■最新の技術が投入された旧車たち
数年ほど前から、1980年代から1990年代に生産された、いわゆる旧車と呼ばれるクルマの人気が高くなっています。
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しかし、故障が多くて維持費が高い、走行性能や快適性が現在のクルマに劣るなどの理由で、欲しいけど諦めてしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで、最新のテクノロジーで作られた旧車を3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「N600 Powered by VFR800」
1960年代後半、ホンダが本格的に4輪自動車の製造を始めたころに主力だったクルマは、スポーツカーの「Sシリーズ」や商用車でした。
そこで、さらなるユーザー獲得のために、1967年から軽自動車の「N360」の生産を開始。安価で高性能なクルマとして大ヒットし、軽自動車の勢力図を塗り替えます。
その後、ホンダはN360をベースに排気量を拡大した「N600」を開発。1969年にハワイで発売後、1970年からはアメリカ本土でも販売されました。このN600を改造して作られたのが「N600 Powered by VFR800」です。
エンジンは、ホンダのオートバイである「VFR800」の800ccV型4気筒をフロントに搭載。
ユニークなのが、エンジンと共にガソリンタンクがエンジンルームに収まっていることで、ベース車はFFですがFR化されています。
出力などのスペックは明らかにされていませんが、VFR800の日本仕様(2017年モデル)が最高出力107馬力を発揮するため、かなりの高性能車であることは間違いありません。
なお、この車両は2019年のカスタムカーショー「SEMA SHOW」のホンダブースに展示されました。
●アキュラ「スーパーハンドリングSLX」
ホンダが主に北米で展開している高級車ブランドのアキュラは、1986年に始まりました。
当時、アキュラブランドで販売されていたのは「レジェンド」と「インテグラ」で、後に「NSX」が加わり、現在ではアキュラ独自のモデルも追加されています。
そして、1996年にはアキュラ初のSUVである「SLX」を発売。いすゞからOEM供給された「ビッグホーン」と同型のモデルで、日本でも「ホライゾン」の名で販売されました。
このSLXをベースに、ドライブトレーンが最新SUV「RDX」から移植され、エンジンは215馬力を発揮する3.2リッターV型6気筒から、350馬力にチューンナップされた直列4気筒ターボに換装されたモデルが、「スーパーハンドリングSLX」です。
なお、製作はアキュラのエンジニアの手でおこなわれ、ベース車はコレクターから提供されたといいます。
スーパーハンドリングSLXの名のとおり、ホンダ独自のトルクベクタリング4WDシステムである「SH-AWD(スーパーハンドリングAWD)」を採用し、優れたハンドリングを実現。
外観は一見するときれいにレストアされただけのように見えますが、テールゲートにSH-AWDのエンブレムが取り付けられ、内装も極力ノーマルを維持していますが、10速ATのセレクターが最新のボタン式に変えられているなど、かなり作り込まれています。
■世界でもっとも美しいEVとは!?
●ジャガー「E-タイプ ゼロ」
伝統ある英国の高級車メーカーであるジャガーには、クラシックカーのレストアと販売をおこなう「ジャガー・ランドローバー・クラシック」という部門があります。
そのジャガー・ランドローバー・クラシックが2017年に発表したのが、電気自動車の「E-タイプ ゼロ」です。
ジャガー「E-タイプ」は1961年に発表された「世界でもっとも美しいクルマ」と評されるモデルで、同社を代表するスポーツカーです。
このE-タイプのオープンカー(ドロップヘッドクーペ)をベースに、フロントに搭載されていた直列6気筒エンジンを、40kWhのリチウムイオンバッテリーと300馬力のモーターに換装。
バッテリーはエンジンと同寸法で重量もほぼ同じに設定され、その結果前後重量配分はベース車と変わらず、オリジナルのE-タイプのような走りとハンドリング、乗り心地、ブレーキングが体験できるように設計されています。
また、内装はオリジナルのデザインを維持したインパネながら、液晶モニターや液晶メーターパネルを採用するなど、クラシカルな意匠と最新テクノロジーが融合しています。
なお、E-タイプ ゼロは販売が決定されており、2020年夏ごろにデリバリーされる予定です。
※ ※ ※
旧車人気の背景にあるのは、現代のクルマでは失われた魅力があるからではないでしょうか。しかし、現実問題として維持にはそれなりの覚悟が必要です。
まず、部品が手に入らなくなっていくのと、電気系統や樹脂部品の劣化が避けられません。
一方で、現存数が多く、とくに人気がある日産「スカイラインGT-R」やマツダ初代「ロードスター」などは、メーカーが部品の再生産を始めています。
昔では考えられなかったことですが、旧車の維持をメーカーがバックアップしてくれることはユーザーにとって朗報です。
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ただ、その施工方法や場所、費用、税金問題がクリアになっていないから日本ではあまり進んでいかないですね。