インテリアデザインを刷新
text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
【画像】新型ジャガーXF/Eクラス/A6/5シリーズ【ライバル比較】 全140枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
ジャガーは中型セダンXFの改良新型を発表した。BMW 5シリーズやアウディA6のような成功を収めているドイツのライバル車を食い止めるべく、デザインに磨きをかけ、マイルド・ハイブリッドを採用した。
大きく変わったのは、インテリアだ。ジャガーのインテリアデザイン責任者アリスター・ウィランは次のように語っている。
「わたし達は、インテリアを次のレベルに引き上げる必要がありました。スケールメリットを実現するために、FペイスとXFを同時に開発したのです。両モデルは、全く新しいインテリアを共有しています」
インテリアの注目点としては、ヘッドレストやドアのスイッチ類などに用いられる素材の質感向上や、新型ランドローバー・ディフェンダーで導入された車載システム「Pivi Pro」の採用などが挙げられる。
XFとFペイスは、タブレットのような11.4インチの湾曲したタッチスクリーンを初めて採用したモデルで、反応速度と操作性が大幅に向上しているという。その他にも、無線ソフトウェアアップデート、車内空気のイオン化、スマートフォンのワイヤレス充電など新機能が並ぶ。
ギアシフターのクリケットボールステッチ、ヘッドレストのエンボス加工されたジャガーリーパー、「Est. 1935 Jaguar Coventry」と書かれたタグなど、今後ジャガーモデルで一般的となるだろう要素が採用されている。
パワートレインの英国におけるラインナップは、ディーゼル1種類とガソリン2種類に簡素化され、それぞれ8速ATのみの設定となった。
48Vマイルド・ハイブリッドシステムと組み合わせた203psの2.0L 4気筒ディーゼルは、CO2排出量130g/km、燃費は後輪駆動で最大24.3km/lとなっている。全輪駆動も選択可能だ。
ガソリンモデルは、後輪駆動の250ps 2.0Lターボと、全輪駆動の300ps 2.0Lターボを用意。後者は0-97km/h加速を5.8秒で達成する。
エクステリアとしては、新デザインのフロントバンパー、ジャガーの伝統的なロゴにインスパイアされたメッシュデザインのワイドなフロントグリル、ジャガーリーパーのサイドウィング、ピクセル技術(オプション)を備えるスリムなLEDヘッドライトなどが採用されている。
リアバンパーもワイド化され、テールライトは黒みを帯びた色合いとなった。
大幅な値下げ XFの将来性は
英国での納車は来年初めに開始される。
車両価格は3万2585ポンド(440万円)からとなっており、当初の3万4995ポンド(472万円)より引き下げられた。これはBMW 5シリーズの3万8600ポンド(521万円)を大きく下回る価格設定だ。
ジャガーは、「製造の複雑さを減らし、最も人気のあるモデルを維持する」ことを目的に、XFの派生モデルのラインナップを64から28に減らすことで合理化したと述べている。
ジャガーは新型XFの発売から「見て、買って、運転する(browse, buy, drive away)」というスローガンを新たに掲げ、オンラインとオフラインの価格設定を同期させることで、どのような購入方法でも同じ価格で購入できるようなシステムの構築を目指している。
キャッスル・ブロムウィッチ工場で製造される新型XFおよびXEは、市場の変化を考えると、その将来性は不透明だ。ジャガーのデザイン責任者であるジュリアン・トムソンが示唆したように、マイルド・ハイブリッドとプラグイン・ハイブリッドを搭載したコンパクトセダンや、全長約4.5mの小型車が両モデルに取って代わる選択肢となるかもしれない。
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