オーストラリア)といったグランプリの名だたるレジェンドたちが、1000kmレースのアストンマーティン3年連続優勝に貢献。
中でも1959年の優勝はアストンマーティンのスポーツカー世界選手権タイトル獲得へとつながった。同年、アストンマーティンは、かの有名なDBR1のル・マン24時間総合優勝も果たしている。ル・マン24時間レースは今年92回目を迎え、6月15日から16日にかけてフランスにて開催される。
さらに2000年代半ばにスポーツカー・レースに復帰して以来、アストンマーティンは、ワークスチームで出場するGTカーでも、最高の信頼を置くパートナーチームとの参戦でも、ニュルブルクリンク24時間レースで常に存在感を示してきた。2006年以降は、Vantageのこれまでの各モデルで10回ものクラス優勝と25回を超える表彰台を獲得している。
そしてアストンマーティンは、今年、耐久レースの中でも最も重要で名声の高い3つのレースが相次いで開催される6月に、この2つの有名なイベントと月末のクラウドストライク・スパ24時間レースに新型アストンマーティンVantage GT3で挑むことになる。
アストンマーティンは、極めて強力なチームWalkenhorst Motorsportと組み、2022年にVantageがニュルブルクリンク24時間レースの夜間に首位を守ったときと同様に、英国のマニュファクチャラーとして初優勝を狙う。このWalkenhorst Motorsportは、2018年スパ・フランコルシャン24時間レース、2023年アジアン・ル・マン・シリーズと優勝を収めているドイツのチームで、今回3台のVantage GT3でSP9 PRO、PRO-AM、AMの3つのクラスに出場する。
SP9 PROに出場する34号車のVantage GT3には、ワークスドライバーでニュルブルクリンク24時間リース現チャンピオンであり、ノルドシュライフェのスペシャリストとして名高いデビッド・ピタード選手(英国)と、アストンマーティン歴が長くFIA世界耐久選手権GTクラスのチャンピオンに2度輝いているニッキ・ティーム選手(デンマーク)が乗る。この2人に、クリスチャン・クログネス選手(ノルウェー)とクバ・ギエルマジアック選手(ポーランド)が加わる。
デビッド・ピタード選手は、以下のように語っている。
「ニュルブルクリンクでは何が起きるかわかりません。非常に挑戦的なイベントです。トラックを走る台数がかなり多く、気象条件の変化やサーキットの過酷な性格を考えると、ドライバーにとっては究極のトラックです。新型Vantageは今年のこれまでの出場先で常に素晴らしいペースを発揮し、ドライバーは確かな自信を持って走ることができますが、それはまさにノルドシュライフェでこそ必要になります。とはいえ、あまりにも予想が難しいレースで、運よく、トラブルに巻き込まれることがなければ、先頭集団に入ることができると思いたいところです。アストンマーティンのドライバーとして表彰台に立てたら本当に素晴らしいと思います」
PROsport Racingも、ニコ・バスティアン選手(ドイツ)、マレク・ベックマン選手(ドイツ)、フーゴ・ザッセ選手(ドイツ)、ベン・グリーン選手(英国)が乗る先代Vantage GT3でSP9 PRO-AMクラスに出場するほか、SP10クラスに2台、SP8Tカテゴリーに1台のVantage GT4が出場する。2022年にSP8Tクラス優勝を果たしたDörr Motorsportは、Vantage GT4で再び同クラスに挑むと同時に、SP10にも1台を投入する。
アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者のアダム・カーター氏は、次のように述べている。
「ニュルブルクリンク24時間レースは、これまでずっとアストンマーティン・ファンの皆様の心の中で特別な場所を占めてきました。レース面でも、技術的にも人的にも、とてつもなく大きな挑戦を突き付けられますが、それこそが耐久レースを特別なものにするすべてを表しています。それは勝つことが極めて難しい理由でもあり、どのクラスにあっても一つ一つの勝利が極めて特別な功績となるのもそのためです。
新型Vantage GT3は2024年に出場したレースのすべてで競争力を発揮していますし、それは今週末も変わらないと考えています。ですが私たち全員が知っているように、ニュルブルクリンクでは膨大な数の要素がうまくそろわないと成功はかないません。Walkenhorst Motorsport、Dörr Motorsport、PROsport Racingと、私たちにはこれらの要素をうまく働かせるためにはどうしたらよいのかをよく理解している3つのパートナーチームがあります。彼ら全員の幸運を祈り、レースの展開を見守りたいと思います」
大活躍するVantage GT4
アストンマーティンは、2006年にニュルブルクリンク24時間レースに初参戦。出場したのは、ほぼ標準仕様のV8のVantageで、それが爆発的な成功を収めたGT4の土台となった。以来、アストンマーティンは、注目に値する数多くの成功をクラスで収めてきた。2018年には、SP9Tクラスのマキシム・マルタン選手(ベルギー)、ティーム、ダレン・ターナー選手(英国)、マルコ・ソーレンセン選手(デンマーク)が、大雨の中で最終盤まで総合上位を守り、V12 Vantage GT3最後のレースを総合4位でフィニッシュ。これは今もなお、アストンマーティンのニュルブルクリンク24時間のベスト・フィニッシュとなっている。
なお近年では、Vantage GT4が大活躍を見せている。先代(2024年のレースには7台が出場)は、2019年にジェイミー・チャドウィック選手(英国)、アレックス・ブランドル選手(英国)、ピーター・ケイト選手(英国)がSP8Tクラスの優勝を勝ち取った。2020年には、Garage 59がワークスドライバーのジョニー・アダム選手(英国)、アレクサンダー・ウェスト選手(スウェーデン)、クリス・グッドウィン選手(英国)、ターナー選手が乗るアップグレード版GT8Rで、同クラス3位入賞を果たした。
アストンマーティンの最近のクラス優勝は2022年で、Dörr Motorsportが初のアストンマーティン車となるVantage GT4で、SP8Tクラスのワンツーフィニッシュを決めた。Dörr MotorsportはSP10でも2位のPROsportのVantage GT4に続き3位に入った。これはニュルブルクリンクを拠点とする同チームにとって、今でも過去最高の成績となっている。
現在、アストンマーティンが誇る新型Vantage GT3チャレンジャーは、ヨーロッパ、アジア、米国のFIA世界耐久選手権、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、ファナテックGTワールドチャレンジの各シリーズ、さらには日本のSUPER GTなど、10以上の重要なGTシリーズで25台が活躍。この数字は、競技初シーズンが終わるまでに少なくとも35台に増えると予想されている。
この数々の世界選手権を勝ち取ってきた歴代モデルの後継であり、ウルトラ・ラグジュアリーな新型ロードカーのVantageと同じ機械的アーキテクチャを採用する新型Vantage GT3は、今年2月に初公開された。Vantage GT3は、アストンマーティンの実績ある接着アルミシャシーを中心に組み立てられ、迫力の4.0リッターV8ツインターボエンジンを動力源としている。ノーズからテールまで一新された感動的なエアロダイナミクス、全面的に見直されたサスペンション、最先端のエレクトロニクスが、このアストンマーティンの最新世代のGTカーに世界最強のポテンシャルをもたらしている。
関連情報:https://www.astonmartin.com/ja/
構成/土屋嘉久
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