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売れるからOK? ブランド切り売り?? クラウンヴェルファイア中国発売 日本では…どうなの??

掲載 更新 27
売れるからOK? ブランド切り売り?? クラウンヴェルファイア中国発売 日本では…どうなの??

 2021年4月の上海モーターショー2021で発表された「クラウンヴェルファイア」が、中国市場で発売開始となっている。アルファードが爆売れしている中国市場において、中国人の価値観をうまくくすぐっているこのクラウンヴェルファイアは、間違いなくヒットモデルとなるだろう。

 ヴェルファイアといえば、国内では、かつては兄弟車であるアルファードよりも人気のあったモデルだが、2018年ごろから、その様相は逆転。現在はアルファードに販売台数で圧倒的な差をつけられており、アルファードへの吸収もささやかれる、崖っぷちなモデル。

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 そこで考えてみた。もしクラウンヴェルファイアが国内に投入されたら、以前のような人気は復活するのだろうか。

文:吉川賢一
写真:TOYOTA

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中国では、1500万円オーバーの超高級ミニバン

 クラウンヴェルファイアのベースは、30系ヴェルファイアハイブリッドE-Fourの後期型、7人乗り仕様であり、日本で製造したモデルを、中国輸出している構図となっている。つまり、メイドインジャパン製だ。

 クラウンヴェルファイアとしての特徴は、エクステリアだとフロントグリルにあるクラウンエンブレム、インテリアではインフォテイメント・モニターに出るクラウンのロゴ、といったところ。フロントバンパーやヘッドライト、リア周りのデザイン、ステアリングハンドルやインパネ、メーター、シート、などは、原則、日本仕様と同じである。

 7人乗りの2列目キャプテンシート仕様のみであり、後席で客人や家族をおもてなしする、面子(メンツ)を重んじる中国らしいグレードに特化しているとも考えられる。

中国で販売されているクラウンヴェルファイア。国内ヴェルファイアとの違いはフロントエンブレムのみ!?

国内ヴェルファイア

クラウンヴェルファイア。ステアリングホイールの上には、クラウンのエンブレムはなく、インフォテイメント・モニターに出ている。なお、中国市場向けなので左ハンドル車となる

国内ヴェルファイアのインテリア

 なお、クラウンヴェルファイアの現地価格は、839,000元~920,000元、日本円に換算すると約1421万円~1558万円となる。「ん!? 高くないか?」と思うかもしれないが、間違いではない。アルファードの価格も839,000元~920,000元と、まったく同じだ。

 冒頭でも触れたように、中国市場ではいまアルファードの人気が沸騰している。新車は入手困難で、真っ当に注文をしても相当な納車待ちがされているらしい(真偽は不明だが、予約金という位置づけで、プラスアルファの費用が必要、という情報もある)。

 想像だが、アルファードが手に入らず業を煮やしている中国の顧客に、クラウンヴェルファイアをどうぞ、ということなのかもしれない。

クラウンヴェルファイアは、全グレードが7人乗りとなる。面子のためには豪華な2列目シートが必須

国内では、意味がないどころか墓穴を掘ることにも

 仮に、クラウンヴェルファイアが日本導入されたとしても(※もちろん、中国市場の価格ではなく適正な価格で)、この中国で販売されているクラウンヴェルファイアのような「名前だけ」では、販売台数を伸ばすことはできないであろう。

 それどころか、逆に顧客の信頼を失うことにもなりかねない。中国市場では、「クラウン」が新しい高級ブランドの冠として通用するのかもしれないが、日本では、取ってつけたような名前に、価値を見出すことは考えられない。

 もし、日本で「クラウンヴェルファイア」を販売するのであれば、フロントマスクをクラウン似にしたり、車室内もクラウンをオマージュしたような豪華なデザインにする、くらいしなければ、クラウンと冠したところで、インパクトはまるでないだろう。

中国市場で「クラウン」を高級車ブランドの冠として意識づける戦略をとってきたトヨタ。だが、日本ではその戦略は通用しないだろう

「販売のトヨタ」はクラウンブランドの切り売りは絶対にしない

 ご存じの方は多いと思うが、中国でクルマを販売するには、現地の自動車メーカーと提携し、合弁生産会社を設立する必要がある。筆者の勝手な憶測だが、今回のクラウンヴェルファイアは、その提携先メーカーたっての要望であり、トヨタ自体は、中国市場における「クラウン」ブランド展開には、猛反対したんじゃないだろうか。

 ヴェルファイアは、いいクルマに違いないが、「クラウン」バッヂを付けて売るのは、「クラウンブランド」の切り売りにも思える。長い年月をかけて、顧客との強い信頼関係を築き上げ、「クラウン」というブランドの深みと重みを理解しているトヨタおよびトヨタ自販にとっては、このような戦略は、「暴挙」ともいえる。天下のトヨタとはいえ、多く出資をしている中国側企業の意見に従わざるを得ないかったのであろう。

 いまの流れでは、かつてのようにヴェルファイアがアルファードと対等になることはなく、初代アルファードVのモデル構成のようにして、ヴェルファイアが吸収される可能性は大きい(※2代目アルファードへとモデルチェンジをしたタイミングで、ネッツトヨタ店向けとして売られていた「アルファードV」の後継モデルとして、ヴェルファイアが用意された)。

 だがそれでいいと思う。アルファードに一矢報いたいならば、「クラウンヴェルファイア」のようなやり方ではないかたちで、登場してきてほしい。

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みんなのコメント

27件
  • クラウンヴェルファイヤww商売上手なことw
    いらんわw
  • どうせ日本国内に導入はされないよ。
    外国で発売して、それを国内のパーツ屋が真似るから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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