■新型LXは従来モデルと何が違う? 徹底比較!
レクサスのフラッグシップSUV「LX」の新型モデルが2021年10月14日に世界初公開されました。
【画像】ド迫力のスピンドルグリル装着! レクサス最強SUV「LX」はどう進化?(44枚)
新型LXは、新型「NX」に続く、次世代レクサス第2弾モデルとして登場しました。すべての面において大きく進化していますが、従来モデルとの違いはどのようなところにあるのでしょうか。両車を比較してみます。
LXは、トヨタ「ランドクルーザー」と共通するプラットフォームを採用した最高級SUVです。
初代、2代目は北米を中心に販売されていましたが、現行モデルとなる3代目は米国などで2007年に発売された後、マイナーチェンジを機に2015年から日本に導入されました。
今回初公開された新型モデルは4代目となり、日本では2022年初頭の発売を予定しています。
新型LXの変更点としてまず挙げられるのはデザインです。
従来モデルでは、フロントロアグリルを大胆に厚くした安定感のあるフロントビューを表現。さらに、フードから勢いよく突き出すようにグリルフレームと一体となった硬質な面状のグリルインナーバーなど、力強さと洗練さを兼ね備えたスピンドルグリルを採用していました。
新型LXは「Dignified Sophistication」をキーワードとし、圧倒的な存在感を狙った上質で洗練されたプロポーションを目指しました。
最上級SUVに相応しいスピンドルグリルの新たな表現として、7組のフローティングバーで立体形状を作り、フレームのないシームレスな構成を実現し、デザイン性とツインターボエンジンに必要な冷却性能を両立しています。
また、ヘッドランプはL字のクリアランスランプ(デイタイムランニングランプ機能付き)を立体形状へと進化させました。
さらに、骨太なボディにレクサス最大となる22インチのタイヤを装着し(従来モデルは21インチをオプション設定)、ダイナミックかつスマートさを演出しています。
リアビューでは、従来モデルは中央にレクサスの「L」をモチーフにしたエンブレムを装着していましたが、新型LXは次世代モデルに相応しく、新たな「LEXUS」ロゴに刷新。リアコンビネーションランプはL字形状と一文字を組み合わせたデザインを採用しています。
内装は、従来モデルは金属や革、本木目といった異なる素材を使用して上質感を演出するとともに、車両の姿勢状態を容易に把握できる水平基調のインストルメントパネルとするなど本格SUVとしての基本性能も確保していました。
一方新型LXは、より運転に集中できる新たなコックピット思想「Tazuna Concept」を採用。
レクサス初の12.3インチと7インチの上下2画面のデュアルディスプレイを採用するとともに、12.3インチタッチディスプレイ上端を水平に配置することで悪路走行時においても平衡感覚を把握しやすい設計としています。
また、手が届きやすい位置に走行系のスイッチ類を配置したり、前席ではアシストグリップの太さや角度にこだわったり、ホールド性の良いシートを採用するなど、オフロードでも安心とくつろぎをもたらす室内空間を実現しました。
乗車人数は、従来モデルと同じく、新型LXでも2列シート5人乗り仕様と3列シート7人乗り仕様をラインナップ。3列シート7人乗り仕様はレクサス初となる「マルチシートオートアレンジ」を採用しています。
フロントシートを含むすべてのシートが動き、広大な荷室を作り出す「ラゲージスペース拡大機構」と、セカンドシート肩口のスイッチを押すことによって自動で折りたたみつつ跳ね上げ、サードシートへの乗り降りを用意にする「ウォークイン機構」を設定しました。
新型LXのグレード展開は、標準仕様に加え、2列シート4人乗りの「エグゼクティブ」、前後デフロックなどの専用の機能を装備し、オフロード性能を高めた「オフロード」を新たに設定しています。
■よりパワフルな3.5リッターV6ツインターボエンジン搭載
新型LXでは、プラットフォームやエンジンなども全面刷新しました。
従来モデルも、トヨタ「ランドクルーザー(200系)」と共通のプラットフォームを採用していましたが、新型LXにおいても2021年8月にフルモデルチェンジした新型ランクル(300系)と同じく新プラットフォーム「GA-F」をレクサス初採用し、伝統のラダーフレームを刷新しています。
最新の溶接技術の活用などにより、高剛性(従来型比+20%)かつ軽量なフレームとし、衝突安全性能、静粛性、走りの質が向上。
ボディも高張力鋼板の採用拡大やボンネット、ルーフ、全ドアパネルにアルミニウムを用いたることで、従来モデルより200kgの軽量化を実現するとともに、パワートレーンの搭載位置を車両後方および下方に移動することで、低重心化や前後重量配分の改善を果たしました。
エンジンは、従来モデルの5.7リッターV型8気筒ガソリンエンジン(377馬力/534Nm)に代わり、3.5リッターV型6気筒ツインターボガソリンエンジンを搭載(415馬力/650Nm)。
マルチホール直噴インジェクタ付D-4STの採用やロングストローク化、バルブ挟角の最適配置による高速燃焼と高効率ツインターボが力強い低速トルクと優れた過給レスポンスを生み出します。
なお、トランスミッションは従来の8速ATから10速ATへと変更されました。
オフロード性能も進化しています。悪路走破性と上質な居住空間を実現する2850mmのホイールベースを採用する点は初代モデルから変わっていませんが、従来モデルと同等の対地障害角(アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークアングル)や従来モデルにも装備されていた、路面状況に応じたドライブモードが選択できる「マルチテレインセレクト」は、従来のブレーキ油圧に加え、駆動力、サスペンションを統合制御し、選択したモードに応じて最適化。路面状況に応じた走破性能を引き出すことが可能です。
さらに、各種センサーの情報から走行中の路面状況を推定し、各種制御を最適化するAUTOモードをレクサス初採用。モード切替えすることなく、走行シーンに応じた走破性を引き出すことができるようになりました。
また、凹凸の激しいオフロードや滑りやすい路面を走行する際にステアリング操作のみで極低速走行が可能な「クロールコントロール」の進化に加え、車両周辺の状況確認を4つのカメラでサポートする「マルチテレインモニター」の採用など、オフロードでの運転を支えるさまざまな最新技術の導入。
なお、従来モデルにも搭載されていた、オフロード走行時の車両下の状態やタイヤ位置が透過映像として確認できる「アンダーフロアビュー」に加え、新型LXは後輪付近を確認できる「バックアンダーフロアビュー」を世界初採用しました。
先進安全技術として、予防安全パッケージ「Lexus Safety System+」を引き続き搭載しています。
「プリクラッシュセーフティ」は従来モデルの昼間の歩行者のみならず、単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能となり、交差点右折前に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になりました。
加えてドライバーの操舵をきっかけに車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援や低速時の事故予防をサポートする低速時加速抑制などの機能を追加するなど、より一層安全性を高めています。
ほかにも新型LXにはAI技術を活用した「レーントレーシングアシスト」や、カーブの大きさに合わせて減速する機能を盛り込んだ「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」、「ロードサインアシスト」、「ドライバー異常時対応システム」など、最先端の安全装備が備わりました。
さらに最新の装備として、新型LXはレクサス初の指紋認証スタートスイッチを全車に標準装備しています。
スマートキーを携帯し、ブレーキを踏みながらスタートスイッチ上の指紋センサーにタッチすると、車両に登録された指紋情報と照合、指紋情報が一致しなければエンジンが始動しない機構と、万全の盗難防止対策を施しました。
※ ※ ※
従来モデルの価格は1135万6481円(消費税込)でした。新型LXの価格は公表されていませんが、数々の最新装備を搭載したレクサス最高峰のSUVの価格がいくらに設定されるのかも気になるところです。
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