2021年8月2日、トヨタはランドクルーザーをフルモデルチェンジして発売した。従来型のランドクルーザーが200系と呼ばれていたように、新型は300系と呼ばれる。
「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」のコンセプトは不変
ランドクルーザーは1951年8月に「トヨタ BJ型としてデビュー以来、70年に渡って歴代モデルが作り続けられている、本格派のクロスカントリー4WDだ。「どこへでも行き、生きて帰ってこられること」を使命として、信頼性・耐久性・悪路走破性を進化させ、2021年6月末時点で累計約1060万台、年間30万台以上のランドクルーザーが、世界170の国と地域で愛用されている。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
シャシは伝統のラダーフレームを継承しながら、新開発のGA-Fプラットフォームを採用。高剛性かつ軽量なフレームで、ボディパネルはアルミニウムを多用。パワートレーンの搭載位置は従来より後方へ70mm、下方へ28mm移動した。これらにより車両重量は約200kgの軽量化、さらに低重心化と前後重量配分の改善を果たしている。
新開発のサスペンション、操舵アクチュエーター付きパワーステアリング、電子制御ブレーキシステム、リアのトルセンLSD、マルチテレインセレクト、マルチテレインモニターなどを採用し、ランドクルーザーならではの高次元の走りや、操縦安定性・操作性向上を目指した装備が採用されている。
日本仕様のパワートレーンは、415ps/650Nmを発生する3.5L V6ガソリン ツインターボエンジンと、309ps/700Nmを発生する3.3L V6ディーゼル ツインターボエンジンの2種。いずれも、トランスミッションはダイレクトシフト10速ATと組み合わされ、もちろんフルタイムで4輪を駆動する。
外寸は、ホイールベースなどのボディサイズや対置障害角(アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークアングル)を従来型から変えていない。1967年に登場した50型から続く、キャビンを後ろ寄りに配置したキャビンバックワード プロポーションを継承している。
ラジエターグリルをヘッドランプとともに高い位置に配置し、前後バンパーの下部にある障害物をいなすような造形とするなど、オフロード走行時の機能性を重視したデザインとしている。また、エンジンフードには大きな凹みを設け、衝突安全性能と前方視界の両立を図っている。
インテリアでは、過酷な路面変化の中でも車両姿勢を把握しやすい水平基調のインパネ上部や、過酷な路面状況下でも車両状況が把握しやすい6針式のメーター(スピード/エンジン回転/燃料/水温/油圧/電圧)を採用。各種スイッチ類は機能ごとに集約して配置するなど、オフロード走行における機能性を追求している。
グレードにもよるが、フロント&セカンドシートに温熱シートとシートベンチレーションを装備。ペットボトル飲料などを保冷できるクールボックスや12.3インチのワイドタッチディスプレイをオプション設定するなど、クロカン4WDのフラッグシップにふさわしい快適性も配慮されている。なお、ガソリン車はGX以外は3列シート7人乗り、ディーゼルは2列シート5人乗りとなっている。
セキュリティ面では、トヨタ初の指紋認証スタートスイッチを採用。車両に登録された指紋情報とスタートスイッチのセンサー情報が一致しないと、エンジンが始動しない。安全装備では、最新の予防安全パッケージ「トヨタ セーフティセンス」やパーキングサポートブレーキ、ブラインドスポットモニターなどをはじめ、一部オプションだが充実している。
ランクル初の「GR スポーツ」も設定
新型ランドクルーザーには、ランドクルーザーとしては初めて「GR SPORT(スポーツ)」が設定された。このモデルは、世界一過酷と称されるダカールラリーに1995年から25年以上にわたって市販車部門へランドクルーザーで参戦し続けるドライバーからのフィードバックを車両開発に活かしている。
GRスポーツには、電子制御でスタビライザー効果を変化させる、世界初のE-KDSS(エレクトロニック キネティック ダイナミック サスペンションシステム)やフロントの電動デフロックなどを専用装備。
エクステリアではラジエターグリル、前後バンパー、ホイールアーチモールをはじめ多くの専用パーツを採用。インテリアも、本革巻きステアリングホイール、フロントシート、インテリア加飾や内装色が専用となっている。
■ランドクルーザー(300系)グレードと車両価格(税込)
GX(ガソリン/5人乗り):510万円
AX(ガソリン/7人乗り):550万円
VX(ガソリン/7人乗り):630万円
ZX(ガソリン/7人乗り):730万円
ZX(ディーゼル/5人乗り):760万円
GR スポーツ(ガソリン/7人乗り):770万円
GR スポーツ(ディーゼル/5人乗り):800万円
※いずれもトランスミッションは10速AT、駆動方式は4WD
■ランドクルーザー ZX(ディーゼル) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4985×1980×1925mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:2550kg
●エンジン:V6 DOHCディーゼルターボ
●総排気量:3345cc
●最高出力:227kW(309ps)/4000rpm
●最大トルク:700Nm(71.4kgm)/1600−2600rpm
●トランスミッション:10速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:軽油・80L
●WLTCモード燃費:9.7km/L
●タイヤサイズ:265/55R20
●車両価格(税込):760万円
■ランドクルーザー GR スポーツ(ガソリン) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4985×1990×1925mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:2520kg
●エンジン:V6 DOHCガソリンターボ
●総排気量:3444cc
●最高出力:305kW(415ps)/5200rpm
●最大トルク:650Nm(66.3kgm)/2000−3600rpm
●トランスミッション:10速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・80L
●WLTCモード燃費:7.9km/L
●タイヤサイズ:265/65R18
●車両価格(税込):770万円
[ アルバム : トヨタ 新型ランドクルーザー(300系) はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
ランドクルーザーは、これで良い!!