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「トウ」「ハロ」「リフトアンドコースト」! イマドキのレース観戦には必須の用語9つ

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「トウ」「ハロ」「リフトアンドコースト」! イマドキのレース観戦には必須の用語9つ

知っているとツウぶれる今どきの用語

 新型コロナウイルスの感染が世界中に広がっていることに伴い2020年のF1の開幕が中止および延期となっている中、7月5日にようやくオーストラリアGPが開催される。

もはや死語なのか!? 「キャブレター」や「逆ハン」など現在は聞かれなくなった自動車用語8選

 が、レースをテレビ観戦していると「昔はこんな言葉は使っていなかったのでは?」という言葉を耳にすることがある。意味も何となくは分かるけど、詳しくは・・・・・・そんなちょっと気になるレース用語をいくつかピックアップした。

1)トウ

 いわゆるスリップストリームで得られる空力的アドバンテージのことで「トウを得た」といった言い方をする。「スリップストリームに入った」という表現でいいような気もするが、英語圏ではこちらの方が一般的なようで、いつの間にかF1中継などでは”トウ”を使うようになってきた。

2)デルタ

 ランチャ デルタ? 飛行機のデルタ翼? 対テロ作戦を遂行するアメリカ陸軍の特殊部隊デルタフォースなどを連想するかもしれないが、この場合のデルタとは、ある値とある値の差分を表す数学用語。ラップタイムの差や燃料の目標値の差、セーフティーカーや、バーチャル・セーフティーカーが出たときに指定される速度上限値を「デルタタイム」などという。レース中はステアリングのディスプレイに、目標値に対する「差(デルタ)」が、プラス・マイナスで表示される。

3)ステイアウト

 緊急事態宣言が発令中はステイホーム週間などといわれていたが、“ステイアウト”(Stay Out)は、直訳すると「外に留まる」という意味。レースでは、ピットインのタイミングになってもコースにとどまり走り続けることなどをいう。セーフティーカーが入ったときなども、ピットインするクルマと、走行し続けるクルマに分かれるが、後者は「ステイアウトの戦略を選んだ」などといわれる。

4)アンダーカット

 当初の予定、あるいはライバルよりも早めにピットイン。タイヤを交換し、フレッシュタイヤのアドバンテージを活かして、ポジションアップを狙う方法。

5)オーバーカット

 アンダーカットの反意語。ライバルが先にピットインしてタイヤ交換したときに、ライバルのタイヤが温まるまでプッシュして、その間にポジションアップを狙う行為。ライバルよりもタイヤのグリップ力に余裕があり、なおかつライバルがソフトタイヤからハードに履きかえるようなときに有効とされる。

6)Fワード

 F1のチームラジオなどを聞いていると、ときどき「ピー」という自主規制音(ピー音)が入ることがある。これは激高したドライバーが放送禁止用語の類を発したケース。たいていは、「英語でもっとも下品な単語」、Fから始まるこの四文字で、これを”the F-word”という。ちなみにF1ドライバーが多用する、F1用語だから「Fワード」というのではない……。

7)コピ(COPY)

 これもチームラジオでよく使われる言葉。多くはドライバーから、チームに何か報告したとき、エンジニアが「COPY THAT」「OK COPY」などと返答している。「了解」「わかった」という意味で、もともとはアメリカの無線通信分野で使われていたらしい。

8)リフト アンド コースト

 リフトは「lift off」を示す。つまりアクセルから足を離すこと。「Coast」は、ソリなどの滑走、滑降、(下り坂での自転車の)惰力走行のこと。つまり、ストレートエンドなどで早めにアクセルを戻して、惰性でクルマを走らせ、燃費をセーブする走らせ方。

 F1の場合、「リフト アンド コースト」を使っているときは、テールランプが点滅するので、後続ドライバーや観客にもよくわかる。F1のようにMGU-K(Motor Generator Unit Kinetic)=運動エネルギー回生システムがついている場合は、早めにアクセルを戻すことで、MGU-Kの効率も上げられる。F1以外でも、耐久レースなどではおなじみの走法。

9)ハロ(ヘイロー)

 F1では2018年から義務付けられたドライバー頭部保護デバイスのこと。見た目がカッコ悪く、重心が高くなり、重くなる。空力的に影響が大きいと大不評だったが、ドライバーの頭部をアクシデントではずれたタイヤその他のパーツ、破片などから保護するために導入された。F1以外にも、フォーミュラE、FIA F2、スーパーフォーミュラ、F3、F4などでも義務付けられている。

 今回は9つの用語をピックアップしてみたが、これを読んで2020年のF1中継をじっくり楽しもう。

文:Auto Messe Web 『Auto Messe Web編集部』
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