フォーミュラE第2戦はセーフティカーでの幕切れ。レースを制したのはベンチュリのモルタラ

　1月30日、2021／2022年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン8”の第2戦ディルイーヤE-Prixがサウジアラビア・ディルイーヤで開催され、エドアルド・モルタラ（ロキット・ベンチュリ・レーシング）が優勝を飾った。

　前日に行われた第1戦に続いてダブルヘッダーで開催されるフォーミュラEシーズン8の開幕ラウンド。第1戦ではディフェンディングチャンピオンのニック・デ・フリース（メルセデスEQフォーミュラEチーム）が初戦を制し、チームメイトのストフェル・バンドーンも2位に続いて王者メルセデスが貫禄を見せる1-2フィニッシュを決めている。

　そんな第1戦の翌日に早くも開催される第2戦。決勝前に行われた1対1“デュエル”予選でポールポジションを獲得したのは、前日の第1戦を制したデ・フリースとなった。2番手には0.005秒差という僅差でモルタラが続き、3番手はロビン・フラインス（エンビジョン・レーシング）という結果になった。

　続いて行われた45分＋1周の決勝レースでは、スタートでアレクサンダー・シムズ（マヒンドラ・レーシング）が大きくコースを飛び出してポジションを落とす以外は全車クリーンな出だしを見せ、首位デ・フリース、2番手モルタラ、3番手フラインスというトップ3も順位は変わらず2周目に突入していく。

　4周目には7番手を争うオリバー・ローランド（マヒンドラ・レーシング）とジェイク・デニス（アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE）がアタックモードに入り、チームから無線で“アタックしろ”と檄が飛んだデニスがローランドをオーバーテイクしてポジションを上げる。

　残り36分となる6周目には上位勢が続々とアタックモードに突入するも、首位デ・フリース以下、モルタラ、フラインス、ルーカス・ディ・グラッシ（ロキット・ベンチュリ・レーシング）、アンドレ・ロッテラー（タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム）というトップ5の順位は変化せず。

　フォーミュラEでは珍しいほど静かな状況でレースが進むなか、13周目には上位勢が2回目のアタックモードに入る。そしてアクティベートゾーンでの順位変動で2番手に浮上してきたディ・グラッシが1コーナーアウトからデ・フリースに並びかけオーバーテイクに成功。これで2番手に下がったデ・フリースは16周目にモルタラにもかわされ3番手に後退してしまう。

　2番手に浮上したモルタラはその勢いのままトップを行くチームメイトのディ・グラッシの背後に迫り、17周目の1コーナーでインを差し首位に躍り出る。これでロキット・ベンチュリ・レーシングが盤石の1-2体制を構築する展開に。

　しかしその後はトップに立ったモルタラのペースが上がらず、8番手のローランドまでがトレイン状態となる。そんななか26周目には4番手デ・フリースと5番手ジャン-エリック・ベルニュ（DSテチーター）がバトルを展開するも接触、両者ともレースを続行するがデ・フリースはペースが上がらず10番手までポジションを落としてしまう。

　そしてレース残り10分を切ると、3番手から虎視眈々とトップを狙っていたフラインスが1コーナーでディ・グラッシをオーバーテイクして2番手に浮上しペースを上げてくる。しかし、この直後にアレクサンダー・シムズ（マヒンドラ・レーシング）のマシンがストップしてしまい残り8分ほどでセーフティカー導入となる。

　レース時間がセーフティカー導入のまま40分を超えたため、シーズン8から適応されるセーフティカー導入1分ごとのレース時間45秒加算という“アディショナルタイム”は適用されず、レースは結局セーフティカー先導でのフィニッシュとなり、優勝はモルタラとなった。2位にはフラインスが続き、3位にはディ・グラッシが入ったことでロキット・ベンチュリ・レーシングは1-3フィニッシュを飾っている。

　4位には日本でも活躍したロッテラーが続き、5位デニス、6位ベルニュ、7位にはストフェル・バンドーン（メルセデスEQフォーミュラEチーム）が入り、8位ローランド、9位にパスカル・ウェーレイン（タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム）、第1戦を制し第2戦ポールポジション獲得のデ・フリースは最終的に10位フィニッシュとなった。

　ダブルヘッダーでの開幕となった2021／22年フォーミュラEシーズン8。次戦となる第3戦は2月12日にメキシコのメキシコシティで開催される予定だ。