現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > マフラーはどこ!? 追求した結果の斬新なカタチが面白い ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.107~

ここから本文です

マフラーはどこ!? 追求した結果の斬新なカタチが面白い ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.107~

掲載 更新 1
マフラーはどこ!? 追求した結果の斬新なカタチが面白い ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.107~

■マフラーが消えた!? と思ったら……

 天に向かって火を噴くマシンがある。それが「Mclaren 600LT」だ。といっても暴走族の竹やりでも、トラブルで炎上したスーパーカーでもない。Mclaren(マクラーレン)の「600LT」は、正真正銘公道走行が可能なロードカーである。普通免許があれば、それがAT限定であっても運転が許される。そんな公共性のあるモデルなのに、天に向かって火柱を立ち上げるのだ。

ヤマハ「MT-07」は取りまわしの良さと走りを両立した優等生モデル

 搭載するエンジンはV型8気筒3.8リッターツインターボ。最高出力は600ps、620Nmの最大トルクを炸裂させる。0-100km/hは2.9秒。最高速は328km/hに達するというバケモノである。

 何故、火を噴くのか。ミッドマウントされた縦置エンジンから2系統に分けられたエキゾーストパイプが天を向く。一般的に、このパイプはリアのバンパー下部から路面に向かって、あるいは後方に吐き出すような角度でレイアウトされるのだが、「マクラーレン600LT」はイカれている。リアエンジンの上方、リアハッチを貫通するかのような位置と角度で噴射するのである。

 そう、大径のエキゾーストパイプは天を向いているから、雨が降ればエキゾースト内部が濡れる。だが、そんなことは気にしない。猛烈な熱エネルギーを発散するから、雨粒など濡れたうちには含まれない。エンジン停車中に雨水が溜まったとしても、エンジンひと蒸しで吐き出してしまう。

 もちろん絶えず火柱を立てているのではなく、限界走行でエンジンに鞭を入れた時だけなのだが、それでも物騒である。引火しないのかヒヤヒヤものなのだ。

 それとは対象的なのが、ヤマハ発動機の新型「MT-09」(2021年型)が搭載する排気量888ccの水冷直列3気筒エンジンである。最高出力88kW、最大トルク93Nmを発揮するのだが、特徴的なのは、サイレンサーの存在が感じられないことだ。

 3気筒から導かれた3本のエキゾーストパイプは一旦、腹下(エンジン下部)の膨張室に集められ、その中に排気パイプまで収め、左右対称に開けられたリアタイヤ直前の「穴」から路面に向かって斜めに吐き出される。そのスタイルを眺めていても、いわゆる車体下部から側面後方へ伸びるマフラーの姿が無いのだ。

 エキゾーストパイプがどこかで断ち切れているかのような新開発の「1.5段膨張サイレンサー」は、バイクの象徴であり、主要な構成部品のひとつであるマフラーを隠してしまっている。じつに斬新である。

 もちろん目的あっての構成である。「マクラーレン600LT」のトップエキゾーストは、マフラー長を短縮することが可能で軽量化にメリットが見出される。排気が天を向くことでダウンフォースを生むともいう。ヤマハ「MT-09」も同様に、軽量化とマスの集中に貢献しており、官能的な排気音を追求した結果だ。

 伊達や酔狂ではなく、真面目に追求した結果の対比であることが面白い。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
WEB CARTOP
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
motorsport.com 日本版
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
日刊自動車新聞
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
くるまのニュース
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
レスポンス
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
LE VOLANT CARSMEET WEB
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
バイクのニュース
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
AUTOSPORT web
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
THE EV TIMES
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村