ボルボ・カーズは2022年11月9日、ストックホルムでスウェーデンのルーツを反映した新しい電気自動車のフラッグシップSUV「EX90」を世界に向けて初公開した。同時に、この「EX90」は2023年からアメリカで生産され、その後中国でも生産される予定だ。そしてアメリカ、中国の生産拠点はカーボン・ニュートラルな工場として稼動することになっている。
発表会に登壇したジム・ローワンCEOチーフデザイナーのロビン・ペイジが主導した「EX90」はスカンジナビアン・デザインの新たな潮流を意味し、機能が形をつくるという原則を定義するという基本思想を体現している。このクルマは、3列シート/7人乗りという多用途でスタイリッシュなファミリーカーであり、現代的なプロポーションを持ち、統合コンピューター・システム、コネクティビティ、電動化などの最先端技術と組み合わせている。
ボディサイズは、全長5037mm、全幅1964mm、全高1747mm、ホイールベース2984mmで、ミッドサイズSUVとしては最大クラスとなっている。車両重量は2818kg。
ボルボのジム・ローワンCEOは、「EX90は、私たちが今いる地点とこれから向かうべき場所を示しています。1回の充電で最大600kmの航続距離を実現する電気自動車であり、当社の安全基準をさらに高めるよう設計され、ソフトウェアによって真に定義される最初のボルボ車であり、お客様の自宅やその他のデバイスに接続する、より広いエコシステムの一部でもあります。EX90は、様々な意味でボルボ・カーズにとって新しいことの始まりなのです」と語っている。
「EX90」の安全性は、これまでのどのボルボ車よりも高められている。ドライバー、乗員と周囲の交通状況を理解し、乗員はもちろん周囲の人の安全を守るために設計されている。また、新しいデータを常に学習し、アップデートを受けることで、時間の経過とともにより賢く、より安全になって行くクルマでもある。
ルーフ先端に搭載するルミナー社製LiDARそのため「EX90」は、最新のセンシングテクノロジーを搭載し、目に見えない安全なシールドを備えているといえる。8個のカメラ、16個の超音波センサー、5基のレーダー、ルミナー社製の高性能LiDAR(ライダー)などの最新センサーを装備。そして車両の高性能な統合コンピューターに接続されており、高度運転支援システム制御AIシステムのNVIDIA DRIVEがボルボ・カーズの社内製ソフトウェアを実行し、リアルタイムに360度ビューを作り出すことができる。
中央統合コンピューターの中核をなすAIシステム「NVIDIA DRIVE」これらの最新センサー群により、ドライバーのアクションがほんの少し遅れただけで反応し、対応するように設計されている。LiDARは、昼も夜も、高速道路でも、目の前の道路を検知することができ、また250m先の小さな物体も捉えることが可能で、情報提供や行動や回避のための時間をより多く生み出すことができる。そして、このセンサーは、車線変更時の新しいステアリングサポートなど、運転支援機能パイロットアシストの信頼性と全体的な性能の向上にも寄与している。
「EX90」はこれらのセンサーと高度運転支援システム制御システムによりレベル3以上の自動運転を実現できる能力が与えられている。もちろんこれはボルボ車で初となる。
車内では、独自に開発したアルゴリズムによる特殊なセンサーとカメラで、ドライバーの視線の集中度を測定。この技術により「EX90」はこれまでのボルボ車では不可能だった、注意力散漫や眠気などの状態を把握することが可能になっている。そしてドライバーの注意が散漫な場合は、最初はやさしく、徐々に強く、警告を発する。また、万が一、運転中に居眠りや体調不良を起こした場合でも「EX90」は安全に停止し、助けを呼ぶように設計されている。
また安全性能だけではなく、AI用のNVIDIA DRIVEプラットフォーム、インフォテインメント屋その他の電子制御システム、バッテリー管理までが自社開発のソフトウェアを搭載した中央統合制御システムにより一元的にコントロールできるようになっている。
言い換えれば「EX90」は単なるニューモデルではなく、4輪のタイヤの上に載った高度なコンピューターであり、定期的な無線ソフトウェアアップデートによって、よりシステムは向上して行くことができるのだ。
インテリアは、最先端のSnapdragon’ Cockpitプラットフォーム、最新のゲーム用3Dツール、先進の描画性能により、大型の車載スクリーンとヘッドアップディスプレイにかつてない高次元、高速表示、高品質のグラフィックスを実現している。
14.5インチのセンタースクリーンは、Googleが組み込まれた最高のインフォテインメント・システムだ。Googleアシスタントによるハンズフリー支援、Googleマップのナビゲーション、Google Playのお気に入りアプリなど、Googleのアプリやサービスがすべて組み込まれている。もちろん、自宅のスマート家電などもシームレスにコントロールできる
利用可能な場所では5G接続のおかげで、必要なアプリケーションをホーム画面にインストールし、直感性の高いナビゲーションを簡単に利用することもできる。また、ボルボ初となる「ドルビーアトモス」を搭載し、ヘッドレスト一体型スピーカーで臨場感あふれるサウンドを実現した、最高品質の新しい25スピーカーによるバウワー&ウイルキンス・オーディオシステムで、音楽をストリーミング再生することもできる。
そしてメーターディスプレイは、適切な情報を適切なタイミングで提供することで、道路から目を離さないようにサポート。
インテリア全体は、天然素材など環境負荷の少ない素材をふんだんに使い、市場で最も快適でエレガントな仕上がりとなっている。
また「EX90」はスマートフォンとも一体化され、スマートフォンが車両のキーとなり、近づくと自動的にロックが解除され、パーソナルな出迎えシークエンス演出が開始される。また、車両に乗り込むと、そのドライバーのパーソナルプロファイルが自動的に読み込まれるようになっている。
電気自動車としてはヨーロッパWLTPモードで1回の充電で最大600kmの航続距離が実現しており、急速充電では250kWに対応し、30分以内に10%から80%まで充電することができる。普通充電では11kWに対応している。また家庭電源とも接続できるV2H(双方向出入力)機能も採用されている。
当初販売されるツインモーター4輪駆動モデルは、CATL社製の容量111kWhのバッテリーと2基の永久磁石式電気モーターを搭載し、合計380kW(517ps)、910Nmのトルクを発生する。新開発のシャシーと、この圧倒的なパワーの組み合わせにより、スムーズで感動的なドライビングを体験することができる。
「EX90」のボディ構造は、約15%の再生スチール、約25%の再生アルミニウム、そして48kgの再生プラスチックとバイオベース材料が使用されており、これは自動車に使用されるプラスチック全体の約15%に相当し、これまでのボルボ車では最高レベルとなっている。
「EX90 」は、ディーラーでもオンラインでも注文できるが、購入か、サブスクリプション(定額払い)か、リースか、自由に選択可能。
新型「EX90」は電気自動車というだけでなく、最先端のソフトウエア・ディファインドカーであり、これまでのクルマ作りの常識を変革するクルマということができる。
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航続距離も充分ですし、安全性も更に向上してEVでは一番欲しいモデルです。