モータースポーツなら「同じ土俵」で勝負可能! 3種の「手動装置」を駆使する車いすラリードライバーの挑戦が熱い
2020/11/21 11:41 Auto Messe Web
2020/11/21 11:41 Auto Messe Web
自操式マシンでモータースポーツチャレンジ
今シーズンも#125 京都トヨタ86withサトウ(佐藤友治/岡﨑 幹組)でトヨタ GAZOO Racing Rally Challenge(ラリチャレ)に挑戦を続けている車いすレーシングドライバー、佐藤友治選手。今年でそのラリチャレも3年目の挑戦となる。クルマとともに戦う競技のモータースポーツだけに、佐藤選手の86には参考にもなる手動装置のあり方があった。
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ラリーで使用しているのはニッシンの手動装置
佐藤選手は、32年前、バイト帰りにバイクの事故で脊椎損傷を負ったという。胸椎の8番と9番の間で、胸から下の完全麻痺であった。その事故当時は、バイクレースを始めた直後で、クルマの免許は持っていなかった。しかし、事故の後、バイクは無理ということで、4輪の免許を取得してクルマに転向。公務員として働く傍ら、レンタルカートを楽しむ生活を送っていた。
モータースポーツは障がい者と健常者が一緒に楽しめるスポーツである、という見識のもとに「バリアフリーという点からのクルマの可能性をもっと伝えていきたい」と、佐藤選手は地元北海道ではバリアフリーモータースポーツフェスティバルを開催もしている。障がい者と健常者が一緒にモータースポーツを楽しむイベントなど、積極的な活動が知られている選手でもある。
そんな佐藤選手だが、3年前には大動脈流乖離という大病に見舞われ、その際に脳梗塞も引き起こしており、左手が完全麻痺という大変な事態にも陥っていた。しかし、当時、全日本ラリー選手権でも活躍する国内トップラリーストのひとり、福永修選手から一緒にラリーをやろうと誘われていたこともあり「20年待ったチャンス。なんとしてもそこに戻りたい」と、ひたすら厳しいリハビリに耐え、現在はリハビリの甲斐もあって左手の麻痺もそれほどわからない状況にはなっているという。「細かい動きはまだまだ」と言う通り、まだ左腕に若干麻痺が残っている状態ながらもラリーの現場に足を踏み入れたのだという。 そんな佐藤選手がラリーに使用しているトヨタ86には、ニッシン(ミクニ ライフ&オート)のAPドライブが使用されている。アクセル・ブレーキをコントロールする手動装置だが、選択の理由は長年愛用していることと、競技中に外れたりしないこと。その2点だとのこと。
3種類の手動装置を使い分ける
もちろん他の車両では他の手動装置も使用している佐藤選手、サーキット用の車両にはステアリングノブは使用せず、リング式の手動装置を使用。マニュアルミッション車ということでアクティブクラッチを使用していたりもする。また簡易的な手動装置なども用いることもあり、そのシチュエーションに応じて手動指導装置を選択している。「手動装置って大きく分けると三種類あります。ニッシンやミクニといった、しっかり加工して取り付けるもの。その反対で、持ち運びもできる簡易手動装置というもの。さらにそういったレバー式ではなく、ステアリングの前後にリングを付けて、リングを引いたり押したりして操作するもの」。
「私は競技、そして使用目的でこれらの中から選んで使用しています。というのも、サーキットや街中ではリング式って意外に快適で、ステアリングが両手で持てるというメリットがあります。今回のように86を使うジムカーナやラリーでは、加減速操作とステアリング操作が非常に多い。そうなるとステアリングを持ちながらその同じ手で、ブレーキとアクセルを操作するとなると、これが大変で、ステアリングノブも必要となります」という。「もっといろんなことをやっていきたいし、チャレンジしていきたい。ラリチャレも今シーズンで3年走ってきました。これからのフィールドは考えていないけれど、いろんな活動に広げていき、もっともっといろんなことをしていきたい」と語ってくれた。
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