9月6日に国内導入が発表となったメルセデスAMG E 53 4MATIC+とメルセデスAMG CLS 53 4MATIC+。どちらも4.0L V8ツインターボを積んだ既存の「63」ほどではないものの、ワンランク上の速さと快適性能を兼ね備えたモデルである。BMWであればMパフォーマンスモデル、アウディならSモデルに相当するパフォーマンス指向のモデルの新コンセプト・シリーズだ。
最大のトピックスは、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を備えた新世代の3.0L直6ターボに、9速ATを組み合わせたパワートレインを搭載した4WDモデルという点である。六本木のメルセデス・ミーで行われたお披露目イベントでも、その点が強調されていたが、いくつか気になる点があったので、メルセデス・ベンツ日本でAMGのマーケティングを担当するレナート・ニグマン氏に直接話を聞いてみた。
「M256」と呼ばれる直6ユニットは、既に日本上陸を果たしているS 450と基本的に同一エンジンである。だが、そのスペックは最高出力320kW(435PS)/6100rpm、最大トルク520Nm(53.0kgm)/1800~5800rpmと、S 450と比較すると50kW(68PS)と20Nmも引き上げられている。これはエンジン・マネジメント・プログラムの変更や、より大型のターボ・チャージャー採用などが主な理由だ。
エンジンについて特に引っかかったのが、低回転域で吸気をアシストする「電動スーパーチャージャー」だ。「スーパーチャージャー」と聞くと、日本人の感覚では「クランクシャフトに機械的に接続された過給器」をイメージしてしまうが、ニグマン氏に確認したところ、ターボとは別系統の吸気パイプに装着された、ドイツ語では「elektrischer Verdichter(エレクトリッシャー・フェアディヒター)」と呼ばれるものだという。つまり、「電動吸気コンプレッサー」もしくは「電動ターボ」と考えれば良いだろう。ちなみにこのシステムは、1100~1200rpm以下のごく低回転域のみで作動し、それ以上の回転域では通常のターボ・チャージャーに切り替わる。
できれば一回りコンパクトなCクラスにも、同一パワートレインを搭載したモデルの登場を期待したいところだが、ニグマン氏によれば、直6ユニットを搭載するにはエンジンルームの前後長が足りないため、少なくとも現行世代に搭載されることはないそうだ。
また4WDシステムの「AMG 4MATIC+」は、その呼び名からも判るとおり、「63」と共通である。つまり、前後の駆動トルク配分が50:50から0:100の範囲で最適にコントロールされる、ハイパフォーマンス・モデル専用にAMGが開発した電子制御4WDシステムだ。ただし、その制御はエンジンの出力特性に合わせて「53」専用に最適化されているそうだ。
「完全バランス」と言われる直6エンジンに電動ターボやISGを組み合わせ、大型ターボ・チャージャーを備えながら大排気量のNAエンジンのようなスムーズでリニアな加速感や高回転域まで伸びやかな回転フィールが味わえるというAMG E 53 4MATIC+とAMG CLS 53 4MATIC+の走りは、大いに期待して良いだろう。
(文、写真:竹花寿実)
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竹花寿実(たけはな としみ):モータージャーナリスト
自動車情報ウェブサイトの編集者を経て2010年に渡独。8年にわたりドイツ車とドイツの自動車業界を中心に取材し、国内外のメディアに寄稿。2018年7月に帰国し、独自の視点でクルマとその周辺に関して発信している。
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