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初試乗 ポルシェ911スピードスター 510psの4ℓ自然吸気 受け継がれる哲学

もくじ

どんなクルマ?
ー 初代が登場して65年目の新型
ー カレラ4Sカブリオレ+GT3以上
どんな感じ?
ー クラシックなインパネに918スパイダーのシート
ー いかにもな手動式超軽量ソフトトップ
ー 夢に描いたような一糸乱れぬコーナリング
「買い」か?
ー スピードスターという哲学を具現化
スペック
ー ポルシェ911スピードスターのスペック

初試乗 最新992型 ポルシェ911カブリオレ・カレラS クーペに迫る

どんなクルマ?

初代が登場して65年目の新型

スピードスターというモデルが登場してから65年が過ぎる。いまでもポルシェは、そのスピードスターの理想形を追い求めているのだろう。

軽さが売りの1954年のスピードスターは、70psの水平対向4気筒を搭載したポルシェ356 1500がベース。フロントウインドウは取り外しが可能で、走りへの純粋性を求めるアメリカのドライバーから、羨望を集めることになった。いま運転しても、たちまち恋に落ちるに違いない。操作のすべてにおいて、現代のクルマ以上に機械的な精度を感じられるだけでなく、クルマ全体から放たれるピュアな脈動に、惹き込まれてしまうはず。

以降、モデルチェンジの度に価格は上昇。車重も増え続け、スピードスターの高級度合いも増していった。中には、911カレラ・カブリオレをベースにしながら、インテリア意外はすべて異なるハードコアな964RSというクルマも存在した。またカレラGTSに手を加え、ポルシェだけに許された、いってしまえば派生モデル・ビジネスを後押しするためのクルマもあった。

低いサイドプロポーションというシルエットは共通していても、そこに同一のフィロソフィーが存在していなかったことも事実。しかし気を落とすのはまだ早い。点と点を結びつけるように、ロードゴーイング・レーサーをルーツにしたという、初代のスピードスターが持っていたフィロソフィーは、6代目に吹き込まれたようだ。

これみよがしなことはしない、という伝統を守ってきたポルシェだが、今回は少し違う。スピードスターのボディは大部分がカーボンファイバー製となり、その内側には991バージョン2と呼べるGT3が隠されている。356スピードスターのように、ロードゴーイング・レーサーの領域へ戻ってきた、今日での証でもある。

カレラ4Sカブリオレ+GT3以上

概要を見てみよう。大雑把にいうと、リアセクションはカレラ4Sカブリオレで、フロントセクションはGT3。カーボンファイバー製のエアロパーツやボンネットは911Rからの贈り物。しかし、巨大なカーボンファイバー製のリアデッキと、クラシックな形状のフロントウインドウは完全なオリジナルとなる。

GT3から借用となる、ガスシリンダーが下側に来る上下逆型のダンパーはやや柔らかく再調整。スプリングレートに変更はない。また4輪操舵システムにも変更が加えられ、巨大なリアウィングがなくなった分、サーキット走行などの高速走行時のスタビリティを高めている。だが、それ以外の全体的なパッケージはGT3のままだ。

フィロソフィーを明確化するために、トランスミッションは一択のみとなる。もちろん、6速のマニュアル。これらを融合させたスピードスターを手にする費用は、若干というより、かなりの資金が必要になる。想定より数百万円は余計に準備しなければならない。

そんな中で最も大きな変更点は、エンジンだろう。GT3の乗り味を決定づけている、水平対向6気筒の自然吸気4.0ℓエンジンを採用している。粒子状物質を濾し取るパティキュレートフィルターが搭載され、モータースポーツ・サウンドは薄れてしまっているが、それでも充分にダイナミック。

フュエル・インジェクションの圧力は高められ、最高出力は500psから510psへと上昇。多くの気化ガソリンを生成するため、スロットルボディも新調されている。ポルシェによれば、本物の過激さと呼べる領域に迫っているとのこと。排気ガスはしっかり浄化され賢いエンジンながら、レッドゾーンは天まで登る9000rpmを固持している。

迎え撃つは、イタリア・サルディーニャ島のターマックだ。

どんな感じ?

クラシックなインパネに918スパイダーのシート

スピードスターという名前どおり、ドライバーズシートに滑り込めば、時代がさかのぼったような錯覚がある。直径360mmの小ぶりなステアリングホイールには、一切のスイッチもパドルも付いていない。クルマの進路を定めるためだけの機能に徹している。

インスツルメント・パネルにの中央にはイタリック体のフォントが用いられたタコメーター。新しい992型の911と比べると少し古びて見えるが、いかにもスピードスターっぽい。メモリは二桁まで刻まれている。足元を覗けば、いかにも操作しやすそうなペダルが3枚並び、右手元に配されたシフトレバーは明らかに短い。試乗車は、左ハンドルだ。

座り心地のすこぶる良いシートは、限定生産のハイブリッドスーパーカー、918スパイダーに採用されていたもの。一度腰を掛ければ、いつまでも座っていたいと思うはず。そして天気が良い休みの日なら、思いっきり外界の空気を肌で感じたいと、居ても立ってもいられなくなるだろう。

ポルシェはこのスピードスターに、必要最低限のルーフしか持たせるつもりはなかった。オリジナルは2014年のコンセプトカーに遡るが、おかげでシート後部の流線型のバットレス、ふたつのコブの高さを低くすることが可能になっている。しかし、実用性の面ではやや難点があることも事実。だがソフトトップを掛けることになったとしても、なぜかスピードスターは速く見えるクルマだと思う。

手動式ソフトトップもスピードスターらしい

電動で折り畳めた997型のスピードスターとは異なり、991型のスピードスターはドライバー自らの手で屋根を掛ける必要がある。重さはわずか10kgだから、作業に必要な時間は約20秒とされており、さほど雨に濡れる心配もない。

取り出すには大きなリアデッキを開ける必要があるが、軽く引き上げると裏返しにしまわれていたソフトトップがくるりと回転して出てくる。雨が降ってきたらわざわざクルマを停めて、ソフトトップを手動で引き出すなんて、と嘆かないで欲しい。この手をわずらわせるような作業が、スピードスターのフィロソフィーにピッタリ一致していると思う。

このスピードスターを生み出すに当たって、主導的に動いたのがポルシェのGT部門を率いているアンドレアス・プレウニンガー。彼は1987年の、930型ビッグバンパー、Gシリーズ・スピードスターの開発にも腐心したエンジニア。その後996型と997型の911でスピードスターの計画を立案するものの、どちらも日の目を見ることはなかった。実はオリジナルのスピードスターも、個人的な強い思いから誕生したクルマだったりする。これも新しいスピードスターが受け継いだフィロソフィーといえる。

クルマの成り立ちを考えれば、スピードスターの路上での走りは、熱中せずにはいられないものだということは、想像に難くない。パフォーマンスも必要以上のものが備わっている。ターボ過給される600psを叩き出すような、現代のスーパーカーほどの即時的な瞬発力には欠けてはいる。しかし、スロットルレスポンスと、リニアなパワーデリバリーは折り紙付き。

クルマの性格は極めて鋭く、コーナリング中にはクルマのバランスを感じ取れる、本物のドライビング・センスが求められる。ポルシェが公証している最高出力は510psとなっているが、少し低く算出し過ぎなのではないだろうか。

夢に描いたような一糸乱れぬコーナリング

ボディ上部を結ぶ屋根がなくなったことによる、剛性への影響も気になるところだとは思うが、心配ご無用。さすがに本家GT3と乗り比べてしまえば、僅かな緩みに気づくかもしれない。しかし一般道を走っている限り、サーキットも許されるミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2タイヤが強烈なグリップを生み出し、スピードスターは一糸乱れずカーブを曲がっていく。

まるでドライバーの直後にエンジンが搭載されているのではないかと勘違いするほど、鮮烈なコーナリングを披露する。折り畳まれたソフトトップの、さらにその後ろにエンジンがぶら下がっているとは信じられない。

4輪操舵システムは、低速域ではやや過敏すぎる設定にも感じられるし、GT3よりもどこかナーバスな印象もある。だがそれは重箱の隅の話。概して非常に鋭敏で、意のままに操ることができるはず。スピードスターは、プリミティブでシリアスな、快音を響かせる極めて高次元のパフォーマンスを備えたスポーツカー以上のクルマだといえる。夢に描いたようなクルマが、現実のものになったようだ。

もちろん、見た目からして、実用性の面で多少の我慢が必要なことはおわかりだろう。個人的には後方視界の面でも優れ、利便性でもまさるクーペボディのGT3の方が好みではある。風切り音も静かだし、包まれ感のある車内は、運転に陶酔できるような雰囲気もある。

誤解しないでほしいのは、1日中スピードスターを運転しても、不快に感じることはないということ。スピードスターという演出が、嫌いでなければ。ただし、運転席直後にそびえるバットレスのバルクヘッドが視野を狭めているし、インテリアも実際以上に狭く感じられてしまうことは、触れておくべきだろう。

「買い」か?

スピードスターという哲学を具現化

この991型スピードスターは限定生産。意外と多い、1948台を生産するとポルシェはアナウンスしている。しかし、スピードスターのスターティング・プライスは21万1599ポンド(3068万円)。もしヘリテイジ・デザイン・パッケージを選択すると、22万6000ポンド(3277万円)にまで跳ね上がってしまう。

1950年代のポルシェを思わせるようなステッカーはどうかと思うが、タン・レザーのバケットシートや、ところどころに配された金色の装飾、クラシックなポルシェのロゴなどは魅力的。費用対効果の面ではちょっと値段が張りすぎるように思えるが、シルバーのボディとの組み合わせは、極上の仕上がりを見せる。

標準のGT3は10万ポンド(1450万円)近くも安く買えることを考えると、スピードスター自体に疑問を感じてしまう読者もいるだろう。だが残念だが、991型のGT3はもはや手に入れることはできない。しかもスピードスターは時間が経つごとに、スターとしてその価値を高めていく傾向がある。そして最新のスピードスターは、見た目に負けない素晴らしいドライビングを味わわせてくれる。限定生産のポルシェ911のGTシリーズだから、今後の値動きにも心配する必要はないはず。

もしわたしも充分な資金を持っているのなら、躊躇ぜずにディーラーへと向かうだろう。ポルシェはお尻の切れ上がったスピードスターとはどうあるべきか、その哲学を再び構築したようだ。その仕上がりに、誰しも心奪われるに違いない。

ポルシェ911スピードスターのスペック

■価格 21万1599ポンド(3068万円)
■全長×全幅×全高 4561✕1851✕1249mm
■最高速度 308km/h
0-100km/h加速 4.0秒
■燃費 7.2km/ℓ
■CO2排出量 317g/km
■乾燥重量 1465kg
■パワートレイン 水平対向6気筒3996cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 510ps/9000rpm
■最大トルク 47.7kg-m/6250rpm
■ギアボックス 6速マニュアル

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