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スーパーGT GT500/ 第6戦、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが2勝目を挙げる

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スーパーGT GT500/ 第6戦、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが2勝目を挙げる

2022年9月18日、宮城県にあるスポーツランド菅生で2022 AUTOBACS SUPER GT Round6 SUGO GT 300km RACEの決勝が行われ、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)が今季2優目を手にした。2位にMOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、3位には16号車Red Bull NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)が入った。

Z×Michelin×雨=驚速
これまでにない規模の台風が迫る中で行われたスーパーGT第6戦は雨絡みの難しいレースとなった。そんな中、他を圧倒する速さを見せたのがミシュランタイヤを履く3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zと23号車MOTUL AUTECH Zのニスモ勢だった。

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レースは序盤にGT300mクラスのクラッシュによりいきなりSCが導入された。4周目にリスタートされたが、23号車はグリップ発動タイミングが早い64号車Modulo NSX-GTに迫られるもなんとかこれを死守。タイヤに熱が入った23号車はペースを上げ前方のマシンとの差を詰めていく。13周目に雨が強くなり各車レインタイヤに交換すべくピットストップを敢行。

雨が強まる中ステイアウトしていた首位16号車Red Bull NSX-GTと2番手23号車MOTUL AUTECH Zだったが、GT300車両のコースオフによりFCYの可能性が出てきたタイミングで両陣営がピットストップを決断。見事にFCYが出たことによりタイムロスを減らすことに成功した。

完全ウエットになったことにより全車ウェットタイヤに交換したGT500。このタイミングで力を発揮したのがミシュランタイヤを履く23号車と3号車だった。23号車は27周目の1コーナーで首位に上がり、予選11番手スタートだった3号車が23号車よりもさらに速いペースで28周目にはなんと2番手まで上がりニスモが1-2体制を形成する。

トップを走る23号車はSCが出たタイミングで45周目にドライバーチェンジも兼ねたピットインを敢行。ウエットからウエットに交換しコースに復帰する一方、雨は収まりコースが乾いてくるとにらんだ3号車。もしその通りになれば、他車はもう一回ドライタイヤに変えるためにピットストップしなければならないため、3号車は一回ピットストップ回数を減らせることになる。

この3号車の読みが見事的中しコース上が乾いてきた。23号車をはじめ他車がドライタイヤに変える中、ピットストップを引っ張っていた3号車が55周目にようやくルーティーンのピットストップを敢行。ドライバー交代とドライタイヤへの交換を同時に済ませたことで、2位の23号車に30秒以上のマージンを得ることとなった。

残り10周あたりで再び雨が降り出したものの、大きなマージンを活かしてレースをコントロールした3号車が11番手スタートから大逆転で今季2勝目を獲得した。3号車と同じミシュランを履く23号車は作戦の違いにより悔しい2位、3位にはダンロップタイヤを履く16号車が入り、今季初の表彰台登壇となった。

勝敗を分けた一瞬の判断
ミシュランタイヤを履くニスモ勢が速さを見せたSUGOラウンド。雨におけるミシュランタイヤの驚速ぶりはテストの段階からわかっていたことだが、ブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップ勢が太刀打ちできないレースペースには改めて驚かされる結果となった。

そんなニスモ勢の命運を分けたのはやはり2回目のピットストップだろう。1回目のタイヤ交換では両者ともミシュランタイヤの少量の雨量用のウエットタイヤに交換し、1-2体制を形成したニスモ勢だったが、1回目のストップでは先にタイヤ交換を行った3号車の方がタイヤの摩耗が厳しく2回目のピットストップでも早めに動きたかったはずだ。

実際前半パートを担当した3号車の千代勝正は早めのタイヤ交換を望んでいたが、チームは雨が止む可能性を考慮し千代にステイアウトを指示した。

3位以降に対しては問題がなかったが、やはり23号車には離されていた3号車。実は23号車がピットインした45周目に3号車もピットに入れる予定だったという。しかし最終コーナーを立ち上がったタイミングで急遽ステイアウトに作戦変更。この作戦変更はギリギリのタイミングだったのだ。

本来であればSC中に入りたいところだが、スピンしたGT300車両が素早く動き出しすぐにコースがクリアになったという状況を瞬時に判断し作戦を変更した。結果23号車は定石通りピットに向かい3号車はステイアウト。しかし雨が上がり、コース上が乾いてきたことで3号車は1回分ピットストップを節約することができ大きなマージンを獲得。最終的に2位以下に大差をつけてトップチェッカーを受けた。

今回のレースは雨におけるミシュランタイヤの性能の良さが際立ったレースだった。天候を味方につけたとも言えるが、チームのとっさの判断が3号車をトップチェッカーへ導いた。ドライバーとチームがそれぞれの観点から情報を無線でこまめに交換する綿密なコミュニケーション力の高さはチームの総合力の高さを感じさせるものだった。

12号車カルソニックIMPUL Zを抜きランキングトップに浮上した3号車。ポイント面でもチャンピオン争いの主役になったわけだが、第2戦の大クラッシュを乗り越えた勢い、そして総合力の高さを兼ね備えた3号車は「強い」チームになった。もしかすると今回の一瞬の判断が今シーズンのハイライトになるかもしれない。(写真提供:GTA)

2022年スーパーGT 第5戦決勝 GT500結果
1位 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠) 68周 
2位 23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)+9.114s
3位 16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)+46.72s
4位 38 ZENT CERMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)+1'05.148s
5位 12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)+1L
6位 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)+1L
7位 64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)+1L
8位 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)+1L
9位 37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)+1L
10位 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)+1L

2022年スーパーGT GT500 ドライバーズランキング
1位 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)54
2位 12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)50.5
3位 23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)37
4位 37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋) 36
5位 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)34
6位 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)32
7位 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)30
8位 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)26
9位 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)24.5
10位 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)21

[ アルバム : 2022年スーパーGT 第6戦決勝 GT500 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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