現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 500万円・400台が即日完売! 280馬力時代に400馬力! ワークスが生んだ伝説のコンプリートカー4台

ここから本文です

500万円・400台が即日完売! 280馬力時代に400馬力! ワークスが生んだ伝説のコンプリートカー4台

掲載 更新 16
500万円・400台が即日完売! 280馬力時代に400馬力! ワークスが生んだ伝説のコンプリートカー4台

 280馬力規制時代に400馬力を実現したモデルも

 ワークスチューナーが生み出した台数限定のコンプリートカーの中古車価格が上昇中だ。メーカー直系だからこそ可能になったボディメイクやエンジンチューンなど、希少性だけではない走りの魅力がその価値を高めている。トヨタ系のTRD、日産系のNISMO(ニスモ)、ホンダ系の無限、そしてスバル系のSTI(スバルテクニカインターナショナル)の4社が製作した伝説のコンプリートカーを振り返ってみよう。

マニアすらも驚くレアっぷり! しかも安くてイケてる「脱定番」旧車4選

 1)TRD 2000(ベース車:カローラ)1994年 335万円(販売当時価格・税抜き)

 トヨタレーシングデベロップメントの略称であるTRDは、主に国内でのモータースポーツマシンの開発を一手に引き受けていた。ここで紹介する「TRD2000」は、そうしたレーシングマシンのノウハウを活用して作られた一台。

 1990年代、4ドアボディの市販車をベースに、300馬力級にハイチューンされた2.0リッター自然吸気エンジンを載せたワークスマシンで競われたカテゴリーがJTCC(全日本ツーリングカー選手権)で、トヨタは空力に有利なカローラのボディに、セリカなどでおなじみの2.0リッターエンジン「3S-G」を積んでいたことがある。TRD2000は、そのJTCCマシンを公道仕様に仕上げたといえるマシン。

 ベース車では1.6リッターのエンジンを2.0リッターへとスワップ。もっとも、エンジン本体はスタンダード状態に近く、最高出力は180馬力となっていた。サスペンションも純正形状のダンパーとスプリングといったライトチューン的メニューだったが、その控えめな感じもワークスチューンらしいリーガル性を重視したコンプリートカーらしさだ。もっとも、そうした地味さが仇になったのか、10台しか売れなかったという。まさに幻の一台なのである。

 2)NISMO 400R(ベース車:BCNR33 GT-R)1995年  1200万円(販売当時価格・税抜き)

 日産ワークスのNISMOが手掛けた渾身の一台。それがBCNR33・GT-Rをベースとした「400R」だ。車名の由来は最高出力が400馬力に達していることだが、国産車に280馬力規制があった時代の400馬力は非常にインパクトがあった。

 そのパワーと耐久性、さらにフレキシビリティも満たすために、エンジンはボア・ストロークとも拡大され、排気量は2771cc(ベースエンジンの排気量は2568cc)へとアップされ、「RB-X GT2」と名付けられた。ターボチャージャーはN1仕様(市販車ベースのレース用)に強化アクチュエーターを組み合わせたスペシャル品。とはいえカムシャフトのプロフィールはノーマル同様で、扱いやすさをスポイルするようなことない。

 実際、当時ドライブしたこともあるが雨の中でも気を遣うことなくドライブすることができた印象が残っている。そうしたスタビリティにはビルシュタインベースのNISMOオリジナルサスペンションや、エアロダイナミクスを追求した専用エアロパーツの効果も大きい。

 ボディでのトピックスは片側25mmワイドになったフェンダーや、GT-Rベースのマシンでル・マン24時間耐久へ参戦した経験から生まれた「LMボンネット」などの専用装備。1200万円という価格はけっして安いとはいえないが、カーボンプロペラシャフトやチタンタワーバーといった高価な素材のパーツを用いていることを考えると、見る人が見ればバーゲンプライスと評するほど隙のない仕上がりだった。

 WRカーのストリートバージョンは即日完売!

 3)インプレッサ22B STI Version(ベース車:WRX TypeR STi)1998年 500万円(販売当時価格・税抜き)

 WRC(世界ラリー選手権)においてWRカー部門3連覇を成し遂げた「インプレッサワールドラリーカー」のイメージをそのままストリートマシンとして再現したのが、STI初のコンプリートカーである「インプレッサ 22B STI Version」だ。

 当時、WRカーのベースモデルとなった量産のインプレッサクーペは基本的に5ナンバーサイズのボディだったが、22BではWRカーさながらにボディを切り取り、ブリスターフェンダーを溶接するという手法でリヤのボディメイクが行われた。もちろんフロントフェンダーも専用品が奢られた。これによりボディ幅は1770mmまで広がり、WRカーのシルエットを再現する。この迫力あふれるボディに負けじと、エンジンは専用に2.2リッター水平対向エンジンが開発される(ベース車のエンジンは2.0リッター)。

 最高出力こそ280馬力と規制値に収まったが、フラットトルクとハイレビングを両立した「EJ22ターボ」エンジンは、いまも史上最高のボクサーターボと評される。シャシー系ではビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製スプリングを組み合わせたサスペンションが与えられ、WRカーのイメージを受け継ぐゴールドのBBS製17インチホイールでフットワークを引き締める。まさにWRカーのロードモデルというべき伝説のモデルで、400台の限定販売ながら即日完売したというのも納得だ。

 4)MUGEN RR(ベース車:FD2シビック) 2007年6月発表 455万円(販売当時価格・税抜き)

 ここまで1990年代に生まれたワークスチューンのコンプリートカーを紹介してきたが、ホンダ系ワークスチューナーである無限は長らくコンプリートカーを手掛けて来なかった。その無限が初めて作ったコンプリートカーが、4ドアのシビックタイプR(FD2)をベースにした「MUGEN RR」である。

 モータースポーツのフィードバックを実感させるエクステリアは、カーボンコンポジット製フロントバンパーやアルミ製ボンネットフードなどで軽量化を果たすと同時に、可変式カーボンリアウイングやディフューザーなどがマイナスリフトの空力性能を実現。エンジンはエキゾーストシステムとラム圧を利用する吸気系でグレードアップされ、ラム圧利用時には最大15馬力アップを実現するという。サスペンションは減衰力5段調整式の専用ダンパーが与えられるが、このマシン専用にブリヂストンと共同開発されたタイヤ「ポテンザRE070 RRスペック」に合わせたセッティングとなっていることは言うまでもない。インテリアではレカロと共同開発したセミバケットシートが特徴。ボディカラーは専用のミラノレッド一色の設定で、300台限定販売となっていた。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
VAGUE
【クルマら部】「ポルシェ911」クルマ愛クイズ!全4問・解答編
【クルマら部】「ポルシェ911」クルマ愛クイズ!全4問・解答編
レスポンス
昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
レスポンス
三菱「新型SUVミニバン」公開! 全長4.5m級ボディדジムニー超え”最低地上高採用! タフ仕様の「エクスパンダークロス アウトドアE」比国に登場
三菱「新型SUVミニバン」公開! 全長4.5m級ボディדジムニー超え”最低地上高採用! タフ仕様の「エクスパンダークロス アウトドアE」比国に登場
くるまのニュース
新型フォルクスワーゲン・ティグアン発売。7年ぶり全面刷新、2Lディーゼルと1.5Lハイブリッドを展開
新型フォルクスワーゲン・ティグアン発売。7年ぶり全面刷新、2Lディーゼルと1.5Lハイブリッドを展開
AUTOSPORT web
【第2回】サイトウサトシのタイヤノハナシ:スタッドレスタイヤはなぜ効く?
【第2回】サイトウサトシのタイヤノハナシ:スタッドレスタイヤはなぜ効く?
AUTOCAR JAPAN
巨大GTウイングに赤黒の「トミカスカイライン」カラー! リバティウォークはトラック相手でも容赦なしの圧巻カスタム!!
巨大GTウイングに赤黒の「トミカスカイライン」カラー! リバティウォークはトラック相手でも容赦なしの圧巻カスタム!!
WEB CARTOP

みんなのコメント

16件
  • TRD2000のシブさと、見掛け倒しの22B STIのハリボテ感の対比が面白い
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9450.0万円

中古車を検索
カローラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9450.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村