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BMW 2シリーズ グランクーペを渡辺敏史が試乗! 大人のための本格派小型4ドア3ボックス

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BMW 2シリーズ グランクーペを渡辺敏史が試乗! 大人のための本格派小型4ドア3ボックス

BMW 2 series Gran Coupe

BMW 2シリーズ グランクーペ

BMW 2シリーズ グランクーペを渡辺敏史が試乗! 大人のための本格派小型4ドア3ボックス

4ドアクーペという“花形”カテゴリー

セダンの利便性とクーペのパーソナリティを併せ持つ4ドアクーペ的なコンセプト・・・といえば、かつては日本の特産ともいえるものだった。それが世界でも注目されるようになったのは21世紀に入ってからのこと。メルセデス・ベンツが投入したCLSクラスが呼び水となり、アウディがスポーツバック、BMWがグランクーペと、ドイツのプレミアム御三家が相次いでこのカテゴリーに参入したわけだ。

BMWのグランクーペシリーズはF13系6シリーズの派生モデルとして2012年に登場、その後14年にはF32系4シリーズの派生モデルとしてグランクーペが設定された。昨年は6シリーズが8シリーズに移行したのに合わせてグランクーペも8シリーズベースに刷新されており、現在は8シリーズと4シリーズ、2バリエーションが展開されている。グランクーペシリーズ累計の販売台数は40万台を超えるというから、BMWにとってドル箱とはいわずとも無視できないカテゴリーとなっていることは窺える。

実用派小型3ボックスとしてのポテンシャル

そして3バリエーション目となるのが、2シリーズ グランクーペだ。2シリーズはそもそもFFベースのピープルムーバーとFRベースのクーペ&カブリオレがあるが、グランクーペは先にフルモデルチェンジした1シリーズのアーキテクチャーを用いた、つまりFFベースのモデルとなる。

2シリーズ グランクーペのディメンションはハッチバックの1シリーズのそれに準拠しており、ホイールベースも同じ2670mmだ。独立したトランクルームを持つ3ボックス化に伴って、全長は約200mm長い4540mmに、全幅は同じ1800mm、全高は35mm低い1430mmとなる。

トランク容量は430リットルとDセグメントサルーンに比べると若干小さいが、後席は4:2:4の独立可倒式で積載性に不自由はない。3シリーズよりも軽くひと回りは小さいことを思えば、日本では実用的なコンパクトサルーンとしてのニーズも期待できるかもしれない。

日本仕様は218iとM235iをラインナップ

日本仕様の2シリーズグランクーペは、当面1.5リッター3気筒のB38系と2.0リッター4気筒のB48系、2つのパワートレインが用意される。共に直噴ターボで、前者の218iでは140ps&220Nmを発揮、7速DCTとの組み合わせで0-100km/h加速は8.7秒、最高速度は215km/hの動力性能をマークする。

今回試乗することができた後者のM235iは、306ps&450NmとB48系では最高クラスのパワーが与えられており、Xドライブのサブネームが示すとおりドライブトレインも4WDだ。制御は状況に応じて最大50%の駆動力を後輪に配分するオンデマンド型で、更にトルセンLSDが標準装備となるなど旋回側のパフォーマンスにも配慮されている。トランスミッションは8速ATの組み合わせとなり、0-100km/h加速は4.9秒、最高速度はリミッター作動の250km/hと、動力性能はスポーツグレードとして充分に納得できるものだ。

意外なほど快適性が高い後席空間

内装の設えは1シリーズに準拠したもので、好みのカラーを選択できるインテリアトリムライトなどでスペシャリティな演出を高めている。インフォテインメントはAIとの対話形式で目的地設定や情報検索が可能なインテリジェント・パーソナル・アシスタントを装備、スマートフォンアプリとの同期など上位クラスと同等のコネクティビティも実現している。

デザイン性のためにハッチバックより30mm低められた全高は、後席に収まれば著しく気になることはない。181cmの筆者が座って、頭上側方に少し圧迫感を感じるかという程度。ニークリアランスや爪先の収まりにも余裕があるなど、大人4人のロングドライブにも耐えうる居住性は充分に確保されている。

と、その後席に座っていても驚かされるのは快適性の高さだ。スポーツグレードのM235iをしてタウンスピードでの乗り心地はすこぶる洗練されており、がさつな突き上げや不快な揺さぶりをみせるでもなく入力は綺麗に丸め込まれている。同じスペックを持つM135iに対してはボディ形状が影響する音環境の変化もあってか静かさは一枚上手で、常速域で風切り音やロードノイズが会話を妨げるようなことはない。

FR車の感覚を匂わせるコーナリング

M235iにはARB(=Actuator Contiguous Wheel Slip Limitation)と銘打った進化型の駆動制御技術が搭載されている。ESCを経由せず、スリップ検知から直接的にトラクションコントロール介入のプロセスを採ることで作動時間を約3倍早め、アンダーステアを抑制するというこのデバイス、実は強大なトルクを緻密に御することが求められるEVの開発で培われたノウハウが活用されたものだ。

この効果はあらたかで、M235iのコーナリングはアプローチから、にわかにFF系4WDのパッケージとは思えないほどにシャープだ。アペックスに向かってググッと向きを変えていく際の動きは、どこかFR車の感覚に重ならなくもない。しかしアペックスに至らずとも、そこからアクセルを躊躇なく踏んでいけばグングンとインに入っていくのがこのクルマならではのシャシーコントロールの妙だろう。駆動配分変化とトルセンLSDの差動とが巧くバランスして、その振る舞いはアタマ側の重さをまるで感じさせない。

それでも、時にこちらが身構えるほどに鋭い動きをみせるM135iに対しては、僅かに穏やかな味付けがなされていることはその動きから伝わってくる。快適性も然り、M235iは運動性能推しというところからは僅かに退いたぶん、平時の動的質感にも拘った大人向きというキャラクタライズがなされているのだろう。]

REPORT/渡辺敏史(Toshifumi WATANABE)

【SPECIFICATIONS】

BMW 235i xDrive グランクーペ

ボディサイズ:全長4540 全幅1800 全高1430mm

ホイールベース:2670mm

車両重量:1570kg(欧州値)

エンジン:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1998cc
ボア×ストローク:82.0×94.6mm

最高出力:225kW(306hp)/5000-6250rpm

最大トルク:450Nm/1750-4500rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:4WD

サスペンション:前シングルジョイントスプリングストラット 後マルチリンク

タイヤサイズ:前後225/40R18

最高速度:250km/h

0-100km/h加速:4.9秒

車両本体価格:665万円

【問い合わせ】

BMW カスタマー・インタラクション・センター

TEL 0120-269-437

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